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宿題だけが家庭学習じゃない!

 

 2021年01月26日から
小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて123回目になりました。
 また、2021年03月15日から
毎週連続投稿を始めて120回目です。

 行政委託の学習支援事業に来ている生徒は、
経済的に恵まれておらず、学習塾などに通えずにいて
学習習得上の問題点を解決できない場合が一応の基準であるようです。
 ただ現実には、経済的問題を抱えていない生徒が多く含まれていますが
私達の立場からは「学習習得上の問題点を抱える」生徒として扱います。

 ところで、こうした生徒たちに家庭学習時間を聞くと、
30分から2時間程度が圧倒的で、
その内容は「宿題」となっています。
 では、それ以外の時間、どんなことをしているかというと
圧倒的に「ゲームやYOU-TUBE」に集中しています。
 確かに、結果がはっきりしていない学習より
結果が瞬時にわかるゲームや画面を見るだけなのは楽でしょうが、
あまり、生産的ではありませんね。
 しかも、大半の生徒は「学習は学校でするもの」なので
「家庭では、最低必要な宿題をする」と思っています。

 しかし、こういう学習方法をとっていると、平均的な知識しか得られず
その内容を忘れやすくなるので、試験勉強が必要になってしまいます。

 では、家庭学習で学習効果をあげるためにどうしたらいいんでしょうか?
学校外の学習でしてほしいのは次の三点です。
 ①今何がわからないかをはっきりさせる
 ②授業の整理をする。
 ③宿題や試験の解き直しで、自分が理解できているかを確認する。

ということで、

①まず、予習をしましょう。翌日にある科目の教科書を見ましょう。
そうすると、聞いたことのない単語とか言葉があるはずです。
それは、「今わからない」ことです。
教科書の「わからない」部分にアンダーラインを引いておきましょう。

②次に学校の学習時間内では、先生の話をよく聞きましょう。
解説がゆっくりだったり、何度も同じことを言うのは重要点です。
必ずメモしましょう。
また前日「わからなかった」ところの解説も、しっかりメモしましょう。
メモは、教科書に書き込みます。
帰宅後に、メモをノートに転記しましょう。
そのために、一ページの右側1/4は開けておきます。
また、重要な点は、蛍光マーカーで着色しておきましょう。
キーワードは赤色で書いておくと赤色下敷きで隠しながら復習ができます。

出来上がったノートを毎週末に読み返すと、記憶が呼び起こされます。
短期記憶から長期記憶へと転換され、知識の幅が広がります。
学内試験勉強は、もう一度ノートを読み直し、
友達に説明できるか確認することから始まります。

ワークブックや問題集を解いても、同じ問題は出ません。
なので、公式を覚えるより
「なぜそうなるのか」「どうしてそういう答えに至るのか」を知る方が、
はるかに応用が効きます。

③最後に、宿題やテストの解き直しをして、
学習内容を理解しているかを確認しましょう。

 人間は、物を忘れながら生きているので、
大切なことは何度も何度も繰り返す必要があります。
そして、学習は繰り返すことで、定着します。

 いつでも必要なのは
「自分が今何を知らないか」と「今何をすべきなのか」です。
中学までの学習は、
これから先、一生続く「知識への探求」の下敷きになるので、
ここで気を抜くと、あとで辛い目に合うのは自分自身です。
どうするかは自分で考えましょう。全てが自己責任です。
 少しづつでも「自己責任でどうにでもなる」ことを自覚したいですね。

保護者の皆さんや 子どもたちの学習に関与している方々へ 


 学習の方法で、学習内容の記憶は格段に変化します。
それには、予習⇒学校学習⇒復習を、しっかり行うことです。
そして、教科書とノートとワークブックの使い方を工夫することです。
 一番生徒に近い存在で、関係性が成立している皆さんは、
生徒の嗜好や、どんなことに興味を持ちやすいかとか、
具体的な手段を見つけやすい立場にいます。

良い相談相手として、また善き話し相手として
身近にいてくださることを願っております。


12.JULY.2023.ARAI