意味もなく、ただ眠れない夜。
今宵もやってきてしまった。
意味もなく、ただ眠れない夜が。
明日は朝早いのに。
休みはもう終わったのに。
たった一杯のコーヒーを飲んでしまったが最後、
私に眠るという選択肢は無くなる。
眠くないわけではない。
ただ寝ようとするには足りないのだ。
重さが。
意味もなく、パソコンの前に座り、開いて閉じてを繰り返す。
意味もなく、ペンを握って、下手くそな絵を描く。
意味もなく、本を開いては、目次だけを見て本棚にしまう。
電気をつけて、消して、またつけて。
いくつもの夜を集めて、
命を前借りして、
今宵安らかな眠りを誘え。
たかだか数時間後の私よ。
眠れ。
海に浮かぶあの月のように。
雲を漂うクラゲのように。
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