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【2022年】フリーランスが知っておくべき用語・制度

今年は稼ぐぞ!と思っている方向けのお話です。

2022年明けましたね。今年の目標は決められましたでしょうか?
昨年に前半までは「助成金」や「補助金」に関するご相談が多く、クラシデザインでも初めて補助金申請サポート講座を開催したりもしましたが、最近のご相談は少し傾向が変わって来ているように思います。

もはや一過性ではなく必然の流れと認識し、力強く行動に移している方が多いです。オンライン化など業態を変えた再構築をしたり、柱となる事業を増やしたり、今までのコストを見直して効率化を図ったり。

ということで、昨年の後半からのご相談は増収による節税に関するものが多かったです。個人事業主の会計年度はまたいでしまったので昨年分の節税対策はもう間に合いませんが、今年も収益UPを目指す方にこそ意識していただきたいことをピックアップします。

その1:電子帳簿保存法の改正

略して電帳法、と言います。その名の通り、電子帳簿の保存に関する法律の改正があり、2022年1月1日から適用されています。電子帳簿についてはざっくり3つあって

区分①:電子帳簿保存

会計ソフトなどを使用し電子的に作成した帳簿や、電子的に作成した国税関係書類に関するもの。電子的に作成した帳簿や書類をデータのまま保存。

区分②:スキャナ保存
紙で受領した請求書や領収書をスキャンして読み取りし、画像データで保存。スマホの撮影などで画像データ化したものも対象。

区分③:電子取引
電子メールなどで取引情報の授受を行った情報をデータで保存。

と分類されますが、今回の改正では

①はほぼ変更なし
②については事前承認制の撤廃など、さまざまな要件が緩和されてペーパレス化したい事業者にとっては朗報です。面倒な方は今まで通り紙のまま保存ができます。
③が問題です。電子で発行された請求書や領収は電子データ保存が義務化されました。

今までは資料が紙とデータとで分散しないように全てプリントアウトしてまとめていた人もいるかもしれません。が、今後は元データもしっかり電子保存しなければいけません。
しかも
・「日付」「金額」「取引先」を検索条件として設定できること
・税務職員による質問検査権に基づきデータをダウンロードできること
・速やかにタイムスタンプを付与すること

(事務処理要件を定めて運用する方法でも代替可)
が要件となるのです。守らないとペナルティがあったりします。厳しいー!!!
*ただし基準期間の売上高が1,000万円以下の「小規模な事業者」に関しては要件が緩和されています。
詳しくはこちら>>>国税庁資料「電子帳簿保存法が改正されました」

昨年この改正が発表された時は私も周囲も結構アワアワしましたが、クラウド会計のメーカーなどが電帳法対応の保存システムをリリースしていますので、それらを活用するのが手っ取り早くお勧めです。ペーパーレス化の流れは次の項でお伝えするインボイス制度導入にも関連して急速になっているので、もしクラウド会計を活用していない方はこのタイミングに合わせて導入するのが良いでしょう。


その2:インボイス制度

こちらに関しては実際の制度開始は2023年10月1日ですが、すでに申請はスタートしているので耳にする機会も多いのでは。

消費税に関わる制度なので前提として消費税の仕組みを簡単に説明します。例えば私たちが買い物の際に支払う消費税は、お店が回収して国に収めているわけですが、売上の10%(または軽減税率8%)全部を納税するのではなく、仕入にかかった消費税との差額を納めています。これを仕入税額控除と言います。

インボイス制度が始まると、登録を受けた課税事業者以外は仕入税額控除に必要な「適格請求書=インボイス」を発行できなくなります。そのため、企業は登録を受けていない業者や売上高1,000万円以下の免税事業者に外注すると控除が減るので、規模の大きいビジネスをおこなっている課税業者にしか依頼しなくなる⇨小規模フリーランスは生き残れなくなる?なんてちまたでは言われています。

クライアントが個人ばかりなら関係ないですが、企業からの依頼が多い方にとっては大きな不安要素になりますね。仕事の減少を避けるためには、免税事業者であってもインボイスを発行するために消費税を納税する前提で登録を受けることもできます。あるいは仕入税額控除はできなくても、それでもあなたに頼みたい、というクオリティを目指すのもありです(依頼はするけれど10%分の値引きを要求されるという可能性もあります)。

制度開始に間に合う申請期限は2023年3月31日なので、まずは焦らずに今後の事業規模の予測やクライアントの意向なども確認した上で判断されることをお勧めします。

その3:節税できる制度の確認

年末は節税の相談も多かったのですが、あまりに年の瀬ギリギリだと対策もふるさと納税くらいしかなくなってしまいます。ふるさと納税も寄付で自治体の自立を支え、かつリターン品を楽しめるという意味では悪くないのですが、フリーランスならではの老後不安に備えつつ、掛金は全額節税になる
・iDeCo

・小規模企業共済

についてもチェックしてみてほしいと思います。
iDeCoは60歳までは引き出せないけれど、運用次第で殖える効果があります。小規模企業共済は預貯金に毛が生えたくらいの利回りですが、途中で契約者貸付といって残高の一定範囲内まで比較的低金利で借り入れることもできます。どちらを優先するのがベターかは個々の状況によりますが、まずは今度の確定申告でどれくらい納税しているかが判断のきっかけになります。

まとめ

フリーランスは本業とプライベートの分かれ目も曖昧で忙しく、さらに税務や経理となるとどうしても後回しになりがち。ですが、定期的に経営状況を確認している方の方が、事業が成長していくように思います。
どうしても苦手、という方は、まずはクラウド会計を活用し「見える化」「仕組み化」することをお勧めします。導入しているけれど使い方がわからないという方向けに今後クラシデザインでも動画講座を企画しています。

まずはもうすでに始まっている電帳法の対応がきちんとできているか、できていない場合はいつまでに対策を行うか、年始の今のうちに確認しておきましょう。


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