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休憩を終えた誠がキッチン内に戻り、ラストオーダーをこなして締め作業を終えたのは深夜2時…
家へ戻った誠は自室にあるパソコンを立ち上げて検索バーにカーソルを合わせ、ボランティアと…
咲喜にメールを一通送ろうかとも思ったけれど手が空くのはまだ先のことだろうからと画面を閉…
メッセージを開いてすぐに”ご期待に添えない結果となりました”という一文が目について不採…
アスファルトで塗装された灯りの少ない田んぼ道を歩き、靴底で擦れる砂利の音が一定のリズム…
「じゃあどんなことを思い出してたのか教えて」 「咲喜が勝手にどっか行ってはぐれたこと…
その匂いは通りの端にあった綿菓子を売っている屋台から漂って来た甘い砂糖の香りだった。真ん中に穴の空いた機械にザラメを流し込むとそれは途端に糸状になってドーナツ型の器にひらひらと舞い出す。それを店主が割り箸でくるくると巻くと雲のようにふわふわしたお菓子が出来上がる。 作っている工程を見ているとちょっとした手品のようにも見える。子供の頃に初めて買ってもらった時は興奮して急いで食べたせいもあって顔も手もベトベトになったのを覚えている。それ以来そのベトベトになる食べにくさが苦手
あの日も気温が高く滅茶苦茶な夏の気候が猛威を振るっていた。付き合って間もないあの頃は咲…
燃えるような八月の暑さは夕方になっても衰えることはなかった。駅の近くにある少年の銅像の…