【前編】プロラクチノーマ体験談
2021年8月にプロラクチノーマと診断されました。
この記事ではその体験談についてお伝えします。
プロラクチノーマと診断された方の一助となれば幸いです。
プロラクチノーマとは
プロラクチノーマ(下垂体性PRL分泌亢進症)とは、母乳を分泌するホルモンであるプロラクチンが過剰に産生される下垂体腫瘍です。
下垂体は脳の一部で、脳の下にぶら下がるような形で存在しています。
症状としては以下のようなものが挙げられます。
月経不順
乳汁分泌
実際の体験談(婦人科受診~検査入院)
ここからは時系列に沿って体験談をお伝えしていきます。
~2021年 生理不順
いつからかはっきりと覚えていませんが、生理がかなり不規則でした。
17日の周期で来たと思えば次は60日経っても来なかったり。
おそらく2年は放置していましたが、徐々に生理がいつくるか予測できないことがとてもストレスに感じるようになりました。
学生最後の5月、社会人になったら病院に通うのも大変だろうと思い、就活を終えたタイミングで産婦人科を受診しました。
2021年4月 初の婦人科受診
年明け頃から毎日計測していた基礎体温のデータを持って選び抜いた婦人科を受診しました。
正常な排卵が行われている場合、低温期と高温期がそれぞれ約14日間の一定
のサイクルで繰り返されます。
この頃私の基礎体温はほぼ全ての期間で36.2℃程度の低体温、37℃程度の高温期が続いたとしても5日程度という状況でした。診察では基礎体温が正常ではないことが指摘されました。
人生初の子宮頸がんの検査、人生初の採血を行い、その日は帰宅しました。
(余談ですが、事前に調べて内診があるかもしれないことが分かっていたので、生理中は避けてフレアスカートを着て行きました。)
2021年5月 2回目の婦人科受診
検査結果を聞くために再び婦人科を受診しました。
子宮頸がん検査は異常なし。しかし、血液検査の結果、15ng/mL以下が正常とされるプロラクチンの値が79.0ng/mLと非常に高いことが分かりました。
このときだけ異常が出た可能性もあるため、もう一度採血し、この日は帰宅しました。
2021年6月 3回目の婦人科受診
血液検査の結果、プロラクチンの値は93.4ng/mLとやはり高い状態でした。
ここで、婦人科の先生からプロラクチンが高い原因として下垂体が腫れていることが挙げられるため、脳神経外科でMRI検査を受けることを勧められました。近所の脳神経外科の予約を取り、この日は帰宅しました。
2021年6月 脳神経外科受診
脳神経外科で人生初のMRI検査を受けました。
MRI検査について事前に調べていたところ、音が大きい、という体験談があったので耳が痛くなるほどだったらどうしようと思っていましたが、痛みは全くなかったです。
MRI検査後、結果を見ながら診察をしてもらいました。
なんとなく自分の下垂体が腫れるというようなことにはなっていないだろう!と思っていました。しかし、検査の結果、下垂体周辺の形がいびつになっているため、プロラクチノーマの可能性が高いと診断されました。
一旦婦人科に結果を持ち帰り大学病院で診てもらうことになりました。
こんなにことが大きくなるとは、、、と思いながらその日は帰宅しました。
2021年6月 4回目の婦人科受診
MRIの結果を持って再度婦人科を受診しました。
ひとまずカバサールという下垂体にできた腫瘍を小さくし、プロラクチンの値を下げる薬を処方され、大学病院の紹介してもらいました。
そして、週1回1錠カバサールを飲み始めます。
2021年7月 大学病院受診
人生で初めて大学病院を受診しました。
MRIを撮ってから大学病院を受診するまでプロラクチノーマについて調べました。
調べたところ、治療方針としては
①薬で腫瘍を小さくする
②手術で腫瘍を取り除く
の2つがあることが分かりました。
この段階では手術は絶対に嫌だと思っていました。
下垂体にできた腫瘍を鼻から取り除く手術のようですが、
「術後に鼻の詰め物を取り除くのが痛い」
という体験談をいくつか読んだのです。。
手術を勧められたらどう決断すれば良いのだろうと思いながら大学病院に向かいました。
紹介されたのは脳神経外科
脳神経外科の中でも先生によって得意分野があるらしく、下垂体専門の先生の外来は木曜午後のみの様子。
(融通が効く学生のうちに通っておいて良かったと思いました、、)
そこでMRIの結果を診てもらいながら診察を受けました。
初めての大学病院でその上、脳神経外科に行くことになるとは思ってもいなかったので結構緊張していました。私の勝手な脳神経外科医のイメージとは異なって明るく柔らかく優しそうな先生でした。
診断確定のために2泊3日の検査入院が必要
検査入院ではMRIも撮らせて欲しい
検査結果に影響が出るため、薬の服用は中止
コロナのワクチンも検査入院までは受けないように
と言われ、入院とは更に事が大きくなったなぁと思っていました。
治療方針については調べたとおりで、薬または手術とのこと。
ただ、この日話を聞いた限りでは、先生の意見としては(明言はしていませんが)手術の方が良い、という印象を受けました。
薬を飲み始めると腫瘍が消えるのではなく、腫瘍が小さくなることでプロラクチンの値が正常値になります。
途中で薬を飲むのを止めるとまたプロラクチンの値が上昇する可能性があるので、飲み続けなければいけません。
一方、手術で腫瘍を取り除いた場合、腫瘍を完全に取り切ってしまえば、その後薬を服用する必要はありません。
先生の意見としては、手術できれいに取り除いて治療を終えた方がすっきりするのでは?という風に考えておられる印象を受けました。
(私が手術は嫌だと思っていたから意見の受け取り方にバイアスがかかっていた可能性はありますが。)
とにもかくにも大学病院で検査を受けて診断を確定させないことには治療を進めることもできないので、検査入院をすることになりました。
(ますます学生のうちに通い始めて良かったと思いました。)
最後に、「死ぬことはないよ」と朗らかに言われ、事前に調べて知ってはいましたが、とても安心したのを覚えています。
検査入院の日程を決め、診察室の外の椅子に座ると同時に安心からか涙が出てきました。
「この子は死ぬような病気を宣告されたのか、、、」
と周りの患者さんに勘違いされてはマズいと思い、必死で隠しました。笑
その後、入院の予約や手続きをして帰宅しました。
2021年7月 検査入院【1日目】
人生初めての入院でした。
入院と言っても生理不順以外はなんの症状も無く元気な状態での入院です。
Wi-Fiのない環境でデジタルデトックスできるのを少し楽しみにしていました。(当時大学院生だったのですが、苦手な研究から3日でも逃れられるのもちょっと嬉しかったです。笑)
病室に案内され、検査の説明を受けました。
メインの検査は2日目の朝と3日目の朝に実施されます。
ホルモンの分泌を促す薬を点滴から投与し、その後一定間隔で採血を行って血液中のホルモン量の推移を観察する、というものです。
採血を複数回行うことになり、その度に穿刺されるのは辛いので、2日目の朝に太めの点滴の針が設置され、その針から採血が行われます。
2日目の午後はMRI検査をする予定となっていました。
検査の説明を受けた後は特に何も無く、お風呂の予約をし、病院食を食べ、消灯時間(確か21時でした)になって寝ました。
意外と寝られるもんだなと思いました。
2021年7月 検査入院【2日目】
2日目の朝、今回の入院のメインである検査が実施されます。
朝7時半頃に脳神経外科の先生がやって来て点滴の針を入れてくれました。
太めの針だと聞いていた上に、診察してもらった先生に「血管が細そうだから、針入れるの大変かもね」と言われたので覚悟していましたが、全く痛くなくてびっくり。先生の腕が相等良かったのではないでしょうか。
私の腕はあまり血管が分かりやすい方ではない様子で、入院中に検査以外の採血のために看護師さんから穿刺される機会が複数回あったのですが、やり直しが必要になることが2回程ありました。
(退院する頃には腕の肘裏があざだらけになっていました。。笑)
そんな腕に太い針を痛み無く1発で入れてくれた先生には感謝です。
2日目の検査のために投与する薬は頭痛や吐き気等の副作用が出る可能性があるものだそうですが、私の場合、そのような症状は出ず、検査中はベッドの上でじっとしていました。(検査結果に影響が出るので、できるだけ安静にするよう言われていました。)
検査は午前中に終わり、次のイベントは午後のMRIです。
MRIは一度経験済みなのでそれほど緊張感はありません。MRIを終えたらその日の検査は終了。本を読んだりぼんやりしながら過ごし、出していただいた病院食を食べ、シャワーを浴びて就寝です。コロナ禍で面会は禁止されており、看護師さんや先生以外との会話はありませんでしたが、何するべきことが無い時間をクーラーの効いた涼しい部屋の中一人で過ごすのもたまにはいいなぁ、とそこそこ検査入院生活を謳歌していました。
2021年7月 検査入院【3日目】
検査入院最終日、この日も2日目と似たような検査を実施します。
2日目よりも採血回数は少なく、9時台には検査終了でした。その後すぐ退院できるのかと思っていましたが、なんやかんやで気付けば昼前になっており、昼食も出されたので、出されたものは食べました。看護師さんや先生も忙しいのでしょう。昼ご飯をいただけただけありがたいです。
その後、診察の予約を取り、点滴の針を抜いてもらい、会計を済ませ、14時頃病院を出ました。(7月末、猛暑の中、一番暑い時間。。。)
看護師さんに「太い針だから痛かったと思います。」と言われながら点滴の針を抜いてもらいましたが、全く痛みを感じさせず針を入れてくれた先生の腕を自慢したかったです。(できなかった)
次の診察で治療方針が決まる。
この頃には、手術が絶対に嫌だという気持ちも薄れており、完治させられるならその方がいいんじゃないか?という気持ちもありました。それでも、手術に対する恐怖が全く無くなったわけではありません。
ただ、次の診察でどちらを勧められても受け入れられる気がしていました。
続きは後編で
検査入院の結果と、治療方針、現在の経過は次の記事で。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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