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散文 闇に溶けきれなかった
私は夜中の公園にいた。彼氏のことを待っている。
風はまだ寒く、空気は澄んでいた。
真っ暗な空間の中、私は1人。ド真ん中に立つ。
風が木を揺らす。
ブランコに座ると私すら揺らす。
私は誰に大事にされたのだろう。
誰を大切に思っていたのだろう。
私は何故こんなところにいるのだろう。
世界は回っているのに、この場所には1人。
街頭の照らす外側は、闇が深くて、私も包こもうとしている。そんな気がする。
怖くなった瞬間、私の名前が響く。
ぬらっと立つのは、彼氏だと思う。
こんな顔じゃなかったはず。
誰でもない。
私の彼氏は私の彼氏じゃない。
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