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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 102: DJ Killa K & Ice Billion Berg「Forever Live」

新譜アルバム紹介Vol. 102です。

今回紹介するのは、フロリダのDJのDJ Killa KとラッパーのIce Billion Bergがリリースした「Forever Live」です。

二人ともフロリダ出身で、DJ Killa KはDJ、Ice Billion Bergはラッパーです。DJ Killa KはIce Billion BergのレーベルのLive House Music Groupに所属しています。

両者とも2000年代から活動。2010年作「STRICTLY FOR THE SMOKERS」などDJ Killa KをホストDJに迎えたIce Billion Bergのミックステープや、DJ Killa KのミックスへのIce Billion Bergの参加などこれまでにも何回か顔合わせしています。

DJ Killa KはホストDJとしての参加も多く、どう曲に関わっているのかわかりづらいアーティストです。今作でのサウンドは、フロリダのジューク(JukeではなくJook)にカリブ海の要素をミックスしたような爽やかでダンサブルなものや、エモーショナルなトラップなど。Ice Billion Bergは高めの声質で力強いサグなラップを聴かせるラッパーです。

今作は先鋭的でいて伝統的な空気も漂うユニークなサウンドで、Ice Billion Bergが伸び伸びとラップする快作に仕上がっています。捻ったヒップホップを聴きたい方も是非。


1. Keep Goin

DJ Huffプロデュース。

清涼感のあるジューク系のシンセに、カリブ海っぽいリズムのドラムを合わせたスムースでダンサブルな曲です。Ice Billion Bergの力強いラップもばっちり。


2. Forever Live

フルートのループが印象的な曲。

この曲もドラムにカリブ海っぽい要素があります。ちょっとバイレファンキにも通じる魅力。


3. Gun Powder On Me Feat. Jumpboy Flexxer

2000年代のJeezyを思わせるホーンが目立つ曲。

ドラムもどちらかといえばトラップ寄りで、今作の中では比較的ストレートなタイプの曲です。Jumpboy FlexxerのGな高音ラップとも好相性。


5. Sun Shinnin Feat. Davi Sol & Zianna

「Keep Goin」と同タイプの新型ジューク。

ふうわりとしたシンセと跳ねるドラムが心地良いビートで、フックでは女声シンガーが歌い上げる良曲です。今作のハイライトの一つ。


6. Give Em Mo Feat. GT Will

「Sun Shinnin」から引き続き同タイプのビート。

この曲は細かく刻むギターなども用いて少し変化もつけています。随所で聴ける早回しの声ネタサンプリングはフロリダのファストマナー


7. Hi You Feat. Bushy B

Bushy Bのスタイルに合わせたような曲。

コリコリしたギターとダンスホールっぽい匂いのするドラムが印象的なビートで、Bushy Bの歌心のあるラップと絡む佳曲です。一言一言強調するような歌フックも強力。


8. Passion & Pain Feat. Gank Gaank

DJ OnDaBeat制作の南部流Gファンク。

ブヨブヨのベースにスナップ音を合わせたスムースなビートに、Gank Gaankのフガフガした歌が乗る好曲です。ちょっとテキサスGっぽい良さ。


9. Give It My All Feat. Mirror Monk

枯れたギターが目立つエモーショナルなトラップ。

ビート的にはYoungBoy Never Broke Againあたりがやりそうなタイプですが、カリブ海っぽい歌フックで巧みにフロリダに引き寄せています。Kiddo Marvあたりが好きな方も是非。


10. Diamond In The Rough Feat. Lil Dred & Cho$en

哀愁漂うGな曲。

切ないピアノや沈み込むようなベースが効いたビートで、フックではCho$enがソウルフルに歌い上げる良曲です。力を込めて哀愁を醸し出すLil Dredのラップも見事。

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