デイサービスで働く「スナックのママ」(正体はカフェの店長)
デイサービスmoiで昼食を作りはじめて、20日くらいが経過しました。
毎日お伺いしているわけではではないのですが、ご利用者様の顔やお名前も徐々に覚え、個性も少し見えてきました。
八百屋のマサオさん
池袋で八百屋をしていたマサオさんはとても外交的な性格で、ほかのご利用者に声をかけては場を盛り上げてくれます。
長年サービス業に携わっていたせいでしょうか、話のきっかけを作るのがとても上手なんです。
30年も自炊を続けてきたそうで、最初から調理の手際の良い方でした。(お料理ができるご利用者には、簡単な調理を手伝って頂いてます)
以前マサオさんが張り切って、自慢のポテトサラダを作ってくれたのですが、これが大失敗のベチャベチャに。
調理の環境が違った上に、途中でお風呂タイムがあったりで、すっかり段取り悪くなっちゃったようです。
その日はなんとなく、背中を丸めて帰って行かれました(T_T)
ポテトサラダにゆで卵
そしたらなんと!
昨日、自作のポテトサラダを持っててきてくれました。
青いお皿の右下、人参やハムが見えるのがそれです。ポテトサラダの左にある白菜の漬物も、マサオさん作。
白菜は塩を強めに振ったそうで「塩抜きをして欲しい」と言われて対応しました。
お漬物はやはり、お年寄りの方が上手ですね。
ポテトサラダを味見をしたら「おいしい!」と声が出ちゃうほど美味でしたが、珍しいのは、ゆで卵を混ぜずに添えるスタイル。これが「マサオ流」なんです。
わたしはゆで卵が大好きで、コンビニでもたまに買っちゃうほど。
ポテサラにゆで卵を入れるのも好きですが、刻んで混ぜるほうが好みです。
わたしは混ぜる派、オレは添える派。
長く生きてきて、偶然その場に集合したひとたちが、そんな他愛のない話をしながら穏やかに過ごす様子を、BGMの様に聞きながら皆さんのお昼ごはんを作る。もうウットリするほど楽しい。
そしていよいよお料理が仕上がってくると、施設内に香りがたちこめ、それに気づいた皆さんが「美味しそう」「お昼はまだ?」と言い始める。
これが何よりのご褒美となっています。
マサオさんのプレゼント
民謡をやっていたマサオさんは、わたしをスナックのママだと思っていて(こじまま=ママ?)「お店にカラオケはあるのかい?」と聞かれたことがあります(笑)
残念ながらカラオケは無くて…と答えると、民謡をやっていた頃の写真をみせてくれました。
なるほど、お店でマイクを使って歌いたかったんでしょうね。
さて、今日もお昼ごはんを作り終え、大満足で帰る準備をしていると、マサオさんがプレゼントを持ってきてくれました。
民謡の関係?で踊りも習っていた時、お稽古でもらったという手ぬぐいをくださったのです。
年季の入った袋でしたが、きちんと大切にとっておかれたようで、とてもキレイ。
マサオさん「お店で使って」
!!! いやそれはっっ(汗)
周りのスタッフさんたちが気を遣って
「キレイな柄だから、みんなでバッグに仕立てたらどうかしら」(お裁縫が得意なご利用者も多い)と言ってくださり、ひとしきりそれで盛り上がったのですが
「バッグにしたらもったいない」
と、マサオさんがピシャリ。
あらあら、わたしに使ってもらいたいのねー(笑)
ということでいただいてきました。
和柄なのでさすがにお店には使えませんが、色合いなどとても好みなので、いつか良いタイミングで使おうと思い、大切に持っておきます。
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