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初めてのプロボノ活動、その感想(キャリコンサロン編集部#37)

昨年からプロボノ活動というものに参加しています。

「意義のあるキャリア教育を社会に届けたい」、そんな思いで活動に参加したのですが、後になってこの活動をプロボノ活動というのだと知りました。

プロボノ活動とは

プロボノ活動って?
ボランティアとどう違うの?

つい最近までの私の認識は曖昧でしたが、キャリコンサロン編集部で「ボランティアのことを書く」というテーマをいただいたこの機に、一度整理したいと思います。

プロボノ活動とは、
ラテン語の「pro bono publico」を語源とする言葉で、「公共善のために」という意味。
本業で培った専門スキルを用いて無償の社会貢献を行うことで、一般的なボランティアに比べて自分の強みを活かせることが特徴。

マイナビジョブより要約

無償で他人のために働くと言う点はボランティアと共通していますが、専門スキルを活かして活動できるところが、通常のボランティアとは異なります

私がボランティアを躊躇してしまう理由

ボランティア、社会活動というと、私の中では少し敬遠するところがありました。もちろん目の前に困っている人がいたり、震災など危機的で辛い状況が迫っている状況に対しては、あれこれ考えるより先に行動してしまうほうだと思います。

しかし「みんな(公共)のために」という視点で何かを率先して活動を引き受けたりすることは少し苦手意識がありました。
やっても結局面倒になっていき、行動が持続できないだろうなと思ってしまうからです。内心ではそんなことを思っているのに、「立派な人だ」と思われるのが嫌なんだと思います。

数年前、福祉のボランティアに参加したこともあったのですが、やっぱり続きませんでした。

「ありがとう」の報酬はうれしく頑張る力にもなりますが、仕事のように「金銭的対価を得ながら役務を提供する」という合理性の中で働くほうが気持ち的に楽で、持続に繋がるのだろうと思います。

「やりたい気持ちも沸くけど、きっと無償で継続できるほど私は立派ではない。それなのに立派な人のように見られてしまうのが嫌で尻込みしまう」というのが私の頭の中の「なんとなくのボランティアへの偏った認識」です。

一方プロボノ活動ですが、あれこれ考えるまでもなく自然に参画し、継続できています。「できなかったらやめればいい、だから一度やってみよう。」と思って参加しました。

この違いはなんなのか。

そこで展開する活動の思いに共感し、自分がなにかできるかもしれないと思ったことは参加への大きな要因ですが、継続の大きな要因の1つとしては、色々考えましたが詰まるところ、プロボノ活動とボランティアの定義から見るように、「自分の本業でのスキルを活かせる」というところなのだろうと思います。

本業でのスキルを活かすと言うことは、
「私はこんな歩みをしてきて、こんなことができる人なんです」と、自分を社会に晒していくことです。会社における仕事の範囲や人間関係など、いつもの枠を超えて、社会の中で自分を晒し、ぶつけてみるということ。

それがどんな風に受け止められて、どんな風に社会に役に立つのかということを肌で感じながら、最終的に笑顔が返ってくる、それによって続けられているのだと思います。

私のプロボノ活動と、参加しての感想

私が参加している活動はEキャリ部という、子どもたちの笑顔あふれる未来を夢見る、キャリア教育を展開する活動です。現在、そこで立ち上がった「夢のカケラ発見プロジェクト」に参加しています。
学校の先生、キャリアコンサルタント、会社の人事担当者、いろんな経歴の、いろんな活動を展開している様々な人が参加しています。

このプロジェクトで開発したプログラムは、
・子どもたちが自分の「好きなこと」をたくさん掘り起こし、
・「やってみたいこと(夢のカケラ)」をたくさん見つけ、
・やりたいことをイメージし、ビジュアル化した夢いっぱいの「宝地図」をつくる
というもので、すでに愛媛県、奈良県の2つの小学校で授業を実施しています。

実際の授業や詳しい経緯については、よろしければこちらをご覧ください。

最後に、プロボノ活動に関わって感じたことをご紹介します。

嬉しいご褒美①
単純に、子どもたちの笑顔が嬉しい!
「自分の好きがたくさんあった!」、「たくさん話せた!」、「自分のことを聞いてもらえた!」、「やってみたいことが見つかった!」など、子どもたちからたくさんの声が、笑顔とともに返ってきます。可能性いっぱいの子どもたちの純粋な思いを聴き、対話できることは大きな喜びです。

嬉しいご褒美②
自分のことを認めてもらえ、自信が持てる!
やってみたいとは言え、すごい人がいっぱいいるだろうな、自分は役に立つのかしら?…といった心配も少しありましたが、発言したりワークシートづくりなどのタスクをこなしていく中で、「それ、いいね」、「なるほど」、「すごい!」と言われることがありました。
自分では当たり前のことをしているつもりでも、自分のこんなところで何か貢献できたのかな、毎日の仕事は知らない間にこういう力になっていたんだな、ここは自信をもっていいのかな、と思うことができました。

嬉しいご褒美③
新たな知識やスキルはもちろん、視野が広り大切なことを学べる!
全国の仲間とオンラインで活動していますので、分かりやすい所ではSNSやプロジェクト進行に必要な様々なツールを使うスキルが身に付き、数年前までは思ってもいなかったようなことをいとも簡単に、日本中、いや世界中の誰とでも進めていく、基本的なスキルを学べたのかなと思います(元々SNSなどに苦手意識ありにて、大したレベルではありませんが)。

それ以上に貴重なのは、仲間一人ひとりの歩んできたもの(経歴、能力、考え方、思いなどすべてを包含)を知ることで、視野が広がり、学びがたくさんあるということです。

例えばプロジェクトメンバーと、「みなで一緒に良いものを作り上げる」というやり方一つにおいても、みなさんのやり方や関わる姿勢を見て、本当に多くの学びがありました。

会社の目標管理によるマネジメントと違い、参加したプロジェクトは一人ひとりの個性を活かしながら、みんなでよりよいものを作り上げるという、ゆるさと一体感、抜け感と緊張感がいいバランスの中で行われています。
ゆるくていいのだ、ゆるいからこそ新しい発想や展開があり、どこに行くか分からない面白さに乗っかるのも1つのあり方で、物事に対する答えはたくさんあるのだと思いました。

そして毎週の会議に加えて、自主的に課題に取り組み、授業実施の日は有給を取ってまで関わっていくという、無償で自分の時間と労力を割いてまで活動を続けていられるのは、スキルを発揮できたり、笑顔が見れるからだけではありません。

心理的安心があり、互いの思いを引き出しあい、認め合い、思いをまとめて解決に導き、熱量を高めてくれる、リーダーやメンバーの一言では言い表せない、スキルを超えた人間力によって居心地がよく、また主体的に関わっていけるのだと思います。
そしてそんな仲間を見ている時、自分はまだまだ未熟であることを痛感し、自己の成長意欲
にも繋がっています。

プロボノ活動に参加して分かったこと、感じたことのまとめになりますが、
・副業のように本業で培った知識やスキル(自分の得意)を活かせて、
・ボランティアのように純粋な思いで社会に関わる喜びがあり、
・自己の視野が広がり、もっと成長するための学びも多い

ということ。
そして今は着実にもう1つの自分の居場所になりつつある、そんな風に感じています。

この記事は、キャリコンサロン編集部として掲載しています。




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