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伝統文化について思うこと

”伝統”という響きは、とても魅力的です。

私たちがなぜ日本の贈答文化が好きなのか、それはそこに”伝統”があるからだと考えつきました。
長く受け継がれてきたということは、その残されたことの背景に思いを馳せることができるからです。
どうやって残ってきたのか?どんな気持ちで残してきた人がいるのか?残されざるを得なかった必然性、それらを紐解いていくこと、紐解くことができること、がたまらなく興味深いのです。

例えば・・・
○衣替え
今や当たり前に使う言葉ですが、もとは中国から伝わった文化でした。年に2回夏服と冬服を入れ替える風習が平安時代に伝わり、着物の多様性から江戸時代にこれが4回になりました。四季がある日本ならではの発展だと思います。

○こぎん刺し
江戸時代に麻の着物しか着ることを許されていなかった津軽の庶民が、少しでも暖かく過ごすために麻布に木綿の糸で刺繍を施すようになったのが始まりです。津軽地方はその寒さから木綿の栽培ができなかったため、津軽藩は麻の栽培を推奨していました。それと同時に木綿の着物や高価な絹の着物を着ることを禁止していました。そこで、木綿の糸で細かく布を刺すことにより保湿効果と布の補強をしていたというわけです。それが今ではその柄の綺麗さに注目されるようになり、元々の目的とは少し違うけれども500年続く“伝統“になっています。

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▲弘前こぎん研究所ホームページより引用


これらの”伝統”文化は、「日本のものだからよい」というわけではありません。私達はたまたま日本人なので日本の文化について知るきっかけがたくさんあり、どの外国の文化も等しく素晴らしいです。
他の文化と比較して優劣をつけるのではなく、色々なことを知っていくことで互いの理解も深まり、ひいては日本の文化についての理解も深まると確信しています。

また長く続く”伝統”を守ることはとても尊いことだと思いますが、守ることが全てではない、とも思います。
守ることだけが目的になってしまっている習慣も、あるのと思うのです。

例えば、私達の商品が関わる、マナー(礼儀作法)には全てを網羅して実行するのは正直しんどいです。お祝いをいただいたら内祝いをし、慶事・お見舞い・弔事によって名前や住所の書き方を変え、目上や目下の関係性で贈り物の金額を変える、等々。
三越伊勢丹のマナー本を読んだ時は、2人とも無言でそっと本を閉じました。。。

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▲三越伊勢丹が提唱する冠婚葬祭での振る舞いやお決まりをまとめた分厚い本


枚挙にいとまがないマナーの数々ですが、近年付け加えられたものも多々あります。腑に落ちないルールがたくさんあり、それを”伝統”だからという理由だけで守らなければいけないのか?というと、そうではないように感じるのです。

米が育ちにくい土地では麦やそばを育てたように、雪深い地方で農作業ができない冬に麻で布を織ったように、寒さをしのぐために刺繍を施したように、地域性や時代背景による必然性がある“伝統“に、非常に魅力を感じます。

妹は、二年半前に四国のなかなかの田舎に移住し、”伝統”が必然的に残ってきた面を実感したそうです。そゆるの一環で季節行事について調べていると、本当にその行事や習慣に必要な草花が咲き乱れている。昔から、自然現象や季節の中に暮らしていれば自然と生まれた習慣、風習、考え方。こうしたものが、自然環境が変わらない限り無理なく続いていく”伝統”なのだと感じたそうです。

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▲そゆる妹の散歩コースで咲いていた山桜


私達が提唱する水引・熨斗がセットになった贈答様式は、贈り物をする際に「相手のことを想う時間がある」ことに深く共感したことが始めるきっかけでした。
相手のことを考えて水引を選ぶ、季節に想いを馳せて飾り付けをする。季節感を大事にする日本の“伝統“には情緒的な思いやりと、贈る相手だけではなく贈り主である自分の時間も豊かにすると思うのです。その効果に、私たちは必然性を感じずにはいられません。
その一連の贈答様式が紙に印刷されただけの水引きと熨斗にとってかわられている現状に違和感を覚え、そゆるはスタートしました。


何が“伝統“になるかは、そのもの自体の必然性が生み出した結果だと思います。その背景を知ることがより深い理解につながりますし、単純に面白いです。いろいろなものがある中で、自分が面白い・楽しいと思ったことを日常に取り入れてみる、というスタートでもよいのではないでしょうか。


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そゆるのホームページは、2020年10月15日にリニューアル予定です。
リニューアル後にはお得なキャンペーンも実施しますので、ぜひぜひチェックしてみてください!
www.soyuru.jp

instagram:@soyuru.creepysuns

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