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海外の性教育を和製変換するように、日本国内でも都市部から地方変換をする必要性

国内外で性教育を学んできた性教育講師、橋本阿姫です。今日は国内の都市部と地方の性教育について、私の意見を書こうと思います。

以前に、海外の性教育を日本に輸入・展開する際の、和製変換の必要性について書きました。

今回は、日本国内で都市部の性教育を地方に展開するにあたっても同様に、地方変換の必要性を、これまでの日本各地での講座開講やみなさんの意見から感じたので、書いていこうと思います。

都市部での性教育を地方変換する必要性

都市部と地方の違い

現在都市部をメインに性教育講座やイベントを開催していますが、私自身が地方出身であるので、都市部の暮らしに驚くことが多いです。
都市部と地方で圧倒的に違いがあるのは、情報格差・アクセス格差だと感じています。
情報格差ですが、PCやスマホがあるので今や日本どこからでも情報を得ようと思えば得ることができますが、街中・歩いていて気になる広告・街中の人から得る情報は大きな差があります。
ビル広告・駅広告・街行く人の多様さが、地方には少ないです。そのため、自分がいる環境と大きく異なる情報が自然と入ってくることは少なく、自分で能動的に情報を得る行動をしなければならないです。
アクセス格差ですが、都市部は交通手段が多いですよね。電車を利用することで、小学生でも一人で遠くに行くことができます。一方の地方では交通機関が便利でないこともあったり、大人が運転する車がなければ移動できないことも多いです。そういったことから、イベント開催の場や情報を得ることができる場へのアクセスのしやすさには、大きな違いがあるといえます。

都市部から地方への文化の広がり

さて、都市部では、性教育やフェムテックへの注目から、街中でも性に関するイベントや情報をよく見かけるようになってきました。また、性教育やフェムテックが新しい文化・産業として生まれてきています。

これまでの歴史を見ても、新しい文化・産業は都市部で生まれ、地方に広がっていきました。都市部から地方へ広がるなかで、都市部で生まれた新しい文化は元々の地方文化や地域価値観と融合し、地方独自の、地方密着の文化が生まれ、成熟しています。

今回のテーマ、性教育も、都市部から地方へ展開されていく際、同様の流れになると思います。
とはいえ、都市部方地方へ展開し伝える人が、一方的に地方に合うものを作って行くのでは意味がありません。
大切なのは、地域文化に密着できていること。その地域にも必要なことだと感じられること。
そのため、都市部から地方の地域に馴染ませる作業を、地方の現地の人と協力して行わなければならないのではないでしょうか。もしくはUターンの様に、都市部で吸収したものを地元で活かすことが双方の文化理解ができ、スムーズに地方変換・展開ができるのではないでしょうか。

地方で性教育の営業をした際のこと

しかし、地域密着の前に、地域理解がなければ密着もできません。
それを強く感じた出来事として、地方の学校に性教育授業の提案を持っていった時です。
私は現在、都市部で性教育を行っているのですが、ゆくゆくは地元や地方での性教育を行いたいと思い、地元の学校に性教育授業を提案しに行きました。

先ほど書いたように、都市部のものを地方や地域の価値観や文化に合わせて行かなければ受け入れられないと考え、生まれ育ったその地域の生活スタイルや学生の特徴などを考え、その地域に沿った性教育の内容を組み立てて持っていきました。

例えば、その地域は多様性を感じられる機会が少ないので、多様性・多様性社会を考えられるもの、正しい性の情報獲得手段などでした。

しかし、性教育の必要性をそもそも必要と思っていなかったのです。「地方に性教育はあまり必要ない、性に翻弄な生徒は少ないから」と。
生徒について知っているのは学校にいるときの姿だけですし、地方であってもPCやスマホで性に関する情報を得ることができる。確かに、都市部ほど自然と得れる情報は少ないですが、だからこそPCや友人から得る情報が多くなり、情報の正誤性も曖昧。

そう、地方だからこそ必要な性教育の内容・ポイントはある。性教育とひとまとめにするのではなく、その地域に必要な性教育の内容はある。

だから、その地域に沿った性教育の内容を提案したけれども、そもそも性教育の必要性を感じていないようだった。
(これは、私が必要性をしっかり理解していただけるように伝えきれなかったのも原因でしょうし、反省ポイントです。)

性教育の必要性は、私が説明し理解していただくこともですが、そもそも必要と感じる必要があるのか(言葉あそびみたいになってしまった)という課題も挙げられます。


地方で考えられる性教育の特徴

(地方と抽象的に表現しているのですが、主に私の地元と考えてください。)
都市部では、先ほども書いたように性教育がフェムテックと同時に広がっていっており、イメージとしてもポジティブイメージがついてきているように感じます。(参考に↓)

しかし、地方ではフェムテックへの関心も少ない他、性教育へのイメージはネガティブなもの。
「性教育=エロいもの・性行為について」と考えられることがほぼで、性教育というワードだけで、学校側は危機感を覚え話を聞いてくれないこともしばしば。

このように「性教育=エロいもの・性行為」とイメージしているので、学校で性教育を教える必要性を感じられないのではないでしょうか。性教育は学校で行うものではなく、個人が成長過程で自然と知っていくものだと考えられているのではないでしょうか。
しかし、本当にそうなのでしょうか。性教育と一言で言っても内容は多岐にわたり、性行為については多岐にわたる中の1つにすぎない。(以下参考)

生徒が健全に生きていく上で。必要な内容も多く、性教育が必要ないとは言えないと思います。
もちろん受験には数学は必要で性教育は必要ないかもしれないですが、今後の人生やライフプランを考えると、性教育の方が活かせる機会は多いのでは?そして、性教育の方が長期的にみて必要なのでは?

ここまでの課題をまとめると、性教育の内容を理解していただき、その上で性教育の必要性を感じてもらった上で、地方変換した性教育を提案する必要があったのです。

地方変換する必要性

地方変換する必要性ですが、結論、都市部から地方へ広げるなかで、地方文化や地域性に合わせたものを展開する必要はあると考えています。

ただ、その過程には、

  • 性教育の内容を理解してもらう

  • 性教育の必要性を感じてもらう

  • その地域にあった性教育を一緒に考える

といった課題が多く存在しており、それらも地方変換の1つと考えています。


2022年は、都市部で性教育を行う機会を多くいただきとっても嬉しかったですが、やはり地方、とりわけ地元で性教育を行うことが1つの目標です。
地方での性教育開催には課題が多いことがわかったので、2023年は地方で性教育のイメージ大転換を行い、性教育の必要性を感じてもらえるよう行動していこうと思います。


2022/12/30





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