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シャミ子『桃!一緒にプロレス観戦に行きましょう!』

シャミ子『杏里ちゃんのお店の手伝いをしたらお礼にプロレスのチケットをいただきました!一緒に行きませんか!?』

桃『シャミ子ってそういうの興味あったの?』

シャミ子『貴様を倒す新しい技を開発するためです!それに筋肉が好きな桃なら一緒に行ってくれると思いまして。』

桃『たしかにプロレスラーの鍛え上げられた筋肉は見るだけで勉強になるけど。どうしようかな。』

メタ子『 時 は 来 た 』

シャミ子『ほら!メタ子もこう言ってることですし行きましょう!考えるより行動するが吉!』

桃『何でそうなる。まぁ、シャミ子が筋トレに精を出すかもしれないし、プロレスにも多少興味あるから行ってもいいかな。』

シャミ子『やったぁ!じゃあお母さんに桃と出かけるって言ってきますね!ヤホーイ!!』

桃『(はしゃぐシャミ子もかわいいな。)』

ーー 後楽園ホール ーー

シャミ子『わぁ、ここでプロレスの試合をするんですね。多魔市から少し遠かったけど。』

桃『多魔も一応は都内だけど地味に離れてるからね。』

リリス『桃よ。余もプロレス見たいぞ!血湧き肉躍る闘いを見たいぞ!』

桃『え、リリスさんも来たの?中に邪神像を持ち込んで良いか分からないからどうしよう。そうだ、鳴り物として使えば良いか。』

リリス『余のプライドがーッ!?ファァ~ン!』

シャミ子『ご先祖のプライドがズタボロボンボンです!』

スタッフ『チケット引き換えはこちらでーす!』

シャミ子『あ、えぇと、ハイ。』

桃『(いい感じに緊張してるな、シャミ子。)』

ーー会場ーー

シャミ子『わぁ、スゴい熱気ですね!ここがチケットに書かれてる席の番号みたいですね。』

桃『モニターに今日の対戦カードが載ってるね。へぇ、オカダ・カズチカ棚橋組VS内藤鷹木組か。これは中々なマッチメイクだね。』

シャミ子『桃は多少じゃなくて、結構詳しそうですね。』

桃『今の新日本プロレスは人気もそうだけど、試合のクオリティも物凄く高いからね。昭和も昭和で素晴らしいけど。肉体同士のぶつかり合いはもちろんレスリング技術や受けの美学、レスラーそれぞれの個性があふれるフィニッシュムーブ、エンタメとしての面白さ。色々な側面から見られるし、魔法少女としても得られる部分が多々あるんだよ結構。』

シャミ子『いきなり饒舌になりましたね!あの超絶カッコいい必殺技とかもプロレス技から拝借したんですか?』

桃『あれは私のオリジナル…(ボソッ)』

シャミ子『なっ!そうなのですか!?(いいセンス!)』

桃『あっ、もうすぐ始まるみたいだよ。』

リングアナ『大変おまたせしました。これより試合開始のゴングとなります!』

\ カンカンカーン! /

観客『ワァー!!!パチパチパチ!!!』

シャミ子『スゴい歓声ですね!!』

桃『第一試合はヤングライオン同士のシングルマッチ。ベーシックなレスリングと若さ溢れるファイトが見ものだね。』

シャミ子『でも黒いパンツだけで闘うのはカッコ悪くないですか?キラキラした衣装の人も居るし、私そっちを見たいです。』

桃『相変わらずトーシローだね、シャミ子は。ハァ…』

シャミ子『トーシローだと!?』

桃『あの黒いパンツと黒いレスリングシューズには、50年近い歴史を持つ新日本プロレスの伝統が込めらてるんだよ。』

シャミ子『そ、そんな背景があったんですか!あんなダサいコスチュームに長い歴史と伝統が。』

桃『そう。リリスさんだって今はだらしないけど何千年も前はそこそこ有名な存在だったんだから。意外と近くにも歴史と伝統は残ってるんだよ。』

シャミ子『ごせんぞ、さり気なく馬鹿にされてます。』

リリス『フォローしてくり〜、我が祖先や〜。』

桃『ほら、鳴り物としての役割を果たすんだリリスさん。カンカンカン!!』

リリス『試合見させろー!』

第3試合
\ ガツンッ! /

シャミ子『ひゃあッ!』

桃『あれはストーンピットブルの異名を持つ石井智宏。猪突猛進のファイトスタイルがもはや芸術の域に達した素晴らしいレスラーだよ。』

シャミ子『あの人は遠くから見てもまさしくプロレスラーって感じのビジュアルしてますね。相手の選手も龍みたいな模様に髪を刈り上げてて分かりやすいですね。』

桃『鈴木軍を率いる鈴木みのるだね。ゴッチ式パイルドライバーと必殺のチョークスリーパーは喰らったら逃げ場無しだよ。』

シャミ子『あ!頭から落とされました!危なすぎるッ!』

桃『石井の垂直落下式ブレーンバスターだ!1.2.3!
3カウント入ったよシャミ子!』

シャミ子『スゴいスゴい!桃のテンションも爆アガりですね!!クイクイッ』

桃『うっ///!私だって、血湧き肉躍る瞬間くらいあるよ。それよりシャミ子は必殺技のヒントは見付かったの?』

シャミ子『楽しくてそれどころじゃありませんでした…!』

桃『まぁ、試合はまだ続くからゆっくり考えれば良いさ。』

ー 第6試合 ー
リングアナ『これより、メインイベントの試合を行います!』

観客『ワアァアアア!パチパチ!』

シャミ子『会場の盛り上がりが最高潮ですね!桃!』

桃『そうだね、オカダと内藤のベルトマッチの前哨戦だから両者とも気合い入りまくってるね。』

シャミ子『私、お二人の派手派手しい衣装好きかもです!』

桃『棚橋はチャラそうな見た目と変な掛け声とは裏腹にオールドスクールなレスリングを得意とする親日本の不動のエース。オカダはプロレス界の至宝と言っても過言じゃないくらい人気と実力が伴った大人気レスラーだよ。』

シャミ子『あちらのコンビは口にイカついマスクをしたトサカヘアーの選手と襟足と前髪のバランスが悪い選手ですね。』

桃『髪型に特徴あるのは同意できるけどあんまり相応しい喩えじゃないね…。てゆーかぶっちゃけ失礼だよシャミ子。あの前髪の短さがあるからこそ、棚引くうしろ髪が映えるんじゃないの。ロスインゴベルナブレスデハポンの内藤哲也と鷹木信悟だね。』

シャミ子『そんな意味が込められてたんですか。プロレスラーの人たちの価値観はまだ分かりかねますね!
あっ、ゴング鳴りました!カーン!』

桃『オカダと内藤が先陣を切るみたいだね。まずはロックアップから内藤がロープブレイクして…おーっとオカダが張っていった!内藤が堪らず場外に逃げる!』

シャミ子『もう完全に実況してますね。』

桃『だって、楽しいじゃん。プロレスって。ここまで来たら、シャミ子も結構悪くないと思ってるでしょ?』

シャミ子『そりゃあ、初めてのプロレス観戦がこんなに楽しいと、また来たいなとは思ってますよ。でも私はそれ以上に、普段笑わない桃が楽しそうにしてる姿を見れただけで大満足ですよ。』

桃『そっか。。私も、シャミ子が楽しんでくれて嬉しい。』

シャミ子『桃、、(私はこの笑顔をあと何回見られるのだろう?この瞬間が永遠に続くよう、祈りたい。)』

桃『シャミ子!眼を逸しちゃダメだよ!内藤のデスティーノが決まったよ!』

シャミ子『何ですかあの逆上がりみたいな技は!おもしろい!
あっ!1.2.3.勝負あった〜!!カンカンカーン!
わぁ~!パチパチバチパチ!』

ー試合後ー

シャミ子『あぁ〜楽しかった!また絶対に来ましょうね!桃!』

桃『そうだね。シャミ子もプロレスの素晴らしさに気付いたことだし、今度は別の団体も行ってみようか。』

シャミ子『そうですね!そして、桃よ!わたし、必殺技思い付きましたよ!』

桃『ほう、、一体どんな技かな?』

シャミ子『ナントカの杖〜!ゴング!
これさえあれば、いつでも闘いを終わらせられる大変使い勝手の良い必殺技です!我ながら冴え渡ってます!カンカンカーン!』

桃『バカなのかな、シャミ子は?』

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