詩 川辺の蛍
川に石を投げ入れて
ドボンと聞こえる音を聞く
大中小で違う音、投げ方一つで違う音
種類を集めるように次から次へ投げ入れる
同じものが一つもないから
いくらやっても飽きが来ない
夢中で拾っては投げてを繰り返し
時間が経つのも忘れてた
それを隣で黙って見てるその横顔を
今でもちゃんと覚えてる
日が暮れるまでただ側にいて
時々一緒になって石を投げた
時間が来れば手を引いて
家まで一緒に帰ってた
あなたが掛けたあの橋も今はもう流れてしまって形もない
景色が変わったこの川辺にも
あの頃の面影は残ってる
夕方を過ぎた暗がりに
蛍の光が灯り出す
その中の一つの光が飛んできて
服に止まって瞬いた
手に取った蛍はしばらく羽根を休めてから
柔らかな灯りを残していった
虫の音聞こえる静かな夜に
ゆっくりとその光は返っていく
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