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さぁデナリに行こう!アラスカ日記 〜第3話〜

髪の毛を生け贄に自信を取り戻した僕。
腕毛ボーボーを見て勇気をもらった僕。

旅の目的地にして、唯一の目的、デナリ国立公園へ!

なんしか、ゆる〜いバスに揺られてドンドコドンドコ走る走る。
実はバス旅が好きで景色見て、寝てってのが至福の時だと思っています。スキーバスとか平気な人です。

星野道夫さんも見た景色、走った道路の上に僕もいるんだと思ったらたまらんかった記憶があります。

デナリ国立公園、マッキンリー山という名前がマウントデナリと変更されたのは最近です。マッキンリーというのはアメリカの大統領候補が自分の権威を示すために北米最高峰につけた自分の名前が由来となっています。
ようやくネイティブの言葉で「偉大なもの!」と言う意味のDenaliとなりました。

早朝に出て、昼ごろに着いて、ビジターセンターに着いて情報収集!

僕の持つ情報のMAXは地球の歩き方のみ!

英語のパンフレットを読んでみて驚愕の事実を知る。

国立公園内で年間にビジターが滞在できるのは積算で14日間。
てことは、それ以降は強制退却!?

っちゃ日程余るやん!とデナリ国立公園内で過ごすことしか考えてなかった僕は旅の後半の過ごし方を計画せねばならぬ事態に気付いたのです。
何はともあれ、憧れのデナリ国立公園に到着した僕は目的地のワンダーレイクキャンプ場を目指すのでした。
初日はのんびりエントランス付近のキャンプ場に泊まって、ぼちぼち奥に行くぞ!と思っていた。

絵葉書たくさん!


なんと!!
30分後のバスにいきなりの空きが!!!


このバス好きでした

こりゃ行くっきゃない!即断即決!
バスからバスへの乗り継ぎでワクワク!

デナリ国立公園(デナリこくりつこうえん、Denali National Park and Preserve)は、アラスカ州内陸部に位置し、北米最高峰のデナリ(マッキンリー山)を含む米国の国立公園である。国立公園の面積は、24,585 km²(9,492 平方マイル)である。
Wikipedia

なんしか四国と同じ面積で通っている道路は1本のみ、ゲートからワンダーレイクキャンプ場まで約5時間。その間、色々なキャンプ場やら見所があってガイドツアーが楽しめる。

1番の印象的なことはレンジャーに「トナカイとカリブーの違いはなんですか?」と質問して答えてもらったこと。
英語で質問して、英語で返ってきた答えを理解できたこと。ドメスティックなカリブーがレインディアでワイルドなレインディアがカリブーなんだとか。
家畜がトナカイで野生がカリブーってこと。

すっごくスッキリしたし、コミュニケーションできるやん!って自信がついて益々たのしめるようになっていった。

今回のワンダーレイクキャンプ場への天候は雨。
雨といっても霧雨みたいな感じで、全部が潤ってる感じ。
途中、止まり止まりガイドさんのお話を聞きながら休憩しながらデナリ国立公園を満喫する。
見えてる範囲だけでもデカい!
四国とほぼ同じ面積に一本通る道、そこをズンドコ進んで行くんだけど、あの丘の向こうには何があるんだろう。あれがアラスカレンジか?ブルックスレンジか?どこだここは?と広すぎる大地に地球を感じました。

地図

とにかくデカい!!!


何にもないし過酷な環境、夏とはいえ寒いし、目の前にある何千年も変わらぬ風景、いわゆるツンドラの大地は少し歩くだけでも畏怖を感じるところでした。
「バスの見える範囲にいてねー」ってことでした。
平地の方が迷うと思う。
こんなとこにほっぽり出されたらヤバいなと思えるぐらい広い大地で驚きの連続でした。

印象的な風景がありました。
「ドランカーズフォレスト」
→酔っぱらいの森

針葉樹林帯、タイガ。教科書で習った極北の森。当然、見るのは初めてでトウヒという木が林立し林床には地衣類が生えて、魔女の住む森みたいで日本の森とは違って見えた。
その中で、ドランカーズフォレストという森があり、何が酔っぱらいなのかというと、木の生えてる向きが点でバラバラで鍋にパスタをボンっと掘り込んだみたいにぐちゃぐちゃに生えてました。
これは永久凍土とはいえ夏は溶ける。緩くなった地面から生えた木が風に揺られてアッチに傾く、大水が出て流されそうになった木がこっちに傾く。あっちこっちに傾いてるけど元気な森。

なんか可愛くて好きでした。

ドランカーズフォレスト
永久凍土が溶けて傾く

憧れのワンダーレイクキャンプ場

ボンネットバスに乗ってひた走ること5時間。
朝の7時ぐらいにアンカレッジを出て、昼過ぎにデナリの入り口に着き、またバスに乗って5時間。
時間は19時すぎ。
ようやくマウントデナリの麓(マッキンリー山)のワンダーレイクキャンプ場に到着。

ずいぶん奥地に来たような感じだけど、国立公園の最奥部ってだけで実はアラスカ州のごく一部の小さなキャンプ場。
まだ白夜の名残があり22時過ぎまで明るい。
到着して、テントはって、飯作って、散策。
ワンダーレイクという湖があるんだけど薄暗くてあんまり全容がわからんかった。
でもとりあえず裸になって入水し清めた。
冷たい、寒い、深い、怖い!
でも気色ええ!



若さですね。若干21歳の若者がアラスカの夜空の下で裸で走り回る。
やることなきゃ脱ぐ。
脱いだらなんとかなる。
笑いながら寒い寒いって暴れ回ってキャーキャー楽しむ。。。よく考えたら今もまだ似たようなことしてるぞ。


ま、ええか。

マッキンリーの山頂、夜空の星は暑い雲に覆われて姿は見せない。
キャンプサイトにあったダイニングセットみたいなのに座ってどこまでも続く真っ暗な大地にひたすら目を凝らすも何も見えない。
ただ虫の音やら風の音やら寒さに首をすくめてビールを飲んで、ようやくここまで来たんだ。と感慨深げに深呼吸をする。
俺、むっちゃかっこいいやん!)と心の中で叫ぶ小さな自分を隠しながらアラスカの大地でテントを張っていくのであった。

翌日ワンダーレイクキャンプ場を出発したの朝の8時。
ここで数日過ごしたいのだが、なかなか2連泊とかは難しい。
キャンセルの隙間を縫って行くのがなんとか入り込める貴重なキャンプ場。それゆえバスの座席確保も難しい。
ただテントを張りにいったみたいな今回でしたが、アラスカジリス、マウンテンゴート、ビーバー、遠くにブラックベア、グリズリー、ハクトウワシ、むっちゃデカい鷹、カリブー、ムースなど代表する動物たちに出会ってご満悦。

また再チャレンジしよう!とバスに乗ってエントランスに戻ることにした。

昨日通った道をまた戻るんだけど、昨日よりも今日の方が秋に近づいている。
季節が進んでいる。色や匂いからも夏が遠ざかっていくそんな感じが気持ちよかった。



閑話休題(日本から出発前のトレーニングキャンプ)

裏六甲の峰山峡
アマゴが釣れるし泳げる飛び込めるポイントあり

アラスカを目指す前に、一人でキャンプしたことなかったのでトレーニングをしました。
①布団の代わりに寝袋で寝る。
②自分の部屋でテント張って寝る。
③ベランダで寝る。
六甲山の山奥で寝る。

➡︎この六甲山キャンプがやばかった!

裏六甲の有馬口の奥、峰山峡という好きなポイントでテント張って寝たんですけど、ギター弾いて、酒飲んでベロンベロンで酔い潰れるという作戦を決行いたしました。
だって怖かったんだもん。ずっと暗闇の向こうにイノシシの気配がしてるし、
まともなライト(豆電球)もないし、テントもボロボロ、酒とタバコとギターだけ。

必要な装備を確認するためのキャンプ。

だからテントの防水は完全に滅びていました。


星空を見ながらギター弾いて、気持ちよかったのに、夜中の3時ごろに雨。

テントのフライを通り越し、インナーテントの生地からミストの如く、テントの中は霧雨状態。当然、目が覚めた。
それでも寝ようと寝袋に潜り込んだけど、

「あかん!寝袋も濡れるし撤収!」と時計を見ると朝の4時ごろ。
意を決してテントのチャックを開けると・・・



目の前におっさん!!!!!!!!

さっきまでギター弾いて座っていた切り株、ちょうどいい腰掛けぐあいで酒も飲んでた切り株、距離にして3mのところにおっさん!!!!!

おっっっっっっっっさぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!

めっちゃビビった!怖かった!パニック!!!!

とりあえず、、、

僕「おはようございます。」

と声をかけました。

おっさん「・・・・・・・・」

無言。。。。。

(なんなん、めっちゃ怖いねんけど・・・泣)

記憶は曖昧ですが、再びテントに潜り込み、気分を落ち着けてからもう一度外に出るとおっさんはいなかった。

僕「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!」
僕「あかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかん!」


もう怖くて怖くて鬼撤収!濡れたテント、なんもかも車にぶち込んで撤収!
光の速さ未満で撤収!

とりあえず、幽霊ではない!足あったし、朝の散歩って感じやったし、僕のあいさつも聞こえてる感じやったし、人間!人間!絶対に人間!!!

ほぼトラウマです。

アラスカの話に戻りますが、、、
アンカレッジでのホームシック、ワンダーレイクの初テント、実は怖くて眠れませんでした。
野生動物の国立公園の奥地でテントで寝る。
もう目ん玉ギンギン!!
リスクマネジメント的にはあかんのやろうけど、アイマスクと耳栓を引っ張り出して寝ました。(グリズリーに襲われたらどうすんねん)

実は今でもお守り的に寝袋の中にはアイマスクと耳栓が入っています。
子どものキャンプとかのときはしないですけど、あることで安心します。

六甲山のおっさん、、、僕にとっての初めの一歩を蹂躙したおっさん

結局、人間が一番怖い。


デナリ国立公園の満喫編につづく



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