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クレイジータンク通信 vol.185 『エッジを効かせて人の心に深く残る事業を創る』

クレイジータンク通信(通称:クレタン通信)は、2020年7月よりスタートし、現在まで毎週つづいている「クレタンの今」をお届けする2000-3000字程度の通信です。2021年10月までは、クレタン関係者やファンクラブの方、十数名の方に限定的にお送りしてきました。しかし購読者の皆さまからのフィードバックもあり、2021年10月下旬より、有料にてnote公開を行うことになりました。さらに、2023年10月からは、試験的に無料公開をスタートすることにいたしました。

毎週、クレタンが何をしているか、また、何を考え行動しているのかについてお伝えしていく場です。クレタンは常に未来に向かって自分たちが「挑戦をつづける当事者」になることを大切にしています。変化する社会を生きるみなさまにとって、挑戦へのきっかけや原動力となれば幸いです。気になったときにふと立ち寄ってみてください。


◆クレイジータンク通信 vol.185◆


2024年が明けて明日で1年の1/12となる1月が終わります。人それぞれ、時の流れの早さ・遅さを感じる1月だったのではないかと感じています。新年早々、様々なことが起こっていますが、自分の目の前のことを一つずつ一生懸命やっていくしかないなと改めて思う日々です。

今週の通信では、クレイジータンクが今年事業化を予定している「持ち運びができる陶芸窯による窯焼き」についてご紹介しながら、AI時代を生き残る「エッジを効かせる」事業について書いてみたいと思います。

ぜひ、ご一読ください。

【エッジを効かせて人の心に深く残る事業を創る】


クレイジータンク代表の竹鼻が、2017年にLEXUS design awardを受賞したこちらの陶芸窯での陶器の焼き直し体験事業を、保けん野菜サービスを運営するミチクサ合同会社秋山代表とともに企画しています。

雪が散らつく長野県での窯焼き試験実施の様子
焼き上がりの様子

↑2017 LEXUS design award 受賞者紹介Movie

↑保けん野菜サービスHP


LEXUS design awardでは「大量生産された陶器をこの窯での焼き直しを通じて唯一無二の陶器へと生まれ変わらせる」という意味で、Mass product to Unique items という作品名で受賞しています。

授賞式の様子

LEXUS design awardの審査員からは、

「持ち運びが可能な窯ということは、持参したその土地ならでは素材を使って焼くことができるということね」

という講評がありましたが、まさにその土地、その時期、にしか手に入らない素材を炭と一緒に入れ焼き上げることで、陶芸職人でもその焼き上がりを予想することができない仕上がりになるという、文字通り「唯一無二」の体験の場となります。

現在のところ、国内3拠点での実施を計画・試験実施していますが、移動ができる窯という特徴柄、竹鼻と共同製作者は過去に韓国にも持参したことがあり、世界中でも実施できる可能性を秘めたこの窯の体験事業を、今後、丁寧に育てていきたいと考えています。


この窯や窯焼き体験は、クレイジータンク代表の竹鼻が18年前の2006年頃から「AI台頭時代にAIにも生み出せない現場力や独自性を持つ価値を創造することが必要だ」と予見し、それに専念し様々な仕事に取り組む中で発見し、見出したものでした。

山梨県北杜市での窯体験
地域によって起こる変化の様子



まだまだ私たちの生活では、AIがすこし便利なもの、仕事を効率化してくれるもの、として認識されはじめた程度と感じている方々が多いかもしれませんが、クレイジータンクでは竹鼻を筆頭に、AIの進化とともに訪れる(以前はSFの世界だと言われていたような)人間にとって非常に厳しい時代をどう生きるのかということを真剣に考え、そこに向けた準備を着々と進めています。



すこし話は逸れますが、先日複数のクライアント企業様と会話をする中で、立て続けに以下のような会話が出てきました。

「(これからの時代に向けて様々動かないといけないことは認識しているものの)会社が大きくなりすぎてしまったのかもしれないですね…」

「会社としては当たり前に利益を出さないといけないけれど、事業や会社を拡大させすぎないほうがいいなと思ったんです」

以上は異なる企業様の発言なのですが、同じことを仰っていることが分かるかと思います。その場ではクレイジータンクからもAI台頭時代に必要だと考えていることは「エッジを効かせていくこと」だとディスカッションさせていただきましたが、これからの時代でどのように残っていくのか、どのような企業の存在価値を作っていくのか、様々な企業様が悩み考えているフェーズにあると感じています。

窯焼き体験はまさに「エッジの効いた」事業の一つとして育てています。

移動できる窯ということもあり小さな猪口を2つ焼ける程度のコンパクトな窯なのですが、焼いている間の最高温度は1350度にまで上がります。その場にいるとその迫力と熱を全身で受けながら、同時にその強力な炎から恐怖感さえ持ちます。そのため、多くのお客様を同時にお迎えして、一斉に体験していただけるような場ではありません。


燃料の投入
火の様子で焼け具合を確認する
早い時は数十秒に一度、燃料を窯に入れる


一度に多くても10名弱のお客様と一緒に、数時間かけて窯と向き合いながら、その瞬間その場でしか産み出されないものをともに【目撃】していただくような場になります。


取り出しの様子
焼き直し前と後の変化、唯一無二の作品へ


その迫力に一種の恐怖感や緊迫感を体験しながらも、窯内で仕上がった炭でその土地の野菜などの食べ物を焼き食していただく時、身体に巡る安心感や幸福感を同時に感じていただけると思います。その瞬間、生命としての「あぁ、生きているなぁ」という実感にまで到達していただけるのではないかと考えています。

のらくら農場さんの山芋、のらくら農場スタッフの方が個人事業で素材にこだわり手作りされている餅


窯の中で丸ごと焼いた玉ねぎ


もしかしたら、「生きている実感だなんて何を大袈裟な」と思う方もいるかもしれません。

これは体験した人にしかわからない領域ではありますが、生きている実感、ここにきてよかった、と深く感じる体験というものは、古くから人間が生活の中で基本的に必要とされてきた火や水や空気や食べ物など、自然と一体化している感覚を持てる時に、たどり着くものなのではないかと思います。

その感覚を、この窯焼き体験では持っていただけるような内容になっていると自負しています。

そこまで深く、深く、人の心に突き刺すようなアプローチができる「エッジが効いた」サービスや事業になっていくこと、むしろなっていかなくては、今後のAI時代を生き抜いていくことはできないと、私たちは考えています。

この移動型陶芸窯の体験は、2024年中には、保けん野菜サービスの加入者を中心にご案内を開始していく予定で考えています。また皆様にも随時お知らせしていければと思います。


保けん野菜のnoteでもこの窯焼き体験のレポートをしています。併せてご一読ください。


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