![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139341334/rectangle_large_type_2_6f157e5158cab43f3f6c11910589b785.jpeg?width=1200)
フィルムカメラを使うなら、ストーリーごと所持したい。|Leicaに恋して。
フィルムカメラが持つ価値
「フィルムはやらないんですか?」
実は、これまでに何度と無く聞かれた質問だ。
でも、そのたびにお茶を濁してきた。
気にならない、といえば嘘になる。
とはいえ、積極的に取り入れたいわけではない。というのが正直な答えだったからだ。
いちいち現像に出すのは面倒だし、レタッチしないと自分の色は出ないし、時間もコストもかかる。
デジタル時代に生きる私たちにとって、フィルムは過去の技術の象徴に過ぎない。
・・・そう思っていた。
しかし、ある日のフォトウォークでの経験が、私の考えを変えた。
一緒に撮り歩いた友人が所有していたフィルムカメラは、彼のバースイヤーライカだったのだ。
つまり、自分の生まれた年に製造されたカメラ。
ここまで、自分と同じ年月を積み上げ、邂逅したカメラ。
丁寧にフィルムを巻き上げ、1枚ずつシャッターを切っていく。
これから先の人生を間違いなくともに歩んでいくカメラであり、単なる写真を撮るための道具を超えて、彼の人生の一部としてこれから息づいていくのだろう。
その瞬間、その時代にしか生まれることのなかったフィルムカメラの価値に、私は気づいた。
いや、単純にまた、恋に落ちたのだ。
そう、フィルムのLeicaに恋した。
デジタルカメラが進化し、なんならスマホでも手軽にステキな写真を撮影できる時代になった。
それでも…今でもフィルムカメラが持つ魅力が色あせないのは、その機体にそれぞれの歴史の継承があるからだと思う。
だからこそ、私がフィルムカメラを所有するなら、それは単なるカメラではなく、ストーリーごと手に入れたい。
そう思うのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1714703424356-1VJ1UJrbp6.jpg?width=1200)
フィルムカメラの記憶
大学生の頃、父から譲り受けたフィルムカメラを手に入れたとき、私はその存在に魅了された。
そのカメラは、父が祖父から譲り受けたものでもあった。
1年ほど使ったが、残念なことに故障して、それを修理するには高額な費用がかかることを知り、その美しい道具を手放すことを選んだ。
今、振り返れば、その決断は後悔の種を残したのかもしれない。
いくら大学生だったとはいえ、バイトをすれば数万円くらいはどうにかなっただろう。
多少無理をしてでも修理して、そのカメラが持つストーリーや、祖父がそれを通じて見た世界を、私はいまでも体験し続けるべきだったのだ。
フィルムカメラの魅力は、その使い込まれた外観にも表れる。
傷や経年劣化がそのまま個性となり、唯一無二の存在感を引き立たせる。
だから、使い込まれたカメラほど、その美しさは色褪せない。
また、デジタルカメラが一般的になった現代では、フィルムカメラは一種のアート的な表現として見られる節もある。
レンズの歪みやフィルムの質感が、写真に深みと温かみを与え、それは単なる画像ではなく、物語を紡ぐ媒体となる。
![](https://assets.st-note.com/img/1714703501296-4UEXh3E9uX.jpg?width=1200)
撮影プロセスの変化
フィルムカメラを使うことで、写真撮影のプロセスが変わる。
一枚一枚の撮影に慎重になり、瞬間を逃さないようになる。
フィルムの限られた枚数の中で、自分の視点や表現を磨くことができるとしたら、それは嬉しい体験だ。
そして、そのプロセスこそが撮影の楽しみの一部であり、現像までのその成果を待つ時間と期待感も格別になる。
さらに、フィルムカメラを所有することで、そのカメラ自体が持つ歴史と繋がることができる。
特にLeicaは写真家たちの間で信頼され、数々の名作がこのカメラで生まれてきた。
その歴史は、所有者にも影響を与える。
自分の手にしたカメラが、過去にどんな風景や人々と出会ったのか、想像するだけでもワクワクする。
![](https://assets.st-note.com/img/1714703551391-1iDABkXZ6E.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1714703566203-W4ykKM49KB.jpg?width=1200)
自分のストーリーを刻みたい
そして何よりも、フィルムカメラを所有することで、自分自身のストーリーを刻んでいくことができる。
そのカメラを持って旅に出れば、新たな出会いや体験が待っているだろうし、写真を通じて、自分の視点や感性を表現することができる。
その一枚一枚が、自分の人生の一部となり、未来の自分や他人にとっての宝となるのだ。
フィルムカメラを所有することは、単なるカメラを手に入れることではない。フィルムの質感や写真のプロセス、カメラ自体の歴史や自分の経験が交錯し、新たな価値を生み出す。
それは、過去から未来まで続くストーリーの始まりだ。
デジタル時代の中で、フィルムカメラが持つ貴重な魅力を再発見し、それを自分の人生に取り入れることが、私の次の挑戦なのかもしれない。
そう思えば思うほど、「持つべきフィルムカメラ」を探してしまう自分がいる。
フィルムカメラを所有するなら、ストーリーごと。
そんな思いが、どこかにある。
フィルムカメラ使ってみた動画はこちら
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?