見出し画像

【読書感想】鴨川ホルモー

今日は本の世界へ📖
絵本の合間に読む、気になった本の感想を書きます。



はじめに

鹿男あをによし』を読んで万城目学さんを知ってから早一か月。
新刊は図書館で予約したもののまだまだ順番がこないだろうと、先日行ったときにこちらの本を借りてきた。
本書で第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞したデビュー作品。

タイトルから舞台は京都だろう、ワクワク♪



今日の本

『鴨川ホルモー』

著者:万城目学
発行所 産業編集センター(2006年)


この本、要約すると・・・

要約にチャレンジしています。私の個人的な記録です(^^;)

この本は、




【平安の頃から秘密裏に受け継がれている四大学の競技の謎と第五百代青龍会メンバーの二年間】



感じたこと

いやぁ~おもしろかった!!
“はじめに”から私の心はしっかりと捕らえられた。
気になる「ホルモー」とは、どうやら競技のようなのだが…。ページをめくる手が逸る。

息子(次男)は今、京都に住んでいる。
高校卒業後1年間大阪の調理学校へ通い(コロナ禍でほとんどオンライン授業だったが)、寮を配する料亭にお世話になって4年目になる。
所在地名は知っているものの実際息子がどこに住んで働いているのか、今ならスマホで簡単に確認できる。
普通親ならそうするのだろうか。
何なら近くまで行ったりするのだろうか。

そんなことは今まで全くやろうともしなかった私だか、
この本を読むにあたっては傍にスマホを開き、マップアプリで本書に出てくる大学や神社、名所や彼らの住む町名や居酒屋の位置関係まで、都度調べてはなるほどウンウンと確認する。
(ついでにようやく、息子はここいら辺にいるのね、友達の娘ちゃんが行った大学はここにあったのかなどと知る。)

息子の所在より小説背景の方が勝った笑。
そして何度か訪れている京都の地理に今までの人生で一番詳しくなった笑


本書が出版されたのが2006年。
その後映画化もされたようで、あらすじや内容を見るのは避けてキャストの俳優(山田孝之、濱田岳、栗山千明など)さん達を確認したおかげで、そのお顔を脳裏に浮かべながらより明確に本書を読み進められた。

著者も京大法学部卒なので、地理的な背景も大学時代の経験などを書くのもお手のもの?
もしかして青龍会のメンバーだったりして!なんて事も思いながら楽しんだ。


ホルモーの謎。
主人公・安倍と友人・高村の、
二人それぞれのマイペースさ変態さ繊細さ優しさ。
安倍の心のつぶやきが毎度笑いをとってくれる^^

吉田神社での代替りの儀の面白さ、おバカさ。
程度こそあれ誰でも青春の1ページはあると思うので、この場面はきっとその頃を懐古するだろう。

恋絡み?私情、エゴによって発動した「第十七条」、
栓を抜いてしまった安倍。

ホルモォォォーーー!!
この言葉のほんとうの意味。本当の意味でのこと。

ここから更に見えない世界へと読者を誘い、
感動のスポ根モノや青春劇とは違う、
謎と笑いとあたたかさが混ざり合い、根底にはファンタジーともいえない不思議な読後感となる。

そういう不思議さとあたたかさがあるのが私はスキだ。
やはり楽しかった。

万城目ワールドはこのデビュー作より強靭になっていくのだろうが、本書ですでにその才能は明らか。

今年の春、6年目にして直木賞を取った作品、
その後に続く新刊でまたその世界観を楽しみたい。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?