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染谷昌利著『ブログ飯』を読んで

この記事を書く時点で既に発刊11年を経過していますが、耐久的な価値のある本です。


本の情報


著者: 染谷昌利

タイトル: ブログ飯 個性を収入に変える生き方

発刊年: 2013年6月21日

著者について: 1975年生まれ、埼玉県出身。株式会社MASH代表取締役。大学卒業後、就職情報誌の営業、自動車関連企業の人事担当者、不動産関連企業の人事担当および営業担当を12年経験した後、2009年に非IT系出身ブロガーとして独立。ブログ「Xperia非公式マニュアル」が人気を博し、その後はコミュニティ(オンラインサロン)運営、書籍の執筆・プロデュース、企業や地方自治体のインターネットマーケティングアドバイザー、講演活動など、複数の業務に取り組むバラレルワーカーとして活躍している。

概要

妻子持ちの著者が脱サラしてから「ブログで飯が食える」ようになるまでの9年に及び試行錯誤の経験から、小手先のテクニックよりも、根幹にある「心構え」や「時代変化に対応した汎用的な考え方」が重要であることを様々な事例を挙げて解説。

キーポイント

本書の特異性はブログ関連本にありがちな入門書やハウツー本としてではなく、「変化を楽しむ」思考の軸にフォーカスしたエッセイやビジネス書としての要素が強い点だ。

何しろ、冒頭から内容を「鵜呑みにしない事」と明記され、図解の少ない文章のみのページが続くのだ。実名によるSNS運用を重んじる点や収益性との相性を切る観点も、デジタル移行期を通過した社会人ならではで、昨今のブログ関連本とは一線を画している。

著者の持ち味は、収益や時間を悉く実体験に投資していく泥臭いスタンス。見込み客を装い量販店の店員から現場の声を聞き出したり、個人経営の書店で状況に合った本を薦めてもらったりと、ネットで何でも済ましがちな現代人の逆張りをやっている。ここは自分と価値観が似ていて親近感が持てた。

ネタ探し、モチベーションの維持法、収益化、SNSなど、ブログ運用を取り巻く様々なトピックに、ビギナー、中級者、ベテランそれぞれに【ワーク】アドバイスが載せられている点も、本書の汎用性を高めている。

個人的な感想

人間の感受性がそれぞれ異なるなら、あらゆる体験の中に差別化と収益性の可能性が無尽蔵眠っているということを力強く示唆した意味で本書は普遍的な価値のある本。極論を言えば、日常レベルの些細な悩みや葛藤ですら極大化すれば"売れる"のだ。

巻末に寄せられた鬼嫁コラムも痛快で、「ブログ飯」はこの夫婦だからこそ成功したことがわかる。言われてみれば本書の段取りにも感じるが、著者が器用な人間ではなかったことは読者にある種の安心感を与えそう。

本書はブロガー初心者よりも中級者やベテラン、あるいはそれ以外の人間こそ楽しめる内容かもしれない。的が絞られていない分、汎用性が高くてコンテンツの充実した本だと思う。

関連リソース

染谷昌利公式ブログ
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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