FPのおすすめ本「あたらしいお金の教科書」
お金の本質が子どもにもわかるように書かれている、という書評が気になり購入しました。帯にある推薦文も魅力的です。
ー身近なのに、よく知らない「お金」のことー
ご相談の中で、お金は「面倒くさい」「難しい」という言葉を良く聞きます。そのお気持ち、私もわかります(お金に関するさまざまな手続きはFPの私でも煩雑に感じます)。ですが、実はお金がないと生活ってもっと複雑で大変になるのです。仮に欲しいものがあったときにお金ではなく自分の持っている何かと交換するとして、その価値が見合うかどうか誰が判断するのか?とか、過不足があったらどうするのか?ってことになります。
「お金」は本来、私たちの生活をシンプルに、楽にするためにあるのです。だから、なんだかんだ言ってみんな使っているし信頼していますよね。デジタル機器やDIYのように、面倒だからとか難しいから私は使いません、ということはあり得なくて、毎日の生活にお金は欠かせない存在です。
そんなふうにあたり前に存在している「お金」。みんなが習慣の中で、ある意味、惰性というかなし崩し的に使っています。最近は金融リテラシー教育が義務教育の中にも取り入れられつつありますが、私たち(←ここでは、ざっくり昭和生まれで特に金融・経済を専門としていない人、という意味合いです)はお金について学ぶ機会がありませんでした。
ー変化の時代だからこそ、お金を学ぶ機会が必要ー
この本はとても易しい言葉で書かれていますが、子どものおこづかいの話から国家予算のことまで(!)メルカリの話題からSDGsなど、私たちが今気になっていることが明快な視点で書かれています。もし今まで上記のようなことを気にしていなかった人にとっても、この本を読むことで「自分が幸せに生きるために大事なことに少しずつアンテナを立てよう」とポジティブに受け取れるのではないかと思います。
第4章の「幸せなお金の活かし方」はとても好きなテーマです。
「お金は貯めるためにあるのではなく、使うためにある」
私もその通りだと思っています。使うことで世の中に循環が生まれ、潤いで満たされていく。もちろん浪費はもったいないですが、一人ひとりが何に「使う」かをきちんと考えるだけでも世界は変わると信じています。
FPとして力をもらった言葉があります。VUCA(不確実性)の時代だからこそ、変化を楽しめるような計画をつくることが大事、というメッセージです。これは私自身がキャリアの中で実感し、それを発信するために金融機関から独立したという経緯があるので、改めて自分のコンパス(指針)を確認できた気持ちになりました。
ー結局、お金とは何かー
『あたらしいお金の教科書』というタイトルに「正解」を求めている方には、もしかしたら「で、私はどうしたら?」という疑問が残るかもしれません。
ですが、この教科書は「正解」ではなく、「納得解にむかうためのヒント」があるのです。そして、そのヒントのひとつに、「お金は、ありがとうの循環」という言葉があります。
お金というとどうしても、「貯める」とか「節約する」とかに意識がいってしまうという人に、ぜひ読んで欲しいなと思います。
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