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散文 街は鯨の目の中に

街の音が響く。信号の音が聞こえてきそうな程に、僕の部屋は無味であった。赤から青に変わって、また赤になる。
もうすぐ4時になる。雑念しか存在しない脳裏には、指の先までの意識はない。
信号に従う人が今もどこかにいる。
僕は部屋のベッドの隅で何かを見ているつもり。友はもう眠ったのだろうか。明日の夕方、今起きたと口を揃えて呟くのだろう。
夜はいい。何もしなくても責められない。
だから、いいと思う僕は、何故、何もしないと責められると思っているのだろう。
明日になれば、
これもなくなるかな。

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