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文字が書けない中学生!!

 2021年01月26日から
小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて129回目になりました。
 また、2021年03月15日から
毎週連続投稿を始めて126回目です。

 今日は、先日担当した生徒の話。
中学一年で、小学校の時から学習会に来ている生徒です。
「今日も暑いね。
それにしても、毎回きちんと通ってくるのは、えらいなぁ」
「うん。お母さんが送ってくれるから」
「そうかぁ。で、今日は何を持ってきた?」
「えっとねぇ、国語と数学のワークブック」
「へ~。二つの科目が一つになってるんだね。夏休みの宿題?」
「そう。両方とも半分くらい、終わってるよ」
「えらいじゃん。じゃあ残りをやろうか」
「うん。あれっ!筆記用具がない!!」
「じゃあ、運営のお姉さんのところに行って、借りて来ようね」
「は~い」

 ということで、国語から学習開始。
自分で問題を読み、解答を探し、答えるまで待ち、
ある程度の塊ができたら見せてもらうようにしています。

 国語は漢字の書き取りでしたが、ありゃりゃ!形が!!
自分なりに解釈したようで、ともかく読めない。

 そこで、
「ねぇ、書き取りやってたけど、なんで文字ってあるの?」
「答えなんかを書くためでしょ」
「そうだね。じゃあ、答えはだれが読むの?」
「先生とか」
「そう。文字は自分以外の他の人に何かを伝えるためにあるんだ」
「うん」
「最初の文字は、昔、占いの結果を伝えるために発達したんだ」
「へ~」
「だから、全くの他人でも読めるように書くことが大切。
そのために、書き取りの最初は、
縦横に薄い線のある四角の中に書くようになってるでしょ」
「うん。でもこれって、なんなの?」
「日本の文字は、その四角の中に収まるようにできている。
なので、見本の文字をよく見て書いてごらん」

 ということで、
ちょっと面倒くさがってたけど全部消して書き直し。
それでも、バランスがおかしいので、読みにくい。
たぶん、これまでの学習では指摘されなかったのかもしれない。
しかし、どこかできちんと読める文字を体得してほしい。
文字で自己表現するのは、その先。

 次に、数学に取り組みました。
と言ってもこの時期は、四則演算の復習なので、
問題自体は、そんなに難易度は高くありません。
 しかし、ここでも数字が書けない!

「学校で、日本語と英語と一緒に数学を習ってるよね?」
「うん。数学好き」
「この三つって、文字を使うんだけど、数学で使う文字だけは
ほとんど世界的に共通しているんだよ」
「え”っ?」
「国によって、読み方は違うけど、1は1」
「お”ぉ!!」
「だから、数字もしっかり書けるようになろう。
日本では、日本工業規格に数字の書き方が出ているんだ」
「へぇ~」
 ということで、こちらも書き直し。
ついでに、途中式の大切さも話しました。

 ついつい解答そのものに目がゆきそうですが、
文字の目的と大切さにも、気をつけたいと思う一日でした。

保護者の皆さんや 子どもたちの学習に関与している方々へ 


 一番生徒に近い存在で、関係性が成立しているはずの皆さんは、
生徒の嗜好や、どんなことに興味を持ちやすいかとか、
具体的な手段を見つけやすい立場にいます。

良い相談相手として、また善き話し相手として
身近にいてくださることを願っております。


24.AUG.2023.ARAI