またねの無い別れには
今日はもう帰ろうか、改札前、帰宅途中の道の上
それじゃあまた明日、また今度、またね
友人、恋人、その時の一旦の別れに「またね」をつけて
始まりと終わりが紐付いているような
再び出会うことを知らせる別れには寂しさの影も見当たらない
それじゃあ、さようなら、バイバイ
画面の中の電子情報が織り成す文字、人気の無い街灯の下
助手席のシートの上
終わりの先は旅立った痕跡が示す過去の跡だけで
進むことも変化することも無いエンドマークの上で迎える
打ち切りの別れには絶望の影が張り付いている
その「またね」の無い別れにもせめて笑顔を添えて
手を振ることが出来たなら
殺風景な景色にも彩りを残して、いつか振り返った時に
思い出を優しい形にしてくれるのだろうか
「それじゃあ、さようなら」
「さようなら、ありがとう」
これより先は無いけれど
冷たいブルーにも少しの温もりを溶かしながら
確かにあったこれまでに愛情の残り香を漂わせることが出来たなら
この先が抜けてしまった寂しさもきっとごまかしていけるのだろう
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