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夢見てしまう

見ようと思っていて見逃していた「窮鼠はチーズの夢を見る」を見た。

原作は読んでいないけど、空気感が湿っぽくて文学的な雰囲気が好みでした。今ヶ瀬にも大伴にも共感できたし。26歳のときの恋愛は今ヶ瀬、人に好かれたときは流されがちなので大伴。

映画で好きだった場面は、屋上でじゃれ合うところ。映画を見ながらポテチを食べるところ。最後に灰皿を洗って穏やかな顔でスツールに座る大伴。

期待はだいたい裏切られるし、好きになりすぎると苦しい。「苦しくて、幸せ」なんていやだな。恋のあの苦しさは喜びなのかな…。わたしはあの心の束縛感にもう恋なんてしたくないと思ってしまった。好かれないなら、この世がなくなればいいとも思った。

そんな恋愛を楽しめないわたしが伊勢物語を読んで、九十九髪の女に興味を持って、もしかしたら最後の恋(?)に期待して、ちょっとだけ軽い出会いを求める夢を見ている。夢なんて見ないといけないものではないのに、なんか求めてしまう。心の弱さなのか、純粋なのか。心が動く感覚を楽しみたいな。楽しめるだろうか。

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