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教えて!ファシリテーターvol.14「トラブルが起こったらどう会議を進める?」

はじめに

この連載では、ファシリテーターとして企業や行政の会議を成功に導いてきた渋谷健さんから、会議初心者でも取り入れやすい「ファシリテーション」のテクニックや、「会議における疑問・質問」を学ぶ「初心者向けファシリテーション」をお届けします。

会議の4象限

前回は、会議の4象限「動的×守り」の「トラブル会議編」として、トラブルが起こった際の案作りを学びました。今回は、実際にトラブルが発生した際の対応方法について解説します。



トラブルが起こったら?

教えて!さん:今回は、渋谷さんの会議術をさらに深めて学びたいと思います。前回はトラブルに備える準備編でしたが、今回は実際にトラブルが発生した際の対応について詳しく伺います。

教えて!さん:まず、トラブルが発生したら何をすればいいでしょうか。

渋谷さん:事前に決められたメンバーを招集し、オンライン会議を開きます。この会議は必ず録画しましょう。

教えて!さん:録画ですか?

渋谷さん:はい、トラブル時の対応は非常に重要なので、すべての情報を正確に記録しておく必要があります。録画しておけば後で見返すことができ、どのような判断がなされたか、経緯を明確にすることができますよね。

教えて!さん:どんなふうに決めたのか、どんな情報を重視したのか、どこがポイントになったのか、どんな情報が不足していたのかなど、分析するために録画は必要なんですね。
トラブル会議では「どう対応するか」を決める場だと思いますが、招集する側があらかじめ案を用意したほうがいいですよね?

渋谷さん:そうですね。解決策は複数用意してください。それぞれの案について状況を説明し、参加者全員で最適な案を話し合います。事前の案以外にアイデアが出てきた場合には、柔軟に他の案に変更することも重要です。

教えて!さん:他に気をつけることはありますか。「怒らない」「怒らせない」というのもポイントの一つですよね?

渋谷さん:その通りです。感情的にならないことは特にトラブル会議においてとても大事だと思います。感情的になると冷静な判断ができなくなりますしね。事実に基づいて淡々と話を進めること、これが本当に大切ですよ。

教えて!さん:やってはいけないこともありますか?

渋谷さん:そうですね、「誰かのせいにする」ことは避けましょう。
「原因を人のせいにする」のは非常に悪手なんですよ。負の感情が起こるだけでなく、解決の糸口が見つからなくなってしまうんです。トラブルの原因はシステムやプロセスに問題があると考えれば、それを改善すればいいので、手立てが考えられるはずです。

教えて!さん:対応策はどのように決めたらいいでしょうか?

渋谷さん:5W1Hを確認しながら決めると良いです。「何を」「誰が」「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」です。
特に「なぜ」は重要ですよ。今回の判断の背景を明確にし、後の検証に重要な情報となります。また、会議の録画や議事録を早急に共有することも忘れずに。

教えて!さん:具体的なアクションが分かりやすいですね。次回は謝罪やアフターフォローについて教えていただけるとのことで、楽しみにしています。


まとめ

  • オンライン会議を招集し録画を開始:情報の正確な記録が重要。

  • 解決策を複数用意し、状況を説明して選択する:柔軟性を持ち、問題は「仕組み」にあると考える。

  • 冷静に事実を把握し判断:感情を排除し、事実に基づいて進める。

  • 5W1Hを明確にする:特に「なぜ」を重視し、録画や議事録を共有。





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