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マーケティングニュースまとめ Vol.28:「デザイン心理学とは?」など

日本

デザイン心理学とは?

電通メディアイノベーションラボ「オーディエンス研究機構」による、BBSTONEデザイン心理学研究所日比野社長との対談記事。
BBSTONEデザイン心理学研究所とは、その名の通り、心理学を用いて、「従来のアンケートや主観的な評価では得られなかった消費者の本音、嗜好、意思決定のプロセスを明らか」にして、プロダクトデザイン、グラフィックデザインに適用するといった心理学ベースのUXサポート会社。言語化できない嗜好、人間の見えない心理、自分自身でさえ気づいていないような潜在意識下の気持ちなどにスポットライトを当てることで、あらたな課題解決方法を提示するのが、この会社のミッションらしい。デザインリサーチ×心理学といったイメージだろうか。ここ5~6年の間で、意識よりも無意識にフォーカスしたマーケティング(N1による潜在的なインサイトアプローチなど)が、大きく取り上げられることが多くなってきた気がする。市場中心から人間中心へのアプローチが社会全体へと浸透してきたということだろうか。
k.t

顧客中心主義の商品開発

キリンは、自社のマーケティングを、「顧客中心主義」と近々よく唱っているが、この記事によれば、サッポロビールも負けないぐらい「顧客中心主義」だ。顧客共創型ブランド「HOPPIN’ GARAGE」の事例。
HOPPIN’ GARAGEは、食領域のコミュニティ運営を支援するキッチハイク社との提携により生まれたプロジェクト。「自分が飲みたい」ビールのアイデアを募り、試作品をつくってコミュニティ内での評価などを経て商品化するといったプロセスをとり、今までに、9種類が商品化。さらには、500回にのぼるイベントに5000人以上が参加、YouTubeでのトーク番組などコンテンツマーケティングにも手を出している。しかも、そのトーク番組に発案者を、出演させるなどとことん顧客中心主義なアプローチをとっている。記事中には、「一人に対するデプスインタビューを通して、どこをどう切り取ったらストーリーを感じてもらえるか、共感を得られるかを探っているようなものですね。私たちは編集者の視点で、雑誌づくりをしているような感覚が近いかもしれません。」という言葉があるように、商品を売るのではなく、大きなコンテンツを作っている感覚に近いのかもしれない。こういった感覚が今後のスタンダードになるのかも?
k.t

Z世代女子の推し消費心理

z世代の女子の購買行動を取り上げたシリーズ記事です。今回のテーマは推し消費ということで、自分の好きなコンテンツ(特にアイドルやアニメ)に対して「推し」として消費を行うことです。以前からその傾向はありますが、女性による推し消費の対象が年々拡大してきているなと感じます。
単純な推し消費だけなら男性や他の世代にも見られますが、Z世代の女子に関してはよりライトなユーザーでも見られるのではないでしょうか。またこの記事を見ると、単純にコンテンツを消費するだけ(グッズ購入)なら、コレクター心理や所属意識の現れとも考えられますが、この推し消費では推しを応援するという行為自体に価値を感じる方も多いと考えていそうです。
s.a

商品は「心の価値」で選ばれている

エステーでマーケティング業務に従事し、現在は独立しているマーケター鹿毛さんの記事です。洋服買い替えのサイクルが早まり、虫食いを経験する機会が少ない近年で、それでも防虫剤が売れているのはなぜか?という話をしています。
2018年までは防虫剤の必要性を換気するコミュニケーションを取っていましたが、あるきっかけを期に、「虫を気にせず生活できる」という心の価値を伝えるコミュニケーションに変わったそうです。記事の後半では米唐番が日本人の「米=神聖」という価値観があるとしたコミュニケーションを展開していたのも興味深いです。消費者は自分の価値観を言語化しきれるかというと、そんなことはないかと思いますが、こうした非言語化された価値観を探しだすのもマーケターの仕事なのだと思います。
s.a

海外

Facebookからスマートウォッチが、来年夏リリース

Facebookがスマートウォッチ端末を開発中で、来年の夏にリリースするらしい。2つのカメラが搭載され、写真やビデオを撮影してInstagramやFacebookに共有することができる機能が付くとのこと。(カメラいるのかな?)明らかなappleへの対抗戦略としてみることができる。
ご存じのとおり、FacebookとAppleの間でプライバシーポリシー問題での緊張が常に帯びている。直近のAppleは、プライバシー保護機能を追加し続けているが、その中には、ユーザーデータの収集に依存するフェイスブックのビジネスモデルとは明らかに相性が悪い。つまり、自社のデータは自社のデータということだ。そんななか腕時計。しかも初めてのデバイス。いまいち、Facebookの時計を付ける意味がよくわからないけれど、今後のFacebookのデータ獲得戦略として注目したい。
k.t

G7サミットでの超限定ターゲティング広告

コーンウォール州のカービスベイで、G7諸国のサミットが開催されている。そんな会場周辺では、広告キャンペーンで盛り上がっているという。しかもすべて、首脳ターゲットの。
例えば、ボリス・ジョンソンが貝殻を耳に当てている様子が描かれている、クリエイティブ・コーリションの創設者であるガイ・ムーアとピート・ブレイスガードルが制作した「Listen to the Ocean」キャンペーン(海の保護、環境保護へのメッセージ)や、MusicMagpie社による廃棄された電子機器で、ボリスジョンソン・ジョーバイデンなどの世界のリーダーを彫刻で飾った作品(電子廃棄物の脅威のメッセージ)など、そのクラフト力はかなり高い。もちろん、こうやって拡散されることでのプラスのPR 効果込みでの想定ではあると思うが、ある意味明確なN1的な発想で作られた広告群たちはやはり威力が桁違いである。
k.t