徒な雑文6、「すくってれた詩人」
高校退学処分後に地元の図書館に通い、「珍しい名前だな」程度の興味で出会った中原中也さんの全詩集に始まり、萩原朔太郎さん、高村光太郎さん、室生犀星さんといった日本に口語自由詩を確立させていった世代の方々から、戦中又は戦後を青年時代に経験した世代の吉野弘さん、川崎洋さん、石垣りんさん、茨木のり子さん、黒田三郎さん、村野四郎さん、北村太郎さん、吉原幸子さん等、少し上だけど嵯峨信之さん…
(さくらももこさん、みつはしちかこさん、松谷みよ子さんの詩にも幾度となくすくわれました)
数々の詩人の詩、詩集、もしくは詩人の存在にすくわれて生きています。16歳から今も。
僕なんかには到底思いも寄らない鋭い視座に、何気ない景色に光景、情報を受け取る瑞々しい感受性。文学以外の様々な分野の造詣の深さ、読書量や知識量だけでなく人間性と知恵の奥深さ。語彙力とリテラシー、レトリックの巧みさ。何よりも忍耐力…
それらに依って描かれた、数え切れない程のいくつもの見たことのない心象風景。感じたことのない感動。
僕自身幾度もビンタをされたような感覚になった、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」ではないですが、社会の中に生きながらも瑞々しい感受性を保ち続けた逞しさ…畏敬の念を抱くばかりです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?