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リテリング ~アウトプットとインプットをつなぐ失敗経験作り~

リテリング(=Retelling)とは、「読んだり聴いたりして得た情報を要約し、自分の言葉で伝えなおす」という学習活動です。

キーワードや絵、図などを使って伝え合う(実際には生徒自身でキーワードや図の準備をさせます)

英語では、教科書本文の内容から読み取った情報を、ペアで伝え合うという活動になることが多く、
生徒ごとに担当箇所を変えれば、いわゆる「ジグソー法」の活動になるというものです。

この活動のメリットとしては、
1 重要な情報を自分の言葉に落とし込むことは、要約の練習になる
2 伝え合いを通して「話す」「聴く」練習になる

ということが挙げられますが、それらに加えて、

3 アウトプットするという目標が設定されることで、インプットに対する意欲が高まる

ということも重要な点としてあげたいです。

リテリングというアウトプット活動の前には、その準備として自分で考える時間が設定されますが、
その際に「重要な情報を見抜くプロセス」があり、
さらに「それを伝えるための表現方法を考えるプロセス」があります。
そこで語彙や文法、伝えるための絵や図をどうするかを考えます。
それらのプロセスの中で、アウトプットに必要な情報を生徒自ら整理したり身に付けたりするという学習が行われるわけです。

またリテリング中には、自分の言葉で伝えようとしたが、うまく伝えられないという「失敗経験」も生まれます。

その経験のおかげで、活動後の教師による振り返りのインプット活動が生徒にとって「必要不可欠なもの」となり、能動的にインプットを行おうとするようになります。

このようなプロセスを踏む際のインプット活動は「アクティブラーニング」すなわち能動的な学習そのものとなり、学習効果も高まります。

このように、リテリングは授業中に「アウトプットの能力を高める機会」を設置するだけでなく、その前後の「インプットの意味を高める機会」ともなるのです。


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