詩 今日で最後の帰り道
酒で火照る体を運んで
あなたと帰るこの時間
道路を走る車もなくて
街灯の下には二人の影
誰かのものになるあなたとは
もう同じ時間を過ごせない
ここから先には違う道が伸びている
街路樹の影に混じって歪んだ二人の影が
道の上に倒れてる
今日限りの最後のチャンスも残りは僅か
登りきった坂の上で
それじゃあといったあなたの手を取って
向かい合ったその時の
瞳の色をきっとこの先も覚えてる
アルコールの魔法の中で引き寄せた体の感触が
言葉のない時間に刻まれる
背中に回ったその腕がこの場限りの愛だった
忘れられない記憶がもう一つ
街灯の下に伸びた一つの影に残された
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