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「ひとつの基準、たくさんの練習」で悩みが解消するかもしれない話。

先日読んだ絵本の中に、古代ギリシャの哲学者エピクテトスの言葉が書かれていました。

それでエピクテトスに興味が湧いたのですが、哲学書は難しそうなので分かりやすそうな本を図書館で借りてきて読んでみました。

エピクテトスの言行録『人生談義』を、心の師と仰いでいる文筆家のお二人が対話形式でわかりやすく解説してくれている本です。とても解りやすい!!
古代にエピクテトスが出した答えを現代の私たちの悩みにリンクさせると共に、その考え方も丁寧に説いてくれています。


以下ネタバレになっちゃいますが、読み得たことを私の忘備録として残したいと思います。古代人の答えなのに、なぜか今の私たちの悩みにも応用できちゃう。人の悩みって根本は同じなのかもしれないですね~~。



記事タイトルに書いたひとつの基準とは、
悩んでいることが、「私たちの力が及ぶこと」か否かの判断

エピクテトス先生は、
悩みが、権内/権外(意志内/意志外)にあることの区別が出来ないことから来ているとし、その悩みが自分がコントロールできることなのか?できないことなのか?を見極めた上で、権外(自分でどうにもできないこと)は切り捨ててよいと仰る、と書かれていました。

日常でその基準を何にでも当てはめてみよ!というエピクテトス先生。
確かに!
よく考えると、自分が何とかできる問題ではないことに私たちは意外と悩んでいます。明日の天気の心配にはじまり、想いを寄せるあの人の気持ち、親や子の心配、人間関係、未来の行く末。どう悩もうがどう考えようが、自分のことではない限りどうにかできるものでもないのに…。
アドラー心理学の「課題の分離」みたいですね。

そしてエピクテトス先生は、権内にあるものを「欲望/義務/承認」の3つに分類し、その中でも欲望を正しく使うことを訓練せよ!と悩める人々に説かれていた。ということなんです。
たくさんの練習しなさいと言われるのは、欲望をコントロールするのはとても難しいから。ハイ、たしかに(>_<)

でもまず、自分が悩んでいることを基準(権内か権外)に当てはめるだけでも悩みがひとつ減ることになるだろうし、私たちにできることは自分の心持ちを変えることだと知ることで、起こりもしないことを妄想して途方もなく心配や不安を抱くことはなくなりそうです。

私も先日要らぬおせっかいをしてしまい、悪いことをしたなと謝ったものの…そのことが頭からなかなか抜け出ないといった状態でした(-_-)
やらかした事はなかったことにはならないし、私が嫌われるのは仕方がない。その後音信不通なのが、私に対しての怒りからならまだいいけれど、逆に自分を責めたり傷ついていたりしていたら…と引っかかっていました。

でもエピクテトス先生の基準に当てはめると、悩んでいたことが権外であることだと分かりました。
そして権内である自分に出来ることは、その事から得た気づきを忘れないようにすること、もしまた同じようなシチュエーションが起きた時に自分をコントロールする(理性的である)ことですね。
これが難しいから同じことを繰り返しているのでしょうが…友達なくすか(^^;;


古代のエピクテトス先生の考え方が今の悩みにも応用できるとはいえ、最終的には著者のお二人が、現代の経済や情報社会、文化にマッチするようにエピクテトス先生の哲学をアップデートしてくれています。
私たちが見落としやすい権外の中にある権内にも気づかせるヒントもありました。思い込みや勘違いで決めつけてしまわないためにも重要!



『とにかく何かをみて、
基準にあてがってみて、
外は捨て去れ!』

「私たちの悩みはほとんどが権外、拘う必要はない」とエピクテトス先生の教えは、今何かに悩んでいる方にも人生を少し生きやすくする有効な練習になるかもしれません^^

絵本のなかにあった言葉に不思議と導かれて、エピクテトス先生の哲学(ほんの触りだけど)を知ることになったわけですが、私の心も軽くしてくれたようです。






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