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散文『寝起きの空と共に』

【#ほぼ1ヶ月強化お題】
2018年8月2日
1週目【幼馴染】×木曜日【サンダル、アスファルト、氷】

夏のアスファルトに落ちた氷が溶けるようにその日の夜はすぐに明けてしまった。隣に君が眠っているのは生まれた時から変わらない。けれど、あの頃とは違い、僕の方が先に目を覚ます。君の長い髪にそっと手を伸ばすと君は少しだけ微笑んだように感じた。
シャツを羽織り、並んだサンダルの片方を履きベランダに出る。太陽が昇って来ている。蝉の鳴き声は最近はこの時間しか聞かなくなっていた。
部屋の中には油断しきった君が眠る。きっと君はお腹を空かせて起きてくるだろう。今何を食べたいと思っているのだろう。ご飯を作って
おこう。そして、一緒に食べる。それを考えただけで、あったかいものに包まれた。僕はそれほど君を愛おしいと感じている。

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