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地味だけど、フリーランスは知らないと損。「小規模企業共済」とは?

誰のためのどんな制度?

小規模な事業という名の通り、個人事業主または一定の規模以下の法人の代表・役員が退職金を準備するための制度です。

何がいいの?

ざっくり3つ
①毎月の掛金(1,000~70,000円まで500円単位で自由に設定可能)は全額所得控除となります。もし、毎月70,000円に設定した場合は年間で84万円も非課税枠が使えることになります。
②共済金は廃業(退職)・老齢時に受け取り可能ですが、その際もiDeCo受取時と同様の税制メリットがあります。
さらに、今回コロナ禍でこれがいいな、と私が思ったのが
③掛金の範囲内で資金の貸付を受けられる
というところです。iDeCoが60歳までは何があっても引き出せないのに対し、結構簡単に(預貯金と比較すると書面の手続きが必要ですが)低金利で貸付を受けることができるのです。

iDeCoとの比較

掛金が全額所得控除、受取時の税制優遇はiDeCo同様ですが、異なる点は大きく次の3つです。
①iDeCoは運用次第では投資効果が高いのに対し、こちらの利回りは一定です。ただし所得控除による節税効果も合わせた利回り(実質返戻率って言い方をします)で考えると預貯金よりはメリットがあります。
②60歳までは原則引き出し不可のiDeCoに対し、非常に低い金利で貸付を受けられます。
③冒頭でお伝えした通り加入要件がありますが、それを満たしていれば国民年金を免除されている方でも加入することができます。

留意点

廃業や老齢以外の理由で解約をする場合、加入期間が短いと返戻金が払い込んだ額を下回る場合があります。
また、掛金の減額はできるのですが、その際に減額分は遡ってはじめから「運用されていなかった」計算となるため、若干不利です。

活用法

しっかりと老後資金を貯め&殖やすならやはりiDeCoですが、フリーランスならではの収入が不安定な悩み&節税できる枠を最大限に使いたい要望に答えてくれるのが小規模企業共済です。
どちらか1つを選ぶ必要はなく、両方を上限額まで併用することもできます。まだ節税というより事業のための資金プールをしたいという時期でしたら小規模企業共済を多め、月に3万円にしてiDeCoは2万円。だんだん収入が安定したらiDeCoを上限の6万8千円まで増額(iDeCoも途中で増額・減額できますが、減額のデメリットはないので)、なんていう形で使い分けるのも良いと思います。

まとめ

名前も地味で広報もしていないため、あまり知られていないこの制度。実はどの銀行でも加入の用紙は置いてあります。金融機関にとっては手数料が高くないため、パンフレットなどを表に置いていることはありませんが保険で節税するよりは効果も高いです(ただし保険と異なり保障効果はありません)。フリーランスの方は上手に節税&資金作りに活用してみてください。


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