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「もしもに備える」を日常に

ーもしもは誰にでも起こりうるー

主宰しているオンラインコミュニティで、お金に関わるTips(コツや裏ワザ)シェア会を行ったことがあります。あるメンバーの要望で「高齢の親と話しておくと良いこと」をテーマに対話した際、参加した方から「やはり資産(どこに何がある)や交友関係、葬儀への希望など書いてもらっているととても助かる」という経験談がシェアされました。

そこから「高齢じゃなくても、震災とかコロナ罹患とか、いつ何が起こるかわからないし、必要な情報を共有出来る状態にしておきたい」「エンディングノートは大事だってわかっているけどなかなか手を付けるきっかけがない」という話になりました。

ーエンディングノートの前にー

そんな中、個別相談で60代後半の方のプランニングをおこないました。プランニングに必要な書類をお伝えしたところ、きちんとクリアファイルに分類した書類を何十部もお持ちくださいました。中を拝見すると定期的なお知らせで内容が重複するものがあったり、すぐに手続きが必要では?と思うものやすでに処理が済んでいる書類もあったり。これはお忙しい方によくあることで、開封したあと「時間がある時に整理しよう」と思ってクリアファイルに入れて重ねていくとどうしてもそうなってしまいます。ご本人もどこから手をつけていいかわからなくなっていたことでしょう。

無印のファイルボックスに、コクヨの個別フォルダーをセットし、見出しに「給与・報酬」「年金(機構)」「企業年金」「預貯金」「有価証券」「不動産」「保険」(預貯金や有価証券は金融機関ごと、不動産や保険は契約ごとに1つのフォルダが望ましい)など、人によって異なりますが、ご自身に関連する収入や支出・資産の種類ごとにシールを貼って、そこにぽいぽいと資料を入れていくスタイルを提案したところ、とても喜んでくださいました。

え、それだけで?と思われるかもしれません。もちろん分類するだけではなく、お知らせ系は最新情報にアップデートするとか、返信が必要なものはすぐにおこない処理済みとしておくなども大事ですが、書類整理が苦手、という方は、まずは「重ねて置かない」のが第一歩ではないかと思います。

ー今をシンプルに生きようー

仕事柄、相続を扱うこともあります。当たり前ですが資産が多いほど資料も多く手続きにもコストがかかります。不動産の場合は流動制が低いので整理しづらいのは仕方ないところもあるのですが、不必要に銀行口座をたくさんお持ちの方はご遺族も大変です。転勤などで遠方の金融機関から取り寄せる手続きも煩雑ですし、細かい話ですがそれぞれの残高証明書など発行手数料がかかるんですよね。相続前であっても、最近の傾向として長期間ほったらかしの預金口座は管理手数料もかかる可能性があります。

最近はサブスク(月額課金)サービスも増えていますが、それらは銀行引き落としやカード利用の停止をしても契約自体は自動ではストップしないので、解約が必要です。相手先によっては延滞などにより請求が来たり、クラウドのデータが消失したりする可能性もあるそうです。普段使っていない口座やカードからの引き落としだと発見が遅くなる傾向があります。なるべく1つのカードや口座から引き落としがかかるように、わかりやすくしておく必要はありそうです。

現代に生きているとどうしても生活がモノやサービスでいっぱいになってしまいます。「もしも」にはいろんな種類のことがありますが、死への準備というよりは、自分自身の人生をクリアにするためにも取り組みたいテーマです。日常の中でできることを考えていきましょう。



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