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Foolsdayboy「Gift for Fools」のリリースに寄せて

新潟のラッパー、Foolsdayboyがリリースしたアルバム「Gift for Fools」のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。

新潟を拠点に活動するラッパーのFoolsdayboyは9月23日(金)、新たなアルバム「Gift for Fools」をリリースする。

Foolsdayboyは2020年に活動を始めたばかりの新鋭ラッパー。畳み掛けるようなアグレッシヴなフロウをトレードマークにしつつ、リラックスしたフロウなども柔軟に用いるラップスタイルの持ち主だ。活動を始めたその年のうちに1stアルバム「Awesome Fools」をリリースし、2021年には2枚のコラボEPと2曲のシングルを発表。今年に入ってからは同郷のラッパーのsagwonと共にレーベル「RUBiK」を立ち上げ、sagwonのシングル「Doppelgenger」に参加するなどハイペースに活動してきた。

今回のアルバムは「ギフト」をコンセプトにした作品で、RUBiKからリリースされる初のフルアルバムとなる。「普段聴いている音楽と同じ感覚で聴ける作品」を目指し、現行のアメリカのヒップホップを踏まえたトラップを中心にジャジーで繊細な路線も導入。ラップ面ではアグレッシヴなスタイルだけではなくメロディアスなアプローチも披露し、時に内省的な側面も覗かせるリリックをじっくりと聴かせるアルバムとなっている。

プロデュースは1stアルバム「Awesome Fools」にも参加していた新潟のWooRockが最多9曲を手掛けたほか、長野からkakasi(Road Leef/RAWLITTLENSS)も参加。さらに同じく新潟でインストヒップホップ作品を精力的に発表するninomiya tatsuki、福岡のgerardparmanとの初顔合わせも果たした。客演にはレーベルメイトのsagwonとGOSPOの新潟勢に加え、Foolsdayboyがラップを始めたきっかけとなったという楽曲「Hayate」を生み出したWarbo(Pitch Odd Mansion/Road Leef)も参加。ミックスとマスタリングはDJ KOL(STB Studio)が手掛け、アートワークはRUBiK作品に多く関わるイラストレーターのfu34shiが担当した。


1. 狭間 (Prod. by WooRock)
2. Rollercoaster (Prod. by WooRock)
3. DoublePurpleBubble (Prod. by WooRock)
4. Breathe in Here (Prod. by WooRock)
5. Strange Mission (Prod. by WooRock)
6. Lost? Feat. sagwon (Prod. by gerardparman)
7. 窮屈 (Prod. by gerardparman)
8. Muddy Road Feat. GOSPO & Warbo (Prod. by kakasi)
9. 信号機 (Prod. by ninomiya tatsuki)
10. NORMAL (Prod. by WooRock)
11. 246 (Prod. by WooRock)
12. GIFT (Prod. by WooRock)
13. Side of Foolish (Prod. by WooRock)


また、リリースページ用の紹介文も担当しました。

「ギフト」をコンセプトにした2ndフルアルバム。
「普段聴いている音楽と同じ感覚で聴ける作品」を目指し、現行のアメリカのヒップホップを踏まえたトラップを中心にジャジーで繊細な路線も導入した作品となっている。ラップ面では、得意としているアグレッシヴなスタイルだけではなくメロディアスなアプローチも披露。時に内省的な側面も覗かせるリリックをじっくりと聴かせる、さらなるレベルアップを感じさせる一枚だ。
プロデュースは前作「Awesome Fools」にも参加していた新潟のWooRockが最多9曲を手掛けたほか、長野からkakasi(Road Leef/RAWLITTLENSS)も参加。さらに同じく新潟でインストヒップホップ作品を精力的に発表するninomiya tatsuki、福岡のgerardparmanとの初顔合わせも果たした。客演にはレーベルメイトのsagwonとGOSPO(FLEX)の新潟勢に加え、長野からWarbo(Pitch Odd Mansion/Road Leef)も参加。ミックスとマスタリングはDJ KOL(STB Studio)が手掛け、アートワークはイラストレーターのfu34shiが担当した。

Foolsdayboyについては1stアルバム「Awesome Fools」の際にもリリースページ用の文章を書きました。その後リリースした湯煙beeとのタッグ作「HOODY FOOL」のレビューも書いています。

Foolsdayboyと私が繋がったきっかけを作ったのは、今作でもレコーディングやミックスなどで関わったSTB Studioです。STB StudioのオーナーのDJ KOLとは共通の知り合いの新潟出身のアーティストからの紹介で繋がり、10年近くの付き合いになります。

STB StudioはInstagramで制作作品を紹介しており、Foolsdayboyのことはそれで知りました。その後すぐビートメイカーのWooRockがFoolsdayboyと一緒にスタジオ入りした際、その場でZoomを繋いで紹介してもらったのがファーストコンタクトです。そして後日Foolsdayboyと会った際にラップを始めたきっかけを聞いたところ、長野のラッパーのWarboの曲「Hayate」を聴いたことだったとの答えが返ってきました。

私はWarboともDJ KOLと同じくらい古い知り合いです。Warboは長野のラッパーですが、新潟にも隣県ということで何かと訪れていました。新潟のラッパーのSoulLumpLagsharksというデュオを組んでいた時期もあります。私とSoulLumpはほぼ同世代で以前から繋がりがあり、WarboともSoulLump経由で知り合いました。そのため長くWarboの音楽を聴いてきており、関連作のレビューも書いたことがあります。

そんなわけで、気になった新進ラッパーのラップを始めたきっかけが旧知の仲のWarboだったと知った時は本当に嬉しかったです。その後すぐにWarboに連絡を取り、Foolsdayboyのことを教えました。ここからWarboとFoolsdayboyが繋がり、今作ではついに「Muddy Road」で共演に至りました。

また、同曲のビートを手掛けたkakasiはLagsharks経由で知りました。長く追っており、レビューも何回か書いています。昨年には所属クルーのRAWLITTLENSSがアルバムをリリースした際にインタビューも行いました。

今作にまつわる縁はそれだけではありません。今作のメインプロデューサーを務めたWooRockとも私はかなり古い知り合いです。WooRockがまだ誰とも繋がらずに一人でビートを作っていた頃にTwitterで存在を知り、そのアメリカを真っ直ぐ見据えた強力なトラップビートに驚いた覚えがあります。それからWooRockとはよく会うようになり、最先端のヒップホップを追い続ける仲間として情報交換をしながら共に歩んできました。昨年には一緒に企画シングル「Grow Up」を制作し、今年もFoolsdayboyをフィーチャーしたEP「WooRock Tape」のプレスリリースで関わりました。

今作に参加したもう一人の新潟のビートメイカー、ninomiya tatsukiも古い知り合いです。これまでにも何回か記事を書いており、先日インタビューもしました。Foolsdayboyには私が紹介したわけではなく、たまたま同じところに目を付けた形です。

新潟のビートメイカーへのインタビューといえば、昨年DJ TO-SHIROにインタビューした際に「プッシュしたかった」ラッパーとして名前が挙がったGOSPOも今作に参加しています。DJ TO-SHIROのアルバム「RE:CYCLE」でのGOSPO客演曲「Breathe Out」は同作のハイライトの一つです。以前書いたレビューでも触れています。

DJ TO-SHIROにとってのGOSPOのように、私がプッシュしたい新潟のラッパーが今作にも参加しているsagwonです。STB Studioきっかけで知ったfuzzyのシングル「Build Top View」でのフックを聴いて気になり、以降もプレスリリースでも触れたシングル「Doppelganger」などでその素晴らしいメロディセンスを聴かせています。ちなみに、「Build Top View」については以前書いたこちらの記事で少し触れています。

今作でsagwon客演曲「Lost?」「窮屈」のビートを手掛けたgerardparmanについては、以前Disryとのタッグ作「D A W N」のレビューで書いています。Foolsdayboyは時々できた曲をリリース前に送ってくれるのですが、「窮屈」を聴いた時はすぐにビートを作ったのが誰か聞きました。実は私がgerardparmanを追うようになったのはこの曲がきっかけです。

今作は全ての参加アーティストについて、関連する記事を書いています。関連作をあわせて聴き、記事も読むことで今作をより楽しめると思います。そして最後に私からのギフトとして、今作の全曲のコメントを書きました。Mikikiに掲載されているので、あわせて是非。


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