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デザインの力-失われゆくモノたちを次世代へ-


以前、ペットボトルをアップサイクルして、オリジナルの器やコップを作る『PETUP』という作品のご紹介しました。

アップサイクル
「アップサイクル」とは、サスティナブル(持続可能)なものづくりの新たな方法論のひとつである。 従来から行なわれてきたリサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを、最終的な目的とする。

この作品はLEXUS DESIGN AWARD 2021で『UPCYCLIG』という作品として最終審査に残るなど、ある程度評価をいただけた作品です。


そしてPETUPで料理を食べる会も開催しました。

参加者の皆様にも好評をいただき、その後の参加者のお知り合いの方々からも驚きの声もいただくなど、このまま悩むことなくこの活動やブランドを進めていく予定でした。


頭をガーン!!と殴られたような衝撃


ある日、クレイジータンクメンバーからこんな提案がありました。

「勉強のためにNARISAWAというレストランに行ってみませんか?」

日本の里山文化が本来持つ人と自然が共存し寄り添いながら生きていくという自然(じねん)”の精神をテーマにしたレストランで、アップサイクリングを進める私たちにとっても貴重な体験になると感じ、まだ行けてはいませんが今後どこかでお伺いする予定となりました。

そして...HPを見ている中で、NARISAWAというレストランのフィロソフィーに共感した私たちでしたが、その中でもある料理とその器に目がいきました。

Lunch Seasonal collectionに掲載された写真(写真は貼れませんので、HPリンク先をぜひご覧ください)です。

この写真を見た時、頭をガーン!!と殴られたような衝撃を受けました。

確かに料理も素敵です。器も素敵です。まだ食べてはいませんが味も香りも素晴らしいのだと思います。

写真だけでは分からないこともたくさんあるとは思いますが、写真だけであっても、それはただの料理でも器でもなく、自然(じねん)”の精神がそこにはあったのです。

クレイジータンクも以前から里山には興味を持っていました。人間が自然と共存する時に、一番理にかなっているという表現が正しいのかはわかりませんが、原生林や自然そのままよりも、里山のような形が人間には合っているのです。

まさに自然を人のために設計した(料理した)結果が里山であり、それが実際の料理として存在しているのがNARISAWAの料理だったのです。

衝撃的な体験でした。


私たちのPETUPには何があるのか


PETUPを見つめ直しました。

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全体像


PETUPには自然環境に配慮してゴミを減らそうとか、破棄されるはずのゴミでこんな素敵な器が作れるよとか、ペットボトルにはこんな活用方法があるよ、みたいな思いはありました。もっと言えば、SDGsや環境問題には子どもからお年寄りまで誰でも参加できるんだよ、という思いもありました。ゴミは破棄する物ではない、というマインドチェンジも目的です。

でも自分たちだけが伝えられる世界観はありませんでした。

PETUPで何を表現したいのか。何を伝えたいのか。

それは『次世代に残したい物』です。美しい風景でもあり、伝統文化でもあります。

もう一度PETUPと向き合い完成した作品がこれです。


スープ碗『次世代との出会い』

カエルPETUP

カエルPETUP2

カエルPETUP3

1億9000万年前から地球上に存在したという蛙。どんな気候にも対応できる生き物でもある。水さえあれば生きることができるとも言われている。
そんな蛙だが、実は環境の変化には弱い。薄い浸透性の皮膚を通して呼吸するため、水温の変化や汚染の影響を受けやすいからだそうだ。
そして1970年以降、200種類以上の蛙が絶滅し、今後10年でより多くの蛙が絶滅すると警告する学者もいる。
私たちがペットボトルを簡単に捨てることによって、蛙にとって生きにくい環境を作っているのかもしれない。
素材:破棄予定だったペットボトル・陶器・スチール


大皿『水面を泳ぐ季節』

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山登りなどをすると沢に色々な葉や花が流れてくる。特に秋や冬、木々が次の世代に変わるために、新陳代謝するために葉や花を落とし、それが水の流れの中で美しい風景を作り出す。
その風景は一瞬でしかないのに、当たり前のようにそこに存在している。
素材:破棄予定だったペットボトル・ラスカス

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現在、自然の風景だけでなく、日本の伝統文化で使われる道具を作るなど、クレイジータンクが展開するPETUPだからこそ作り出すことができる表現をを目指していきたいと考えています。

そしてPETUPに合う料理も考案しつつ、変わらず地球環境にも自分たちらしく寄与できる活動を続けてまいります。


クレイジータンク一同

クレタンロゴ


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