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COVAの海の守り人は真珠をつくり始めています

COVAには他の宿泊施設にはいないであろう「海の守り人」がいます。
前回取材をした時には、まだ見習いだった岡部さん。
今では見習いを卒業し、COVAの未来に向かって動き始めていました。


1.真珠養殖場の跡地だからこそ叶えたいこと

森の再生からはじめて入り江を甦らせ、復活した海から真珠を採りたい。
伊勢志摩で真珠をつくりたい。

真珠卸会社の3代目でもある、覚田社長が叶えたい夢のひとつです。

COVAは、もともと覚田真珠の養殖場として使われていた敷地に建てられたリゾートホテルです。
真珠養殖場として稼働していた頃には、「より美しい真珠をつくること」を目指してたくさんの人が働いていました。

当時の面影を残した建物はレセプション棟として生まれ変わり、訪れるお客さまをお迎えしています。

レセプション棟には覚田真珠創業者である初代・覚田嘉蔵の名
当時の梁をそのまま残しています

新しいのにほっと落ち着くような懐かしい印象を受けるのは、かつてこの場所に集った人たちが過ごした空気を、わたしたちがおすそ分けをしてもらっているからなのかもしれません。

2.真珠をつくること

真珠は生きた貝の体内で育まれる宝石です。

・生きた貝の細胞片(ピース)
・淡水の二枚貝を削ってつくる核

このふたつを母貝のなかに入れて(挿核)、1年から2年かけて海の中で育てます。
そのため、真珠養殖は海に面した波の穏やかな入り江で行われています。

COVA のある志摩地方は真珠養殖発祥の地であると同時に、真珠つくりに適した地形・リアス海岸がひろがっています。

岡部さんは現在、COVAに隣接する真珠養殖場でお世話になり修行をしています。

海に面した真珠養殖場


真珠つくりは、生き物と自然を相手にするため簡単ではありません。
なかでも挿核作業は、いかに貝の負担を少なく行えるか、
熟練の技を必要とする難しい工程です。

真珠を育むアコヤ貝

岡部さんが挑戦しているのは3mmの真珠です。
ひとつの貝の中に4つの核を入れて真珠をつくります。

真珠つくりの師匠によると、岡部さんはスジがよく手先が器用なんだとか。
ガンプラ(ガンダムのプラモデル)を作るのが好きなので、細かい作業に抵抗はありません。

ただ、いい真珠ができているかは開けてみるまでわからない、と師匠は言います。

挿核の様子・丁寧に素早くを心がけます

5月末から始めたばかりの岡部さんに、何が一番難しいか聞いてみました。

同じ速さで作業すること
ムラができてしまい、一定スピードを保つのが難しいそうです。
また、ずっと同じ姿勢で作業をするのも苦手なんだとか。


修行先の養殖場では、ピースを作ることから各自で行います。

細胞貝から生きている細胞片を採るところ
母貝の中に入れるためのピースを切るところ

同じように教わっても、作業をする人のやりやすいように自己流になっていくそうです。

この道一筋・みっちゃん師匠の細胞片

師匠たちの動きを見ていると
細胞をつくる速さ、挿核する正確さ
どれをとっても余分な動きがなく、無駄がありません。

無意識にできた形式美が、貝への負担も少なく美しい真珠を生み出すことにも繋がっているのかもしれません。

岡部さんが少し前に珠入れをした貝を見せてもらいました。

ドキドキします
残念ながらいくつかの貝は核を吐き出していました


師匠たちのように美しい真珠がつくれる日まで。
岡部さんの道は始まったばかりです。

浜あげが楽しみですね!

3.COVAでは一緒に働いてくださる方を募集しています

岡部さんと一緒に真珠つくりをしてみませんか。

採用について
https://kakudapearl.jp/recruit/#recruit_point
COVA未来の里海準備室
TEL:0596-28-0231(担当:本多)