学校の勉強なんて できなくたって生きていけるのか?
学習支援を通じて得た知見を基に色々書き始めて六週目になりました。
さて 今日は「学校の勉強なんて できなくたって生きていけるのか?」という問題について。
江戸時代 子どもは親の職業を継ぐことが一番だと考えられていました。
そこで おおよそ9歳くらいから寺子屋という場所で「読み書きそろばん」を中心に 読み方・習字・算数を習い 更に地理や人名とか書類の書き方などを教わり その後 親の職業を継ぐか 丁稚や女中奉公に行って 親とは異なる職業の見習いになるというのが 江戸庶民の生活でした。
今の学校教育で言えば 国語と算数と社会の知識さえあれば 何とか生きてゆけたようです。
しかし最近の世の中では これだけでは生きてゆくための知識が足りません。そこで理科が増え 音楽や美術といった教養をつけ 更に体を鍛えて健康に生きてゆくための保健体育や技術家庭が組み込まれ 最近は英語が加わっています。
江戸時代から比べると 確かに学習範囲が広がっています。でもこれは 人生を生き抜くための知識だけではなく 歴史の中で組み上げられた「文化」を学ぶことで 一人一人の将来の可能性を広げてほしいからなんです。
つまり 皆さんが素敵な大人になってほしいという願いを込めた 先人からの贈り物なんです。
「勝手なこと言わないで!ほっといたって いつかは何とかなる!」と思うかもしれません。でもその「いつか」になった時に 慌てて「知識」を得ようとしても遅いのです。
学習し「知識」を自分のものにするには いきなりは無理です。そのため同じようなことを繰り返しながら 少しずつ複雑な内容を学んでゆく時間が必要です。なので義務教育という期間が設けられており 安心して基礎学習ができるようにしています。
皆さんが 小学校と中学校で学習している内容は 自分自身の基礎作りなんです。そして「知識」を得る「学習」は生涯にわたってずっと続きます。
今皆さんに必要なのは 「学習をしない」ことではなく「何がわからないのか?」をはっきりさせることです。
そう 「学習」するというのは「わからかったことが わかるようになってゆく」ことなんです。だれだって 初めて習う内容が 最初から全部わかりません。安心してください。わからないことは先生や身近にいる人に聞き しっかり納得してください。そうしてくれる事が大人達からの願いです。
ところで 学校での「学習」には 直接実社会で役に立つものと そうではなさそうなものがありますが では「実学」と言われる前者だけ学習すればいいのか?と言う問題があります。
これは結果論ですが 圧倒的に「役に立たない…かもしれない学習」のほうが面白いです。だって 実社会で役に立つ「学習」で得られる知識は とても狭い領域に限定されているけれど そうではない方って 「知識」の幅に拡がりがあるので 応用範囲が広くて楽しめます。
どうか色々な「知識」を手に入れ 実りの多い人生を過ごしてください。
18 APR.2021.ARAI