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人を幸せにするAI検品で食産業でのトップを目指す

今回インタビューしたのは、Vice President of SW & AI。ソフトウェア部門を統括し、AI検品ソフトウェアの開発チームを率いる立場です。コネクテッドロボティクス(以下CR)にはさまざまなバックグラウンドを持つメンバーたちが集まっています。今回インタビューに答えてくれたJinzeは、AIやロボット知覚の専門知識を各国で徹底的に学び、研究してきたいわば同分野のエキスパート。その知見や技術を存分に活かし活躍している彼に、CR入社を決めた理由、CRでの挑戦、自らがマネージャーを務めるチームに対する思いなどについて話を聞きました。

北京、パリ、ロシア、香港、シンガポール…… そして日本へ

— まずはじめに、CR入社までのご経歴をお聞かせいただけますか。

複数の大学でコンピュータサイエンスなどを学びました。北京(精華大学)で5年間、その後パリ(エコール・ポリテクニーク)に3年半ぐらい留学していましたが、そのうち1年はダブルディグリーでロシア(ノヴォシビルスク大学)に交換留学していました。

留学を終えて戻った香港、そしてシンガポールで研究者として働いていましたが、博士号取得のため東京(東京大学)で電子工学を3年間学ぶことにしたんです。そこから現在までに至る日本での生活がスタートしました。卒業後はそのまま日本に留まり、株式会社Mujinで5年間、3次元コンピュータビジョンやロボット知覚(robotic perception)、AIなどに携わっていました。その後、MujinからCRに転職したのが2022年3月、今はVP of SW & AIを務めています。

ソフトウェアチームのマネージャーとして開発管理と、チームメンバーやそのタスクの管理を行っています。また、メイン業務であるその2つに加え、プロダクトの管理、納期の管理なども行います。これまで世界中のあちこちで暮らしてきましたが、とりわけ日本は暮らしやすいこともあり、日本での生活が随分長くなりましたね。

— すごい! 専門的な知識を世界各国で身につけ、前職で磨きをかけ、そして今、CRにいらっしゃるのですね。

転職のきっかけはスカウト。
共感と興味、マネジメントへの挑戦が決め手に

— 転職を考えるようになったきっかけや、CR入社の決め手は何だったのですか?

転職しようと考えていたわけではなく、CR側からスカウトがあったんです。話を聞いてみたらとても面白そうで、何よりCRのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に共感しました。世の中にまだ存在していない技術、世界を喜ばせる技術を開発するというのは、素晴らしい考えだと思います。

また、当時勤めていたMujinに比べエンジニアリング力では正直及ばないなと思いましたが、Mujinでの仕事では扱わない種類の技術を扱うことになる点に興味を惹かれました。
AI検品に必要とされるのは、ディープラーニングとか特殊カメラとか、ソフトもハードもcutting edgeでstate-of-the-artな技術ばかり。そうした最先端かつ最高水準の技術を駆使した開発に関われるということは、私にとってとても魅力的だったんです。

そしてもう一つ、マネージャーとしてチームを管理することに挑戦できるというのも魅力でした。私はずっと研究ひと筋、技術者ひと筋でしたから、
マネジメントにも挑戦したいと常々思っていたのです。

"CR Inside"な多国籍チームだから、
1+1が2以上に

—— CRで仕事をするようになって、ご自分のパフォーマンスについてはどうですか? 存分に実力を発揮できていると感じていますか?

パフォーマンス自体は外部からの客観的な評価、上司からの評価になるでしょうが、自分のスキルや能力をCRで活かせていると自身では思っています。

戦略をどうするかとか、技術をどう設定するかとか、何をどの順序で進めていくべきかとかいったことは問題なくできているはずで、もし問題が生じるとすれば「チームとしてどうか」の部分になります。

—— AI検品チームはメンバーの多様性という点でCR内でも突出しているとのことですが……。

はい、小さいチームでありながら、メンバーは多国籍で実に多様です。
ブラジル、トルコ、日本人、米国育ちの日本人学生、これからも韓国、ベトナム、と多様なメンバーが入社する予定です。ですが、チームメンバーは私も含め全員が信頼し合い、協力し、うまく連携できています。コミュニケーションもよく取れていると思います。

だから1+1が2以上になっているし、チーム全体が能動的に動けていますし、多様性が可能性を広げてくれているし、目標達成の方向へと導いてくれていると感じています。

もっとも、CRは日本にある会社で、日本の管理方法がベースになっていて、日本人であるTezさん(代表取締役)からの指示や配慮もあっての多国籍チームなので、日本文化が加味されての多国籍チームという側面はあるのかなと。もしも本当に単なる多国籍のチームだったら、こうは上手く行かないかもしれません。多国籍な組織はどこにでもありますが、私たちのチームはやっぱりCRっぽいチームなんだと思います。「Intel Inside」ならぬ「CR Inside」です!

—— ソフトウェアの世界、特にAI関係は日進月歩で、新しいテクノロジーに関する情報をチーム内で共有することも重要となってきそうですね。

そうですね。常にアンテナを張っておくようにしていて、情報収集は頻繁にしていますし、セミナーや展示会を見に行ってみたりもします。同じ領域を研究する知人と話したりもします。そうやって得た最新技術の情報についてチーム内でよく話をします。情報のアップデートにコミュニケーションは欠かせません。

ただ、実際の開発に活かす技術としては、まだ評価の定まっていない最新中の最新の技術よりも、既に世の研究者にある程度周知されている安定的な技術が中心となります。それで足りなければもう少し範囲を広げて、まだそこまで知られていないもっと新しい技術も検討してみるといった感じです。

チームの目覚ましい成長が大きな喜び

— CRでお仕事をする中で、一番印象深かったこと、記憶に残っていることは何ですか?

AI検品チームが目覚ましい成長を遂げたことですね。最初はわずか3人のチームでした。競合も多い検品の世界において、いかにミニマムなチームで最大の能力を発揮するかを毎日考えていました。それがみるみるうちにメンバーが増えてチーム規模が大きくなり、しかもメンバー一人ひとりが自分のすべきことや目標をしっかり理解している。はじめは暗闇の状態だったのがどんどん明るくクリアになってきているのを感じています。

チームの成長の様子をずっと見てきたので、印象深いというよりも、ただもう感無量なんです……!

マネジメントへの挑戦でさらなる自己成長も

—— マネージャーの立場だからこそ得られる喜びですね。
マネジメントに挑戦してみていかがですか?大変だったりしますか?

技術に関する知識がなくては、エンジニアにタスクを適切にアサインできません。ですが、知識に加えリーダーシップやメンターシップも持っていなければ、マネジメントは難しいでしょう。ですからいろいろと大変です。大変だけど面白いです!

大企業とは違って幅広い対応を求められるのでなおさら大変ですが、それだけにすごく成長できます。知識も、技術も、チームメンバーとの関係性の築き方も、今学んでいることの全てが経験値となっているのを自分自身で強く感じています。これは大学や大企業では望めないことです。

食産業領域におけるAI検品のトップを目指す

— マネジメントという新たな挑戦以外にも、今後挑戦していきたいことはありますか?

惣菜盛付ロボットのDelibotがロボット大賞やFOOMAアワードで受賞していますよね。AI検品でも賞をもらえたらいいなぁと思うのですが、検品分野は競合会社がとにかく多いですし、Delibotのように新規性であっと言わせることもできません。なので、AI検品分野での受賞は少し現実離れした目標かと思っていて……。

よりリアルな、実際に目指せそうな目標としては、食産業に特化したAI検品の領域でトップになりたいと考えています。その最初の一歩として、AI検品のソフトウェアプラットフォームを開発したいです。

プラットフォームがあれば、そこからさまざまな検品プロダクトの開発につなげられ、より多くのCR製品が食品業界に浸透していくでしょう。私たちは小さいチームですが、食産業という特定領域に特化することでトップを狙えるのではと思っています。

MVVに共感できる仲間とともに成長したい

—— これからCRでは採用も進んでさらに人が増えていくと思います。
どういった方にCRにジョインしてほしいとお考えですか?

やっぱり、CRの原点であるといえるMVVに共感できる方ですね。

仕事をしていれば、貢献できていないと悩むことも、能力を発揮しきれていないと不満を抱くこともきっとあるはずです。MVVという軸がその人の中になければ、そういった苦しいときに踏み止まれないのではないかと思うからです。経験はないよりあったほうがいいことは言うまでもありませんが、経験が足りなくてもポテンシャルがあれば、Trial and Errorで成長できます。
使う人を幸せにする製品づくりを通じて、ともに成長できたらと思っています。

—— 今日はたくさんのお話をありがとうございました。