2023年おすすめ新譜アルバムVol. 96: Metro Boomin「Spider-Man: Across the Spider-Verse (Soundtrack from and Inspired by the Motion Picture)」
新譜アルバム紹介Vol. 96です。
今回紹介するのは、アトランタのプロデューサーのMetro Boominがリリースした「Spider-Man: Across the Spider-Verse (Soundtrack from and Inspired by the Motion Picture)」です。
Metro Boominはセントルイス出身でアトランタを拠点に活動するプロデューサーです。
これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらを。今作についてもこの記事で少し触れています。
今作は映画「Spider-Man: Across the Spider-Verse」のサウンドトラックとして制作された作品です。基本は未来的なトラップを軸としていますが、アフロビーツ要素など前作とは異なる方向性も見せた快作に仕上がっています。
1. Annihilate (Spider-Man: Across the Spider-Verse) (with Swae Lee, Lil Wayne & Offset)
MIKE DEAN印のシンセが効いた未来的なトラップ。
逆再生っぽいループに手数の多い808を合わせたヴァース部分と、壮大なシンセで聴かせるフック部分のメリハリが楽しい良曲です。Lil Wayneのキレキレのヴァースが強烈。
2. Am I Dreaming (with A$AP Rocky & Roisee)
シンガーのRoiseeがメインの曲。
Peter Lee Johnsonが弾く上品なストリングスのループに、ノイジーなスネアや重厚なシンセを組み合わせたユニークなビートの曲です。A$AP Rockyのスマートなヴァースもばっちり。
3. All The Way Live (Spider-Man: Across the Spider-Verse) (with Future & Lil Uzi Vert)
FutureよりはLil Uzi Vert寄りの曲。
少しレイジっぽいサイバーなシンセを用いたビートで、エモーショナルなLil Uzi Vertと淡々としたFutureが絡む良曲です。Johan Lenoxも参加しており、後半では壮大なストリングスが聴けます。
6. Calling (Spider-Man: Across the Spider-Verse) (with Swae Lee & NAV) (feat. A Boogie wit da Hoodie)
滑らかなギターやピアノが目立つエモーショナルな曲。
客演ラッパーは全員メロディアスなスタイルですが、それぞれ異なる持ち味を発揮しています。A Boogie wit da Hoodieの切れ味と柔らかさが同居したヴァースがベスト。
10. Home (with Don Toliver & Lil Uzi Vert)
Don Toliver主導のメロディックトラップ。
メロウなウワモノに控えめな鳴りのドラム、スクラッチ音などを使った佳曲です。アウトロではJohan Lenox印のストリングスも入ってきます。
Metro Boomin流ブーンバップのようなタイトなドラムの曲。
途中ビートスイッチしますが、どちらのビートもサンプリングを用いたブーンバップ的なアプローチです。最後の1分ほどはMIKE DEANの圧巻のシンセソロが聴けます。
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