コロナにかかったら、お金がもらえた話。
こんにちは。コロナにかかったニートです。
最初に言っておくけど、悪いことをしたとか治験に協力したとかいう話ではないので、安心して読み進めてください。(笑)
ツイッターでは日々いろんなご質問をいただきますが、よく寄せられる質問ランキング5位くらいに来るのが、お金のこと。コロナになったらいくらかかるんだってこと。気になりますよね。私も気になってめちゃくちゃ調べた。
結論から言います。
私がかかったのは2300円だけ。むしろ3万5000円がもらえた。
こんな言い方したら誰かに怒られちゃいそうだけど、実際にコロナになって「お金がもらえた」んです。
さて、一体どんなからくりなのか。
今回はそんなお話をしようと思います。
私の支出「2300円」の内訳
まず2300円がどこにかかったのか。
これは初診料+薬代+診察料です。
ここにPCR検査の費用は含まれません。
ちなみに私が処方してもらった薬は
・解熱剤(頓服)
・鎮痛剤
・咳止め
・痰の薬
です。
一般的な風邪のお薬ですね。
「アビガン」など、コロナにきくかもと言われている薬も世の中にはあるようですが、現時点で日本では認可がおりていないため、処方されません。
「風邪の諸症状を抑えて、重たい肺炎などになるのを予防しつつ、自然に感染力が落ち着くのを待つ」というのが、今行われている治療です。
症状のある人が、PCR検査を受けたらかかる費用
PCR検査は「医師(保健所)が必要と認めた場合は無料」で受けることができます。
濃厚接触者であるとか、クラスター発生店を利用したとか、うたがわしい症状があるとか、そういうときは無料になります。
私も保健所との電話の上で病院紹介・PCRの斡旋をしていただいたので、無料でした。
無症状の人が、PCR検査を受けたらかかる費用
ではそうでない時はどうなのか。
「疾患があって心配だから調べておきたい」「濃厚接触者ではないけど、友人がかかったから一応みておきたい」という方はいると思います。
特にこの年末年始の時期は「実家の両親のもとへ帰る前に調べておきたい」という方も多いのではないでしょうか。
そういう場合は、PCR自体は自費になります。
病院や検査センターで受けることになります。その際の費用は大体2万円から。証明書を発行するのにはさらにお金がかかります。ひぇ……。
……だったのですが、最近は2000円程度から受けられる「格安PCR検査」などもあるそうです。各地域に続々と開設されているようなので、調べてみてください。
私の方で色々調べてみたので、リンクを貼っておきます。
◆東京PCR衛生検査所
└全国のPCR検査を受けられる場所が掲載されているサイト。数万円程度かかるものしか掲載されていませんが、病院が責任を持って運営している(であろう)センターが並んでいます。
◆新型コロナウイルス検査センター
└ソフトバンクの子会社が運営している検査センターです。ここは厚生労働科学研究によって、効果が実証された方法での検査を行っているようです。詳しくはこちらのページをご確認ください。
こちらは法人向けの施設で、郵送にて検査を受けつけている模様。北海道と東京に、検査をする施設があるそうです。個人で急に伺って検査してもらえる場所ではないのでご注意ください。
参考までに、検査までの流れと料金について記載したPDFの一部を。詳細は上記HPからご確認ください。
そういうわけで、無症状の方がPCR検査を受けるにはお金がかかってしまいます。
会社負担で、みんなでPCR検査を実施しているところも多いようです。福利厚生の一環として、ぜひ検討・打診してみては。
ホテル療養にかかるお金は?
さて、ここまで病院とPCR検査にかかるお金のお話をしてきました。
では「実際に陽性になって、ホテル療養をすることになったら、どのくらいお金がかかるのか」というお話をしましょう。
また結論から申しますと、
ホテル療養のお金は、かかりません。
ホテル療養にあたって、お金はかかんないんです。
ほんとです。ほんとにかかりません。
ほんとですって!!!
ホテル療養中にしてもらったことで「本当だったら、お金がかかりそうだなあ」と思ったことはこんな感じ。
・タクシーで自宅までお迎え(帰りは自力)
・ホテルの部屋代(部屋にあるものは通常の宿泊時とほぼ同じように使えます)
・お弁当代(おいしいお弁当が1日3食。詳しいメニューはこちらから)
・体調不良時の経口補水液、お粥などの捕食
・お薬代(最初に病院でもらった薬が途中でなくなったりした時用。持病の薬などはない)
・お医者さんの電話診察(症状を電話できいて、脈や酸素飽和度を報告して、薬を処方してくれる)
・看護師さんの電話相談(毎朝の体調確認の他、いつでも心配なことは内線で聞ける)
これら全部、お金を払わないで受けられることなのです。
※入院先のテレビ・冷蔵庫などの使用にお金がかかる病院もあるそうですが、その場合は自費になるみたいです。ホテルは大丈夫です。
なぜかというと、新型コロナウイルスは「指定感染症」というものに指定されているから。
最近よくニュースで耳にしますね。指定感染症。外すとか、下げるとか、よくわかんないですよね。私もよくわかんないです。
わかんないので、調べました。が、思いの外長ーいめんどくさーいお話でした。そのあたりの話は、また今度サルでもチワワでもカワウソでもわかるようにまとめてみようと思います。
まあすっごい簡単にいうと「指定感染症」とかに指定されている感染症には「感染症法」という特別な法律が適用されます。
「感染拡大したらやばいから、あらかじめ対処方法をきめておくね」って法律です。
で、その感染症法の第37条で「診察代・薬代・処置代・手術代・入院代は、都道府県が出すね~!」と決めてあるのです。
入院じゃなくて、ホテル療養でもそう。
一応下の厚生労働省が出してる文書を見て解釈したんだけど、間違っていたら誰かそっと教えてください。
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく臨時の医療施設における医療の提供等に当たっての留意事項について(その2)|https://www.mhlw.go.jp/content/000627650.pdf
新型コロナウイルス感染症の感染症法の運用の見直しについて|https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000675228.pdf
だから、コロナにかかっても、私たちはお金の負担なく療養できるわけです。ありがたい。
税金で療養ができる。だからこそ、嫌なことを言ってくる人もいる。
「コロナかかったくせに、健康な俺らの税金で食っちゃ寝しやがって」「こんな遊び歩いて罹患した奴らに、なぜ俺らの税金を使わにゃならんのだ」
……と、言う人はたぶんいると思います。
でも気にしないでください。
コロナはもう、誰がいつかかってもおかしくない状態です。
潔癖症の方が「手袋して、消毒液も必ず使って、服もこまめに洗って、いつも以上に徹底してきれいにしていたのにかかった」とツイートしているのを見かけました。どんなに頑張って対策してもかかるんです。
絶対かからないためには、もう絶対家を出ず、宅配や郵便も受け取らないという方法しかありません。
そんなの無理ですもの。やっぱり誰がかかってもおかしくないんです。
非難してくる人は「偶然」かかってないだけ。
「偶然」かかってない側に立っているだけで、明日は我が身かもしれないのに、そんなことにも気つかずに大きな声で非難しているだけ。
罹患者は悪者じゃないし、税金はつかってなんぼ
ここで恥ずかしい俳句を披露しましょう。
「謝罪側 運悪くなっただけなのに 遠く感じる 昨日の立場」
療養中の私が質問箱で「罹患して各方面に謝罪しまくってるうちに悲しくなってしまいました。この気持ちで一句」という無茶ぶりを受けて、ツイッターで詠んだものです。
軽く答えた風を装っていますが、ごはんを食べながら1時間くらい考えて答えました。(笑)
恥ずかしいんだけど、割といい句なんじゃないかな、なんて思ったり。
昨日まではコロナなんて他人事で、友人の友人がかかったなんてきいたら「気の毒に」って思ってたし「学校ではだれが一番にかかるかな」なんて思ってたのに。
陽性の電話を受けた瞬間から「こっち側の人」って感じ。
「気の毒に」「一番にかかりやがって」って思われる側に。
「そっち側は気楽でいいな。いつでも散歩や買い物にでかけられていいな。昨日までは私も同じだったのに」なんて思うんですよね。
大きな声で非難してきている人もそう。いつ「こっち側」になったっておかしくないんだ。
彼らには「明日は我が身」という言葉の載った辞書を、ぜひプレゼントしてあげたい。
ほんと。彼らだって明日は我が身。
そんなことにも気がつかない。非難される辛さも想像できない。ただの視野の狭い人たちです。気にしちゃいけません。
罹患した罪悪感を抱えてしまっている・抱えてしまいそうなあなたへ
……それでもやっぱり「税金つかってごめんなさい」「看護師さん疲れてるのにごめんなさい」「防護服着るの面倒だよねごめんなさい」って思っちゃう、心優しいあなたに読んでほしいものがあります。
『幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう。』という連載より、『新型コロナウィルスに感染したことに罪悪感を抱かないで』という記事。
がんで余命3年と宣告された写真家の幡野広志さんが、読者からの悩みにいろいろ答えるという連載です。
コロナに罹患して罪悪感を抱く相談者への回答。
私なんかの気休めの言葉より、頼もしくて説得力があって、優しい言葉。
途中からcake有料会員専用の記事になってしまったのだけど、最初の週は無料で会員になれます。登録したら、幡野さんだけでなく、いろんな方の記事を読めます。無料のうちに解約することもできます。
登録の手間を惜しまずに、この記事を最後まで読んでほしいです。ぜひ。
「コロナで疲弊したり攻撃的になってしまっている私たちに、いま本当に必要なのは、こんな言葉だったんだ」と思いました。
ちなみに私と幡野さんは、なんの関係もありません。ただのファンです。まわしものでもなんでもありません。
でも、今、誰にでも必要だと思う言葉たちです。ぜひ読んでください。
コロナでお金もらえるってなんの話?
ついつい脱線してしまいましたが、まだ大事なお話をしていませんでした。
「で、3万5000円もらえたってどういうことなんだ!なにをしたんだ!」という話。
……もうお気づきかもしれませんね。
これは「保険のお金」です。
医療保険には「入院すると1日○○○○円を保険会社がだしますよ~」という保障があります。そのお金です。
私はそんなにすごい保険に入っていなかったのですが、それでも1日5000円×7日(12月11~17日)=3万5000円がもらえました。
※4月8日追記
自宅療養も入院扱い(本来は入院が必要だったけど、空きがないから仕方なく自宅療養した扱いになるので)なので、保険料がおりるようです、
もっとすごい保険に入っている方は、もっともらえます。
これはずるでもなんでもなくて、正当な保険の制度。利用しない手はありません。
必要な書類は「療養証明書」的なものだけでOKという保険会社が多いと思います。なるべく迅速な対応をするため、保険会社側も手続きを簡略化してくれたりしているみたいです。
こんな紙。これは私の。
あ、これみた感じ自宅療養でも保険下りそうですね。
というわけで、療養中に保険会社で必要書類・もらえる金額を確認しておくことをおすすめします。
療養証明書の発行方法なんだけど、私の場合は療養のしおりに「療養証明書帰るときにあげますよ」と書いてありました。言わないと発行してくれないところもあるとききました。
書いていなかったり、わかんなかったりしたら、療養先の事務局の方にきいてみましょう。
もちろん、これは病院に入院している方ももらえます。自宅療養でももらえそうです。
体調が落ち着いてきたら
・保険でいくらもらえるのか
・保険の申請に必要な書類
・必要な書類はどうやったら手に入るのか
は必ず確認しましょう。
さいごに
コロナ療養に関するお金の話は以上です。
個人的にホテル療養で地味に助かったポイントは「シャワーと暖房を心置きなく使えること」。
うちはプロパンガスなので、ガス代がすっごく高い。しかも暖房と部屋のサイズが合ってないから、ぜんぜん部屋があったまらない。
でもガス代高いし、ニートで収入ぜんぜんないから、ちょっと節約してたりしたわけです。もちろん寒い。
ホテル療養だともちろん暖房代もお湯代もかからないので、お部屋をちゃんとあったかくして、余裕があったら湯舟で体をあたためるようにしていました。本当にありがたい。
とにかく、コロナになってもお金はかからないから、安心してください。
質問箱には「父親がコロナになって、私も濃厚接触者になってしまった。お金がたくさんかかるのかな。お母さんは持病があるし死んじゃうかも。どうしたらいいんだろう」という中学2年生の方からの相談がありました。
もう一度言うけど、お金はかからないから安心してください。
全く、報道のベクトルが偏ってばっかりだから、まだ中学生の子がこんな心配をしなきゃいけないんだ。
それに「幼稚園児がコロナで一人で入院するのを怖がって泣いてしまって、登園できない日も」というお話もいただきました。
こちらのツイートを見て少し安心してくれたとのこと。ということはやはり、安心できる報道があれば、幼稚園児だって安心してふつうの暮らしができるってことですよね。
ああ、もう。
テレビではホテル療養などについても、体制の穴を突くことばかりが報道されています。
でも私がいたところはしっかりしていて。本当に安心して過ごせました。初期はこんな感じで不安な部分もあったらしいけど、今は違う。
私がホテル療養に至るまでのことを記したこちらの記事からも、看護師さんたちが優しくサポートしてくれる様子が垣間見えると思います。
とにかく、今私たちにできることは、
お金のことにしろ、
ホテル療養のことにしろ、
症状のことにしろ、
とにかく正しい情報を知っておくこと。
知って備えることが、誰にでもすぐにできる、いちばん簡単で大切なこと。
コロナを正しく知って、正しく備えて、正しく恐れる。
それが大切だと思います。
これからもホテル療養の最中にあったことなどを更新していきますので、またのぞいていただけたら嬉しいです。
それでは、またよかったら。
すごい余談
表紙の最初の案。
いつもよりグイッと寄ってインパクトを出したかった。
悪者感もちょっと出したかったんだけど、悪者感出すぎてボツにした。供養。なーむー。
私に、コーヒーを一杯ごちそうしてくれませんか。