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”ものづくりって、かっこいい”。ソファの産地・日田市から発信

ものづくり体験型施設「CREATIVE BASE FAB」。天井部分には日田杉を使っている

「CREATIVE BASE FAB」は日本有数の林業地であり、家具生産が盛んな大分県日田市に本社をおくオーダーソファメーカーのベストリビングが運営するものづくり体験型施設です。

この投稿では日田の林業の歩みと日田家具の興隆、そして「CREATIVE BASE FAB」の役割とミッションについて書き綴っていきます。

日田市について

北部九州の中心に位置する大分県日田市は、周囲を山に囲まれた山間部にあるため降水量が多く、杉や檜の生育に適しています。総面積の83%を森林が占め、そのうち76%が人工林です。歴史ある林業をはじめ、木工文化など自然環境に適応し豊富な資源を活かした生活の営みは、現代においても受け継がれています。

総面積の83%が森林を占める大分県日田市

日田市の歴史・文化

大分県日田市は江戸時代、幕府直轄地・天領として西国郡代が置かれ、多くのモノが行き交い、九州の政治・経済・文化の中心地でした。日田市の人々は、その歴史を色濃く残す街並みや祭事、伝統工芸などを大切に守り、次世代に継承しています。

日田の杉植栽起源

日田の杉の植栽は宮園神社(大分県日田市中津江村に現存)内にある樹齢約500年の御神木が起源とされています。一般の杉植栽は享保年間(1716~1735年)に日向地方(現宮崎県)の挿木法(株の一部を切りとり、発根させて増やす方法)が伝えられたといわれ、江戸時代に入ると幕府は挿木を奨励する御達や制度を公布。1817年には、日田郡代・塩谷大四郎が杉の植栽を推奨し、杉造林の基礎が築かれました。

明治時代に林業の繁栄を迎える

林業の繁栄(明治20年頃)

西南戦争(1877年)の復興や日清戦争(1894~1895年)、日露戦争(1904~1905年)における木材需要の高まりは、日田における杉の造林意欲を一層高めることとなりました。さらに第一次世界大戦の造船ブームにより、杉の生産は急速に増加。こうした時代背景に支えられ、日田の林業・木工業は全盛期を迎えます。そして造林された美しい日田の杉山の姿は、九州の三大美林のひとつになっています。

1907年に設立された日田群立工業徒弟学校。1915年に日田工芸学校と改称

日田群立工業徒弟学校の開設(明治40年)

それまでの原木や製材品の流通だけでなく、家具や下駄などの付加価値を付けた工芸産業を興そうと1907年(明治40年)に「日田群立工業徒弟学校」が設立されました。1915年には「日田工芸学校」と改称。建築科・家具科・漆科を置く、当時としては珍しい日田漆器株式会社との産学協同学校でした。この工芸技術者育成により日田の木工業は大きく発展していきます。

戦後、日田家具の礎が築かれる

日田家具の芽生え(昭和21年)

戦後、それまで小規模だった日田の家具や建具の生産体系は、筑豊炭鉱の隆盛、進駐軍による軍およびその家族向けの家具調達などの大きな需要に支えられました。日田に復員・帰郷した若者たちは、必死に仕事に励み、もろぶた(調理器具のひとつで長方形の木製の箱)や丸盆、そして丸椅子製作により日田家具の礎を築いていきます。同業者たちは力を合わせ家具業界全体の発展に取り組みました。

夜明けダムの建設で木材の筏流しの歴史は終わりを告げ「日田家具」の生産性が更に高まることに

夜明けダム建設(昭和28年)

永らく日田の木材は、日田市を流れる三隈川から筑後川を下り、同じ九州の家具産地である福岡県大川市に供給されていました。ところが、流域に夜明けダムが建設されると、約300年続いた木材の筏流しの歴史は終わりを告げます。この日田木材と大川家具の関係が途絶えたことが日田家具の生産性をさらに高めること要因となりました。

視察旅行に赴く協同組合日田家具工業会のメンバー

協同組合日田家具工業会設立(昭和42年)

戦前から日田木工業を支えていた「日田家具建具組合」のメンバーを含む「日田木工業組合」が昭和29年に発足。その中で全国家具工業連合会に属していた「日田家具工業会」は昭和42年「協同組合日田家具工業会」として独自に歩みはじめ、日田家具に誇りを持ち、切磋琢磨しながら業界全体の向上を目指しています。現在では、ベストリビングを含め7社が同工業会に加盟。全国有数の家具産地としてソファ、応接セット、リビングセット、ダイニングセットを中心に製造・販売を行っています。

「CREATIVE BASE FAB」の役割とミッション

「CREATIVE BASE FAB」は、ベストリビングの約300坪の倉庫をフルリノベーションしたものづくり体験型施設。”ものづくりって、かっこいい”。をコンセプトに、ものづくり産業が盛んな日田市で、ものづくりの新たな価値を創出することを⽬指して2022年2月に開設されました。

日田産ソファが並ぶショールーム
日田下駄や小鹿田焼など地場産の逸品が並ぶセレクトショップ
施設に併設するコワーキングスペースを使ってものづくり体験会などを開催

施設には日田産ソファが並ぶショールームや地場産の逸品を販売するセレクトショップなどを完備するほか、併設するコワーキングスペースでものづくり体験会や職人によるワークショップを開催。さらには産業ツーリズムの拠点として“ソファの産地・日田”、そして“ものづくりの町・日田”の魅力を全国に発信しています。

「つくり手」と「つかい手」を結ぶ「つなぎ手」として役割を担っていきます

また「つくり手」と「つかい手」を結ぶ「つなぎ手」として、業種・業界・企業の垣根を超えた連携を生み出す場としても位置付けています。

そしていつの日か大分県日田市が”ソファの産地”そして”ものづくりの町”として認知され、日本全国の職人さんやものづくりを志す人が集う聖地となれるよう目指していきます。

【CREATIVE BASE FAB】
■ホームページ:https://www.creativebase-fab.jp/
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