見出し画像

マーケティングニュースまとめ Vol.46:「TikTokが有料会員制のテスト」など

M&Mのリブランディングは、世界を救う?

クリエイティブエージェンシーのBBDO New York、デザインショップのJones Knowles Ritchie、広報会社のWeber Shandwickとのパートナーシップにより、M&Mのリブランディングが実行された。ポイントは、包括性。すなわちインクルーシブなデザインを取り入れたとのこと。例えば、女性のグリーンM&Mはヒールの高いブーツをやめてスニーカーにしたらしい。細かいところでは、自己表現への賛美を込めた「ニュアンスのある個性」を引き出す目的とした、特徴的なメイクアップが施されている。
この記事によれば、ピューリサーチセンターが最近行った先進国の分断に関する調査によると、米国の消費者は、社会が党派、人種、民族の違いで対立していると答える傾向が最も強いそう。同時に、マーケティングにおいて包括性のようなテーマを扱うことさえ、ブランドと政治を切り離して考えることを好む消費者にとっては、微妙な問題である可能性がある。
M&M2025年までに全世界で1,000万人の帰属意識を高めるというコミットメントを掲げ、この改革を後押しとしての今回のリブランディグを位置付けている。チョコレートで、世界の帰属意識を高めるとはなんともダイナミック。今後にも注目です。
t.k

「いいね!」を増やすための公式

ノースカロライナ州立大学の研究者グループは、フォロワー数の大小やキャプションは無視して、画像だけを調べ、いいねを多く集めやすい画像を研究しその方程式を発表した。(彼らはコンピュータープログラムを作成し、147,963枚のInstagram画像をスキャン。先行研究が示す高いユーザーエンゲージメントにつながる6種類の視覚的品質に基づいてスコアを生成し、交絡変数(フォロワー数など)を取り入れ分析をした。)
結果、適切なフィルターを適用すれば、任意の画像の「いいね!」数を約3%向上させることができることがわかったという。(細かなテクニックはぜひサイトをご覧あれ。)
t.k

TikTokが有料会員制のテスト

TikTokは、クリエイターが自分の動画に購読料を課すことができるようにする実験を行っているという。その仕組み、TikTokが手数料を取るかどうかなど、詳細はあまり明らかになっていない。(Twitterのスーパーフォロー機能に似ているのではないかと推測されている。)もしくは、TikTokでは、お気に入りのクリエイターにチップを渡せるような投げ銭形式になる可能性も示唆している。この記事では、有料化への道のりを、「コンテンツをサブスクリプションの後ろに閉じ込めることは、「Straight TikTok」と「Alt TikTok」を超えて、プラットフォームをさらに分割する可能性があるように思えます。」と述べている。ストレートなSNSであり続けるのか、代替としてのSNSであり続けるのか、今後の動きも注視したいです。
t.k

アメリカ議会がターゲティング広告を禁止する法案を発表

度々国内の巨大IT企業に対する圧力を示してきたアメリカ議会ですが、今回は更に重たい負担を要求しています。
この新しく提出された法案によると、ネット広告になどに見られるターゲティングを拠り所にしたビジネスモデルは個人データの収集と蓄積を前提としていると批判。この「悪質」な慣行により、フェイクニュース・差別・プライバシーの乱用など、様々な害を助長している「監視」広告のビジネスは壊れていると声明が出されました。なかなか辛辣な表現ですが、当局がオンラインプラットフォームの現状に不満を抱いていることはあきらかですね。
この法案が成立した場合、グーグルやフェイスブックの既存のビジネスにダメージがあるのは間違いないですが、(現状もそうなってきてますが)ターゲティング手法の切り替えで乗り越えていくことなりそうです。特にコンテンツベースでターゲティングする広告は許可が降りるとニュースには書いてあります。
s.a

マックのおなじみのメロディを使ったPR

マクドナルドのCMを見たことのある人なら「パラッパパッパー I'm lovin' it」というジングルをきいたことがあるのではないでしょうか。
実は、電話番号の数字を押したときに出る音で上記のメロディを再現できるらしく(日本でも同様なのかは不明です)、そうしたネタを再現したのがスウェーデンのマックによるPR施策です。オフラインでもそうした情報を匂わせつつ、見事再現した番号で電話を掛けることで特別なマックのカードを貰えます。カードにはマックで使えるポイント入りなのですが、使わずに取っておく人もいるかもしれませんね。
s.a

IBMが、AIで偏見を緩和できるかも?と発表

バイアスは広告に限らず常に潜んでいるものだと思いますが、IBMWatson Advertisingが行った調査によると、ブランドに広告における偏見を抑制するのにAIが貢献できる可能性を示唆しています。
この調査はコロナワクチンに対する抵抗感をへらすための広告をベースに実行され、そうした広告が特定の集団に可能性の濃淡をIBMのソフトウェアで判断できるかを確認しました。
このニュースの書き方を見ると、あくまで(人間が意図せず判断できないレベルでの)バイアスがありそうかどうかを判断するのみで、そのバイアスがシステムに浸透してしまった原因を特定することはまた別の問題として立ちはだかっているようです。
s.a