雨のち晴れ

抜けるような青空が好きだから

天気のいい日は気分が良かった

いつでもこんな天気ならちょっとは優しくなれそうで

でも「いつも」じゃないから「ずっと」好きでいれるのかも

そう言い聞かせる雨の日はまとわりつく湿度でベタついた

灰色を敷き詰めた空は不健康そうに淀んでいる

老廃物を絞り出すように落ちる雫は地面を濡らして

磨いた靴を汚していた

何をするのも面倒になる雨模様に心底うんざりすると

天気予報の画面から傘マークが消えることを祈ってしまう

ずっと晴れていればいいのに

心地良い日がずっと続いていればいいのに

けれどそんな気持ちを沸き立たせて忘れないでいられるのは

この憎たらしい雨のおかげだった

雨上がりに虹が掛かるように

耐え忍んだ先には思いがけないプレゼントが待っている

テレビに映る天気予報はこの先一週間の雨を知らせているけれど

抜けるような青空をより心地よく感じるためならば

この先の雨も耐え抜ける

大切な気持ちを忘れないための時間と思えば

むしろ愛おしく思うことも出来るかもしれない

ただそれでも濡れた傘と湿った玄関は

やっぱり少し気だるげで

憂鬱な感じは拭えないけれど

雨で濡れた窓ガラスに滲んだ街の灯りだけはキラキラと輝いていて

それはなんだかとても綺麗で

その滲む光を眺めている間は

湿った一室の中もあまり悪いものではないように思えた



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