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【退職エントリ】 大手で新規事業立ち上げは無理ゲーではない説を検証してみた

6月末をもって、約3年在籍した東京ガスを卒業しました。

せっかくなので東京ガスは卒業する人も退職エントリを書く人もいないだろうから、自分の気持ちのログを残しておくためにもここに記しておきます(今更感あるけどw)。
※以下、すべて個人の見解です※

■なぜ東京ガスを選んだのか

そもそもなんで東京ガスやねん、これは入社前も後も聞かれ続けた質問。だって当時具体的にやりたいことが決まっており外資コンサルしか見ていなかったから。でも結果的に東京ガスに入社した。それは「大手企業でも新規事業を当たり前に作れる」ことを実証するためだった。

元々学生時代にマイナビでMY FUTURE CAMPUSの立ち上がり期にジョインし、どうしたら就活要素が入ってこない本来のキャリア支援ができるのかを答えがない中模索し、その後リクルートではRECRUIT VENTURES(現在はRing)という社内新規事業制度を運営する部署で、0→1を生み出すための方法やどうアイデアがピボットしていくのかを学んでいた。

色んなところに飛び込んで行った結果、天邪鬼な性格もあって誰か先人が決めた答えがあるものよりも、今誰も答えをもっていない問いに取り組むのが性に合っていると感じ、新規事業は私のパートナーとなり、就活時の軸となった。
自分の研究テーマが途上国支援だったこともあり、とある外資コンサルに元国連の方がジョインされたことを知り「途上国で新規事業か、、、面白そうだし何よりAさんと一緒に働きたい」という思いが生まれ、まずはコンサルタントとして新規事業を立ち上げる会社のサポートを数年行った上で事業会社に転職し、自分で事業を立ち上げようと思っていた。

運よくAさんが所属する外資コンサルから内定をいただき、3年の冬で就活は終わっていたのだが、あるとき「大手じゃ新規事業立ち上げ無理だ」「新規事業やるならベンチャーしかないよね」とベンチャーに進む友人らが言っていて、気になってググったことがあった。すると確かに無理だという記事を見つけた

またここで天邪鬼が働く。だんだんと「大手で新規事業立ち上げるって無理ゲーなのか」という問いに対して自分ですぐに検証したくなってしまったのだ。

そんな時たまたま登録していたニクリーチ(ビズリーチ社が運営する、お腹を空かせた学生のためのスカウト型就活サイト)経由で東京ガスからスカウトを受けた。ただまっっっっったく興味はなかったので「お肉好きだし一生関わらなそうな会社だから見学がてら行こう」と本来の目的(就活)とは程遠いが興味本位で会うことにした。

当日人事から「やりたいことは新規事業なんだよね。実はうちに新規事業の部署が立ち上がってね(略)」と言われたのだが、とはいえ「そうは言っても”本気”じゃないでしょ?みんなやってるからうちもやるんだ〜、っていうレベルでしょ?」そう思って美味しくお肉をいただいていた。
「次は社員に会わない?」と言われ、まあ就活は終わっていたので暇だし、と思ってお会いしてみると、どうやら新規事業を本気でやろうとしていることがわかり、会社として電力・ガス小売全面自由化に伴い現状のビジネスモデルだけだといつか限界が来るはず、という危機感を抱いていることを知った。

「こんな基盤がしっかりしている企業が新規事業か。絶対大変な道だけど、私なら絶対楽しんで挑戦できるわ」とどこからともなく湧き出てきた自信と究極のドM思考が働き、かつプレゼンで選考が進む”フリースタイル採用”という新たな採用ができたことを知り「とりあえず受けてみるか」という軽い気持ちでエントリー。選考が進む中で直感的に「この会社に入ったら自分のキャリアが一寸先も見えないから面白い」と思いはじめ、内定後に「副業OKしてくれないなら入らない!」という図々しいお願いも快く受け入れてくださったため、最初のキャリアを東京ガスに決めた。

そんなこんなで親も友達もビックリ、今まで応援してくれた大人たちはさらにビックリな選択をした。最後の最後まで悩んだ外資コンサルの方には「中途採用あるからいつでも言ってね」と送り出していただき、本当に感謝。

エネルギー業界は全く視野になかった(そもそも受けるまで東京ガスと東京電力が違うことを知らなかった)ため、もし自分で探していたら出会わなかっただろう。本当にこのご縁に感謝。

■社内調整なんていらないビジネススキル?

2017年4月に東京ガスに入社し「敬語が使えない」「誰でも異論があったらすぐ噛みつきにいく」「自分が腹落ちしないとやらない」という社会人というか人としてあるまじき行為を連発しつつも希望通りずーっと新規事業に携わってきた。

時には葬儀ビジネスやるんだ!と本社会議室で納棺実演をしたり、時には社内のアジャイルチームと組んでアプリ開発をして食堂をジャックしたり、はたまた今度は真冬に空き家を訪問して家の状態をチェックしたり。

エネルギー会社に入ったことを忘れてしまうほど”自由”に出来たのはこのスタイルを認めてくださった上司や同僚がいたからである。

「いやなんで会議のための会議するの??」と喚いたり「ユーザーヒアリングせずにサービス作るの何事??」とパニックを起こしたこともあったが、思いっきり出た杭だったせいか殺されたことはなかった。

そんな私は実は入社当初、社内調整なんていらないと思っていたし、なんなら社内調整ってダサいと思っていた。そんな調整をせずに突破していくのが”できる人”だと。

ただあるとき、前まで「こんなの意味わからん」と言ってた人が急に翻って「やってみればいいじゃん」というスタンスに切り替わったのだ。

ん?なんで?いや、たしかにこの前はネガティブ爆裂だったんだけどなあ、、不思議だなあと会社内のコンビニでアイスを食べながら考えていると、私が気づかないところでマネージャーや先輩が社内調整をしてくださっていたことに気づく。

一気に申し訳なさがこみ上げたとともに、大きい企業の中で突破していくには”変な荒波を立てずに”進めるために社内調整ってマストなんだ、ということに気付いた。そう、社内調整って全くダサいものじゃなかった、むしろ必要不可欠なスキルだったのだ。

それからは社内調整を自分でもするようになった。師匠(勝手に思ってるw)がおっしゃっていた「相手の車窓から物事を見る」ことを心がけ、スパイみたいにこそこそ事前調査したり、根回ししたり。社内調整を行うことで無駄な戦争が勃発することもなく今までよりもスムーズに進むことが多くなった。
調整を行うために社内を走り回っていた私を見た同期が「社内調整とか、、、ついにお前も会社に染まったか」と言ってきたが、彼はまだ社内調整はめちゃくちゃ重要で最高に面白いってことを知らない。

■今卒業する理由

金曜夜のデートで「早く月曜にならないかなー仕事楽しすぎる」と言ってガチギレされたことがあるくらい仕事は楽しかった。でも辞めることにした。

結論を言うと、目の前にどうしても救いたい人が現れたから。今までなんとなーく救いたい人はいたのだが、今回急に目の前に現れ「助けて」と直接言われたのだ。

ただその人を根本的に救うためには私には足りない要素がいくつかあった。
目の前の人だけを救うならすぐにでもやり方は考えられるが、目の前の一人の後ろには数十人、数百人、数千人の助けを待つ人が見える。
後ろにいるであろう人たちのことは考えずすぐに手を差し伸べるべきか、根本的解決を目指すため今は目の前の人を救わないか。

悩んだ結果、根本的解決を目指すため、もし解決方法が見つかった時、100%舵を切れるために今足りないピースを集める旅に出ることにした。

■本当に大手企業は新規事業を立ち上げられないのか

みなさんきっと気になっていると思う。東京ガスを選んだ1つ目の理由。実際どうだったの?って。

この答えは、私はNOだと思う。
つまり大手でも新規事業は立ち上げられる

入社前に読んだネット記事では、そもそも立ち上げられる人材が社内にいない、動きが遅い、だから大手は無理と言われていたが、実際入ってみるとそこが問題ではないと気付いたのだ。

まず前提条件として、個人やベンチャーで立ち上げる時とのフローと大きく異なる、ということを理解して欲しい。

大手企業の場合、
①自社のリソースを用いることが大前提(のケースが多い)
②既存のお客さまがいらっしゃるため、ブランド毀損と成り得るリスクを多いに恐れる
③新規事業未経験の経営者が多い場合、新規事業というどうなるかもよく分からない事象についてジャッジしてもらうための素材集めが難しい
という難しさがある。そのため、例えどんなに素晴らしいアイデアが浮かんだとしても①〜③を突破できなければ立ち上げられないのだ。

もちろんベンチャーだと簡単だと言っているわけではない。逆に彼らは顧客0からスタートしなきゃだし、キャッシュも人も集めなくてはならないなどという大変さがある。

言いたいのは、大手企業の新規事業と、ベンチャーの新規事業は全くもって違う生き物だということ。

じゃあ新規事業って①〜③を上手く突破できる人じゃないとできないの?と思う人もいるかもだが、私は熱量があれば誰でも立ち上げられると本気で思っている。入ってみて気づいたのが、大手で新規事業がうまくいかない一番の要因として、担当者自身が「どうせ無理だよなこんなサービス」「言われたからとりあえずやってるけど自分はこのサービス使わないわ」という状態で進めていたということ。

たったそれだけ?と思うかもだけど”熱量”や”思いこみ”って案外怖い。表情にも行動にも全てに繋がっていて負のオーラしか出ないので、そんな姿をみた上はそりゃ「即やめるべきだ」と言ってしまうだろう。

誰だって何歳からでも社内起業家になれる。そのベースとして大切なのは”熱量”、ただそれだけだ。

↓それについて1分プレゼンした際の記事があるので是非読んで欲しい🙏

■挑戦者に必要なのは初期の応援者

辞めて次の夢に向かって走ることを決めたが、正直自分がいつまでこの熱量で走れるのか正直分からない。30歳になったら燃え尽きて、もう仕事なんてやりたくない!と騒ぐかもしれないし、急に「イルカのトレーナーになるわ」と水族館に勤務するかもしれない(いつかはイルカのトレーナーになると幼い頃から決めている笑)。

でもまだもう少しは自分で土地を開拓して、道を作って、その道を進んでいきたい。正直先なんか分からないし、それがどんな結果であろうとも受け入れるつもりだ。今もこれからも私の人生は私自身で作っていくしかない、ただそれだけなんだ。

もしかすると端から見たら安定している大手を選んだ時点で生ぬるい、判断ミスっている、と思っていた人もいると思う。でも、私にとって東京ガスを選んだのは一種の挑戦であったし、他人に何を言われてもこの決断は間違いなかったと言える。

昨秋空き家管理サービスをローンチしたわけだが、これは茨の道すぎて何度折れかけたことか・・・笑(作った本人が言うのも変だけど、東京ガスのアセットを最大限に用いた最高のスキームになっていて、なおかつお客様からのニーズも高いサービスなんだよ!!!🙌)

「そんなのニーズない」と社内評論家に殺されかけたり、社内ルールを知らず突っ走って怒られて凹んだり。そんな苦難を知らない社外の知人には「2年経ってもサービスまだ立ち上がらないの?そんな会社無駄じゃない?」「やっぱりコンサル行くべきだったんじゃないの?」と言われ心の奥底から殴りたいと思ったこともあった。

そういう出来事があった時、必ず思うことがあった。
私はこれからどんな時も挑戦者の最高の応援者であり続けよう、と。

私が憤りを感じるのは
①挑戦者をあざ笑う
②挑戦者の邪魔をする
③お節介が過ぎて挑戦者のやりたいことを修正させるようなアドバイスをする

という時だ。

そもそもあなたの人生ではないから放っておいてくれ!と思うし、あなたが見ているものが全てではない。見えないところで彼、彼女は汗水垂らして行動しているかもしれないし、悔し涙を流しているかもしれない。なのに「こうすべき」「そんなの上手くいかない」と深く知らない状態で押し付けるのは見当違いだ。ここは繰り返し言う。法を犯すもしくは自分の命が危険なもの以外は、ただただ応援してほしい。ただそれだけ。

挑戦者って常に不安だと思う。
私も「本当にできるのかな?」「こうなったらどうしよう」と不安に駆られることがよくある。
だからこそ応援者って挑戦者にとって大きなエネルギーになるのだ。社内起業家として応援者の必要性を深く痛感した3年間だったのでここに記しておきたい。

ありがたいことに私の周りには当初から応援してくださる方々がたくさんいる。だから今まで折れずにどうにか走ってこれたのだ。本当に感謝しかない。

おわりに・・・

この場を借りて今までお世話になった人に感謝をしたい。

🥳いつも暖かく見守ってくださる社会人のみなさま
私から何か還元できているわけではないのに、いつも助けて下さりありがとうございます。みなさまからいただいた恩は、私が出来る範囲で、まずは近くで困っている人に返していきます。
そしていつかみなさんにいろんなご報告ができるようこれからも精進します。何かあったらまた、助けてください!

🔥東京ガスのみなさま
3年間多大なるご迷惑をおかけした自信しかないのですが、たくさんのことにチャレンジさせていただき本当にありがとうございました!
周りからは反対されたけど笑、東京ガスに新卒で入ったのは間違ってなかったし、めちゃくちゃ苦しかったけど楽しかったです。笑
いつかまたお仕事ご一緒できる日まで、外で修行してきます。

🐰いつもくだらないことに付き合ってくれる友人・先輩のみなさま
プライベートではポンコツ&おふざけ野郎ですみません。これからも遅刻常習犯なので許してください。なかなか飲みに行けないのが残念ですが、落ち着いた頃にでもお肉行きましょう!

ということで、次のチャレンジのことはまた追って。
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私の新しい挑戦を応援してくださる方はぜひ、私の全て(お金)を捧げている嵐の曲聴いてSNS片っ端からフォローしてください。嵐に会うために仕事頑張っているので会えたら即辞めます!!!!

あと実はここで初めて明かすけど尾上松也さんが嵐の次に好きで来年から貢ぎ始めるので、実は尾上さんと知り合いなんだけど会う?という連絡には即レス&遅刻せず参加しますので教えてね!!!w

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