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教えて!ファシリテーターvol.10「勉強会」


はじめに

この連載ではファシリテーターとして、企業や行政の会議や議論の場をまとめ成果に結びつけてきた渋谷健さんに、会議初心者でも取り入れやすい「ファシリテーション」のテクニックや、「会議における疑問・質問」をお聞きする「初心者向けファシリテーション」をお届けしています。

今回からは「勉強会(攻め×静的)」のについて、解説をお届けしています。

勉強会の種類と進め方


教えてさん: 今回からは「勉強会編」ですね。どんなことを教えて頂けるのか楽しみです!よろしくお願いします。
渋谷さん: はい、今回もよろしくお願いします。まず大事な点からお話しましょう。
勉強会の目的は「わからない事(知りたいこと)があるから、一緒に勉強しよう」とするのが基本です。「(なんか集まれって言われたし)とりあえず勉強会でもやるか」と勉強会を「目的」にするのは正直お勧めしません。勉強会の開催を目的にすると、開催して満足するだけのイベントになってしまうんです。共通の目的に向かって一緒に歩むことで生まれる一体感や共有された経験が勉強会の価値だと僕は思いますよ。
誘い方としては「○○のことを知りたいと思ってるんだけど、一緒に勉強会をやってみない?」くらいのフランクな誘い文句が始めやすく馴染みやすいとおもいますね。ただ、何も準備がないと雑談で終わりがちなので、基本の3パターンを教えていきます。
教えてさん: なるほど、まずは「知りたいこと」があって、それを目的にすることが大事なんですね。それでは、その3つのパターンを教えてください。


タイプA: 読書会パターン

渋谷さん: 読書会パターンは、共通の課題の本やブログ、動画を読んで感想や理解したこと、疑問点を共有する形式です。特に、「わからなかったことに気づく」ためには、「何が分かったのか」「曖昧なことは何か」を言語化するのが良いですね。
教えてさん: そうですね。本を読むと「なんとなくわかる」状態になることが多いですもんね。曖昧なことを明確にするための言語化は大切ですね。でも感想の共有ってどうするのがいいんでしょうか?
渋谷さん: いい質問ですね。感想は、個人の感じたことを素直に言葉にすることが大切です。例えば、「この部分は新しい視点を得られて、○○の仕事で利用できそうだった」とか、「ここは理解が難しく感じたので皆さんの理解を教えてほしい」といった具体的な反応を共有することで、他の参加者との議論が深まります。
教えてさん: そうですね。具体的な反応を共有すると話が深まりますよね。


タイプB: ゼミパターン

教えてさん: 二つ目はゼミパターンなんですね。ゼミって大学でやるあのゼミですよね?
渋谷さん: そうです。ゼミパターンは、特定のテーマに基づいて自分で調査し、レポートにまとめるスタイル。自己主導的な学習を促す一方で、高いモチベーションと積極性が必要です。ゼミっぽいでしょう(笑)
教えてさん: 学生時代を思い出します………。ということは、主体的に調査することが重要ですね。具体的にはどう進めるといいですか?
渋谷さん: まずはテーマに関連する質の高い情報源を選ぶことが重要です。そして、情報を整理しながら自分の言葉で要約すること。これにより、理解が深まるだけでなく、他の参加者にもわかりやすく伝えることができます。
教えてさん: 情報の質を選ぶことが、結果的に議論の質を高めるわけですね。


タイプC: 講演会パターン

教えてさん: 3個目は講演会なんですね。講演会というと話を聞いてお終い、なイメージがありますが、どうでしょうか?
渋谷さん: 講演会パターンは、講師からレクチャーを受けて、その後に感想や活用できる内容、理解できなかった点を報告する形式です。手軽ですが、「やった感」ばかりで、勉強会としての効果が出にくい点には注意が必要です。
教えてさん: 聞いてお終い、にしない手立てが大切なんですね。
先生にお話を伺うのは、手軽で楽そうに見えますが、効果が出にくいこともあるんですね。どのように進めれば効果的ですか?
渋谷さん: 講師の話の中で新たに知ったことや、特に印象に残ったポイントをピックアップして共有するのが良いでしょう。それに加えて、「この知識をどう活用するか」というアクションプランを提案することで、単なる情報共有から一歩進んだ議論が可能になります。
教えてさん: アクションプランを加えることで、より具体的な次のステップへと繋がりますね。


教えてさん: 勉強会にはこんなやり方があったんですね!基本パターンを押さえられると、初心者の私も始めやすい気がします!
次回以降も具体的な進め方など、教えていただけるとのことで楽しみにしています。渋谷さん、素敵なアドバイスをありがとうございました!
渋谷さん: どういたしまして。勉強会はやり方次第で楽しくて効果的なものになりますよ!次回もお楽しみに!

まとめ

  1. 勉強会を始める際には目的を忘れずに

  2. 3つのパターンを基本として進める



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