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生きづらさの陰に“自動思考”が隠れているかも

なんとなく心がしんどい状態、抑鬱状態、うつ病の状態の影に、自分が幼い頃から習慣的に身につけてきた無意識の思考回路(=デフォルトモードネットワーク)が悪さをしていることがあります。

デフォルトモードネットワークとは:幼少期からの自動思考

私は、うつ病に罹患して以降、rTMSや認知行動療法を受ける中で、脳神経学に関心を持ち、精神科学に関する本をいくつか読むようになりました。
その中で、非常に面白いと思った概念が「デフォルトモードネットワーク」です。

人間の脳は、非常にエネルギーを使う臓器のため、何度も使うような思考回路は、自動化して、省エネ化を図るようになります。

幼少期に自分が置かれた状況から心や体を守るため、環境認識や自己認識が時に歪んでしまうことがありますが、その歪みがそのまま自動化されてしまうこともあります。

例:

・クラスメイトの女子は、暇だから群れると必ず僕の悪口を言ってくる。
・男の先生は、無神経だから私の気持ちがわからない。
・私は、可愛いから、男の人は悪意を持って話しかけてくる。

こう書くと非常に極端なようですが、脳は、特に思春期までに、自分を外部の刺激から守るために、こうした前提をデフォルトモードとして持って、環境に対峙します。

デフォルトネットワークが生きづらさにつながることがある

このようなデフォルトモードネットワークの中には、大人になっても自分を守るために有用なものも多くあるのですが、

中には、環境が大きく変わった大人になる頃には、もう不要になっているにも関わらず、幼少期に無意識に身についてしまっていてるために、自覚できず、生きづらさの原因となるものもあります。

例:

・病院の受付の女性が会話しているのを聞くと、仕事を怠けているように感じる。
・男性の上司と会話する時は、必要以上に気を遣ってしまい、ストレスを感じる。
・彼氏と親密な関係になるのが怖く、恋愛が長続きしない。

大人になって生きづらさを感じたら、単に先天的なHSPであるとか、ADHDであるからと考える前に、

自分が後天的に身につけた思考の癖がないか、幼少期からの苦労のなかで自分を守るために身につけたデフォルトモードネットワークがないか、丁寧に分析することも、生きやすさを手に入れるための一助になります

そのデフォルトモードネットワークが、もはや大人になった自分には必要ないと感じたら、時には、成仏してもらう必要があります。

自分で自覚的になるだけでも効果がありますが、手放すことが難しいと感じたら、認知行動療法で自分を変える行動を促したり、rTMSで認知能力を高めたり、抑うつ剤を飲むことも、デフォルトネットワークを手放す助けになります。


参考書


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