見出し画像

散文 コーラの海に溺れる

机の上に乱立するペットボトルにコップに皿は、都市のビル街だ。
その間を私は闊歩する。
右手には、誰かが残した凹んだ壁。
真っ直ぐ行けば甘い砂場がある。
ノートのリングに沿ってマンションは建ち並び、ペットボトルのトンネルを通って真上を見上げると水を通して光が屈折する美しい世界が見える。
影を歩けば、寒くて暗くて落ち着く。
ガラスのコップを背に揺蕩う空気を感じている。
リモコンを登るとボタンのエレベーターを下がることが出来た。
この世界は広い。
この机は広い。
いくらでも遊んでいられる場所であった。

真っ直ぐ歩き続かない。絶対にどこかで曲がるそしてまた曲がる。そうでなくてはならない。ストーンと落ちて現実に戻りたくない。私の居場所は机の上。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?