私たちは植物のように愛し合った。

このタイトルで新作の戯曲を書きます。
上演は未定。
タイミングが合えば戯曲賞に送ろうかな。
ここで、メモ書きで、小説みたいなメモ書きをしていこうと思います。
まずは、文章で。
なんかいいロケーションがあれば、メモ写真みたいなこともしたいな。 
ひとまず、戯曲にするまで、ちょいちょい書いてみます。

私たちは植物のように愛し合った。

真っ直ぐの道の先は、二股で、真ん中から割れて二つの道になってて、一つの道は寂れた商店がぽつぽつしてる。まるでお客さんを待っている気配がないので気高く寂れている。
もう一つの道は、右手にありがちなスーパーがあり、賑わっているわけではないが、必要なんだ、という風体をしている。ああ、味の素みたいだなその風体なんて感じてる。たぶん最近、にわかに誰かのために料理なんてものをするからだろう。
まあ、食えればいいような、料理が得意な人から見ればエサ、野良猫のエサみたいなもんに見えてるくらいのもんだ。小さい頃は、家のそばに野良猫がいて、食べかけの、食べずらい魚の骨、散らかった身少々を路地に放って猫にあげるんだ、なんてよい行いをしているふりをして、お母さんの顔を伺っていたな、斜めか、ばってんみたいな笑顔だったな。
あの男も、斜めかばってんみたいな顔してるな。
数日前に二股の寂れた商店側の端っこのずっと前に潰れてた居酒屋を借りた。
カウンターと、テーブル席が一つの小さな居酒屋、居酒屋だった場所。
もうずっと前なのに、独特の、死臭みたいな、油の匂いがするとこ。唐揚げつまみに呑んでたのね、ビールだね、時間たつと、唐揚げの油とホップは死臭みたいな匂いになるのか、という発見。
あんまり好きな匂いじゃないから、私たちは唐揚げとビールはメニューにしないって決めて、20分性交した。体臭で塗り潰すつもりだったけど、けっこう無臭で塗り潰されて、夕食は焼肉にしようってなって、もくもく焼いた。
換気扇からも古い油の匂いがしたから、塗り潰すつもりだったけど、古いものはやっかいでしつこかった。
あの男と私は、ここをこんにゃく居酒屋にしようと笑った。
こんにゃくを洗う前の独特な匂いは、たまって死んで吹き出しっぱなしで拭くのが面倒になった精液の匂いだと思うらしい。
そんな匂いは知らないし興味がない。
でもあの男が笑うから、私も笑ってみたら、それはとても楽しくて、笑いがとまらなくなって、なんで笑ってんのって言われて冷めた。
あの男のダサいポロシャツの襟が片方内側に入ってて、平衡感覚が乱れてた。
でもほっといたんだよなぁ。

朝から二人で、掃除しようね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?