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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 18: Bushy B「Planet Blue」

新譜アルバム紹介Vol. 18です。

今回紹介するのは、フロリダのラッパーのBushy Bがリリースした「Planet Blue」です。

ジャケ

Bushy Bはフロリダ出身のラッパーです。

2010年代前半に登場。Gold Cigar Gangというクルーでの活動などを経て、Ice Billion Berg率いるLive House Music Groupと契約します。2017年にはソロ作「Cursed by the Gift」をリリース。その後も2018年の「HBCU (Heart Break Causes Understanding)」や、同年のIce Billion Bergとのタッグ作「Real Lifers」などリリースを重ねていきます。その後もフロリダ勢を中心とした客演や2020年のソロ作「Blues Boy 2」のリリースなど、精力的に活動している新進ラッパーです。

Squadda Bあたりを思わせるフラフラとしたフロウも使いますが、少しレゲエ風味が入ったメロディアスなフロウを得意とするラッパーです。ビート選びは現行フロリダ勢らしいトラップをベースとしたものですが、ここでもカリブ海の要素が入ってきます。

今作はYoungBoy Never Broke Againあたりとの同時代性を備えつつ、それとは異なるカリブ海の匂いもする良作に仕上がっています。新しいもの好きの方も是非。


1. Don't Retreat

美しいピアノにコーラスを入れたエモーショナルな曲。

ビートだけなら一聴するとRod Waveタイプですが、Bushy Bのレゲエ風味が入ったフロウが乗ることで異なる魅力が生まれています。ドラムがかなり控えめなのもユニーク。


3. She Doesn't Want Me Around

今作はここで「何か様子が違うぞ」が確信に変わるような感じがあります。

コリコリとしたギターにスペイシーなシンセなどを絡めたビートに、アメリカのヒップホップの分脈から逸脱するようなメロディと歌い方が乗る良曲です。今作のハイライトの一つ。


4. Dem Ah Wonder Feat. Major Nine & Lil Dred

ビートの奇妙さなら今作のベスト。

R&B風味のメロウなエレピにレゲエのリズム、トランシーなシンセにトラップのドラム…と様々な要素が詰まった曲です。レゲエの影響を感じさせるマイクリレーもばっちり。


5. Dance Too Long

少し2000年代のメインストリームR&Bっぽい匂いがする曲。

透明感のあるエレピや艶やかなベースが効いたビートで、メロディアスにラップを乗せていく好曲です。一人で何役もやるような声の使い方も絶妙。


6. Night Nurse Feat. Cedia

Gregory Issacsの同名曲へのオマージュ。

原曲はレゲエですが、ここではR&B風味のメロウなビートで歌っています。主役はもちろん、Cediaのレゲエっぽい歌い方もばっちり。


10. Em From The Southside

ダンスホールっぽいドラムを使ったスムースな曲。

クリアなシンセが心地良い穏やかな雰囲気の曲です。ヴォーカルの被せのシュワシュワとした処理が印象的。


12. Hard Body God Body Feat. Lil Dred

YoungBoy Never Broke Againタイプの哀愁曲。

切ないピアノやギター、グルーヴィなベースを使ったビートに歌心のあるラップが沁みる佳曲です。低めの声質で引っ掛かりのあるフロウを聴かせるLil Dredのヴァースも好相性。

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