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なぜ生徒はあなたの授業を聞かないのか。

自分が学生の時、好きだった先生の授業や好きな科目の時は50分の授業があっという間に過ぎ去っていく感覚を覚えた。

逆に、苦手な授業のときは時間を長く感じた(または、寝てたので逆にあっという間に終わってた笑)。

起きていたとしても、興味のない授業をずっと聞いているのは苦痛でしかなかったし、真面目に授業を受けている同級生を本当にすごいと思ってた笑


数年後、自分が教える立場になって分かったことがたくさんあるが、
その一つが『先生が感じる時間感覚と生徒のそれは全く違う』ということだ。
先生になると50分は15分くらいに感じる。
でもそれを生徒は2時間に感じているかもしれない。

今回は、そういった現象が起きる2つの理由、
また、どうすれば生徒に集中して聞いてもらえるようになるか、そのコツを紹介させてください。


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なぜ生徒はあなたの授業を聞かないのか

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1.構造的な問題

例.
・推薦合格が決まっている生徒は基本的に授業を聞かなくなる。
・受験に必要のない科目は聞かない。
・塾で習ってる生徒が内職してる(別のことをやっている)ので授業を聞かない
・(学校にもよるが)そもそも進学意思が低く、生徒が授業を聞く気がない。

などがある。

塾ではこういったことはあまりないが、学校教員からはこう言った話をよく聞く。そして、学校の先生が塾を嫌いになる……😭

これらは今の学習指導要領、進学システムなど、教室や学校といった単位の外側で決められていることなので、変えることができない。

つまり、学校では生徒が授業を聞かないのは構造上の理由が少なからず存在するということだ。

(学校の先生で「なんで授業聞いてくれないんだろう。つまらないのかな……」と思っている方は、落ち込まないでください。あなたのせいじゃないかもしれません。構造上の問題は末端の個人ではどうしようもないので、気に病みすぎないでくださいね。)

だからといって、全てを諦める必要はない。
変えられない部分は置いといて、変えられる部分を改善していくしかない。


2.授業力の問題

例.
・伝え方が適切でない
・緊張感が足りない
・生徒の作業量が少ない
・生徒から見た景色が同じで飽きる

など、先生側の技術力の問題である。

変えられるのはここしかない。
そして、ここはテクニックの問題であり、だれでも上達することはできる。

そして、勘違いしないでいただきたい。

「生徒がつまらなさそう」=「自分の授業内容がつまらない」

ではなく、

「生徒がつまらなさそう」=「授業が単調で飽きている」

であることが大半だ。

これは
・生徒に発問する機会を増やす
・机間巡視を増やす
・生徒が頭や手を動かす時間を増やす

といった、「コンテンツ」以外の部分で解決することが多い。

ここを考える前に「生徒が興味を引く内容をもっと見つけないと」というように
内容面ばかりを気にしてしまう先生が多い。
食いつきやすい内容を教えたい単元で見つけられれば良いが、見つけるまでの労力が大きい事と、その話はその授業の一幕でしか効果を発揮しない。

費用対効果を考えると,結局先生側の負担が増えていくばかりで、とても正しい授業の作り方とは言えない。

大切なのは、「中身」よりも「中身を伝える力」を磨くことだ。

例えば、私は中学生に苦手ランキングトップクラスの『理科』という科目を指導してきたが、理科の専門では全くない。(高校の理科の内容も結構怪しい)
それでも、多くの生徒に「おもしろく、わかりやすい」授業を提供できたと自負しているし、わかる・できるようにさせてきた。生徒から「苦手だった理科を好きになりました!」という手紙をもらったことも少なくない。

(その経験談については過去記事をどうぞ)

生徒から支持を得ることができたのは、間違いなく「どうしたら自分の思っていることが伝わるか」を考えて実行してきたからだ。

つまり
✔️ 「わかりやすさ」とは「伝え方」である
✔️ 生徒に単調作業をさせてしまうと飽きる
✔️ 適度に緊張感を生むために、当てる・テストする機会を増やす
✔️ 生徒から見た景色が同じにならないように机間巡視などの工夫をする

などで解決できる問題は多い。

それでも聞かない生徒もいる

先生方には是非、伝え方の観点から自身の授業を再度見つめ直してほしい。
ただ、実際には「1.構造上の理由」で述べた通り授業をそもそも聞く気がない生徒もいる。
それは生徒が悪いのではなく、本当に構造上の問題だ。大人だって全く興味がない商品のセールストークは聞かないだろう。だから、先生なりに工夫しても、授業を聞かない生徒がいることはよくある。

大切なことは、自分が変えられる範囲で最大限を尽くすことだ。

一番良くないのは、変えられないことに悩み、精神を病んでしまうか、あるいは開き直って自分を変えずに他責にすることである。
残念なことではあるが、そういった先生がいるのもまた事実だろう。

授業を聞いてもらえないと嘆いている先生へ

内容より、まずは伝え方を考えてみてください。

諦める前にまだできることはあります。
悩みすぎず、周囲に相談しながら、時には本を読みながら、
自分にできる範囲を少しずつ変えていきましょう。

僕の経験が、少しでも参考になれば幸いです。

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