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マーケティングニュースまとめ Vol.39:「イカゲームに便乗したプロモーション」など

先生たちがSNSに怒る

全米のあらゆる教育者を代表する労働組合である全米教育協会(NEA)が、大手ソーシャルメディア3社のCEOに対し、それぞれのプラットフォームが学生ユーザーの危険な傾向を助長・増幅していると警告したらしい。つまり、先生たちがSNSに怒りを向けているということだ。
NEAのレベッカ・S・プリングル会長は、Facebook社のマーク・ザッカーバーグCEO、Twitter社のジャック・ドーシーCEO、TikTok社のShou Zi ChewCEOに宛てた手紙(Wall Street Journalに掲載)の中で、ソーシャルメディアのプラットフォームのポリシーは、子どもたちを悪意ある行動に走らせるだけでなく、実際に教師を危険にさらしていると主張したという。学校の備品をおふざけで盗んだり、教員を殴ったり、ネタのためなら悪質極まりない行動をしてしまう学生が多いらしい。
このCp1noteでも一度取り上げたが、Facebookの内部告発者が、ザッカーバーグは安全性よりもバイラルな投稿を優先し、そのためにボーナスを与えていた可能性があると述べている。バイラルとモラルはバランスは、もはや公的な領域まで侵入し、議論され始めた。サステナブルである情報のあり方とはどんなモノなのだろうか?まだまだ答え出るのは遠そうです。
k.t

熱い議論には注意が必要?

上記のようなネット上のモラルが改めて騒がれる中、Twitterはある施策を走らせている。
Twitterは10月7日、スレッド内でのやり取りが熱くなったり激しくなったりしてきた場合にユーザーに注意を促す、Heads Up機能のテストをAndroid とiOSで実施していると明らかにした。
すでに行われている会話(スレッド)の内容を判断し、白熱している場合には、リスペクトをもって接する、事実ベースで話す、さまざまな意見には価値があるといった、いわゆるネチケットを思い出せる注意を表示。その上で、本当に会話に加わるのかを確認させるといった方法だ。
どこまで効果的かわからないが、こう言った仕組みで解決するモラルのあり方には、今までうまくいった事例がほとんどない。だからこそ、Twitterの意欲的な施策に期待したい。
k.t

次の警察の被害者は、こんな顔な人

Mozillaの2021年度クリエイティブ・メディア・アワード受賞作品のひとつである「Future Wake」は、警察による被害者(人種差別的な理由による警察からの暴力など)の顔写真(約30,990件の警察による残虐行為のデータセット)を使い、次なる被害者となり得る「顔」を予想するといったメディアアート企画を展開した。
このプロジェクトの2人の匿名のクリエーターによる共同声明では、「Future Wakeは、予測型警察のアプリケーションを逆さまにする」と説明している。一般市民が犯す犯罪を予測するのではなく、未来の出来事を予測するために、Future Wakeは過去の警察による暴力の被害者の履歴データを利用して、次の被害者がいつ、どこで、誰が、どのように死ぬかを予測している。絶妙にリアルじゃない不気味さがより、なかなか振り払えない闇の深さを感じずにはいられない。
このサイトでは、このアート作品を、「偏見の可視化」として評価している。社会の偏見を振り払ってもらうために理想論を語るのではなく、超現実的な偏見を見続けさせるという方法もあるということだ。

k.t

ネトフリがウォルマートとタッグを組んだ

ネトフリといえばネットに動画配信サービスとして有名ですが、EC領域にも進出しています。ウォルマートは世界最大のスーパーマーケットブランドで、ECにも力を入れていますが、今回はネットフリックスと連携することでオリジナルコンテンツの関連製品などをECで販売しているようです。ネットフリックは会員登録数が減少傾向にあり、収益拡大に向けて次の策を積極的に打つフェーズにあるということでしょうか。最近でも、ネットフリックスがゲーム分野に進出することが明らかになっています。
s.a

Twitterがテストしている新しい広告フォーマットが少しうざいかも

Twitterが新しくリプライ欄に広告をテストしていることが明らかになりました。収益製品リーダーのBruceFalck氏によると、新しい広告のフォーマットはiOSとAndroidでテスト中で、1,3,8回目のリプライの後に広告が表示されるようになるようです。実際にテストに選ばれたわけではないのですが、リプライ欄に突然広告が挟まれると、会話が分断された気分になりそうで個人的には嫌ですね。
s.a

「イカゲーム」に便乗したプロモーション

今世界中で大人気になっているネットフリックスのドラマシリーズ「イカゲーム」に登場する小物を取り入れたプロモーションが話題になっています。「イカゲーム」は重い借金借金を背負った人々がデスゲームに参加するといった内容ですが、作中では彼らを招待するために印象的な記号が書かれた名刺のようなカードを配っています。それになぞらえ、アメリカの債務企業がそっくりなカードをニューヨークとマイアミ市内に配置しています。カードには、「借金から抜け出すために、もっと良い手段があります」と粋なメッセージとともに、ブランド名が記載されています。作品の文脈にうまく乗っかった事例と言えそうですね。
s.a

英国マーケターの半分が持続可能性のコミュニケーションに及び腰だった

英国公認マーケティング協会が行った調査によると、自社が持続可能性にまつわるコミュニケーションを公開した場合、グリーンウォッシングを告発されてしまうことを恐れていると回答した人の割合が49%にものぼったそうです。一方で消費者に対するアンケートでは6割が環境への影響に対するコミュニケーションを望んでおり、Z世代やミレニアル世代の6割が製品・サービスを選択する際の差別化要因として持続可能性を選ぶと回答しています。現状では、持続可能性に関するコミュニケーションを行う資格がない企業も多いのかもしれません。環境問題と経済発展はトレードオフの関係であるという認識が日本ではまだ根強いようにも感じられますが、今後は同じ悩みを抱えることになるかもしれません。
s.a